先日開催されたポタフェス2017 秋葉原で、久々に高音質型のオープンエア型インナーイヤーフォンを見つけ、衝動買いしてしまったもう一つの製品がこの品です。先日掲載したMX880の上位製品ということになります。
後継製品に細部を改良して価格を下げたというMX985という製品が用意されてはいましたが、この製品も当時のハイエンドモデルであることは間違いありません。MX880と比べると、外箱の立派さもまるで違います。
正規代理店経由の品であり、きちんと日本語版の取扱説明書・保証書が用意されています。
この外箱はかなり凝った構造なのですが、正直言ってこんなことをされても特に高級感が演出される訳ではなく、もっとシンプルで良いと思うのですが…。
外箱に「High Quality Metal-Crafted」と書かれているだけあり、主用部品は金属製で質感も高いものです。ただ、SENNHEISERはこの製品に限らず、必ずケーブルの中間にボリュームを搭載してくるのですが、これははっきり言えば邪魔なんですよね。ここから接触不良や断線も起こりやすくなりますし、ボリューム無し仕様も用意しておくべきだったと思います。
重厚感はさすがだが、バランスはMX880に分がある
試聴には、ONKYO DAC-HA300とSONY WALKMAN NW-A16を利用しました。
この写真を見ればおわかりいただけるかも知れませんが、標準添付のイヤーパッドでは明らかに高域不足に陥るため、先日掲載した百均ショップで売られているイヤーパッドをドーナツ状にカットしたものを装着しています。以下の音質評価はその状態で行っているとご理解ください。
「Night And Day / Chicago」の収録曲のようなビッグバンド形式の演奏では、MX880でもなかなか表現できていなかったスケールや奥行きが感じられる辺りは、さすがに上位モデルらしい風格といえます。ただ、DAC-HA300ではこの状態ですら高域方向の不足が顕著なのです。かといってイヤーパッドを全く使わないと、今度はきちんと耳に収まってくれず、装着感も音もスカスカになってしまうのです。
そこでプレイヤーを高域方向のメリハリと解像度があるNW-A16に変更してみます。すると、まだ少しハイ落ちの傾向は残るものの、許容範囲というところで落ち着くのです。
MX880と比較すると低域の密度や重厚感では上回るのですが、高域方向の量と音場の見通しの良さでは劣るという印象を受けます。恐らく一定以上のクオリティーを持つDAPと組み合わせた場合には、幅広いジャンルを無難にこなすのはMX880の方ではないでしょうか。MX980が活きるのはウッドベースの質感を問われるようなジャズや、スケール感を要求されるフルオーケストラの楽曲ではないかと感じます。
今NW-A16に接続して「L-O-V-E / Diana Krall」を聴いているのですが、ベースの質感はインナーイヤーフォンから出ているものとは信じられないほど見事です。逆に写真に写っているような楽曲では、どうしても大人しめの表現となってしまいパッとしません。
得意なソースであれば明確にMX880を上回ってきますので、聴きたい楽曲に合わせてMX980をセレクトするのが正解ではないでしょうか。外出時にどちらか一方だけを連れ出すのであれば、私はMX880の方を選ぶと思います。
-
購入金額
5,000円
-
購入日
2017年07月15日
-
購入場所
ポタフェス2017 秋葉原会場 物販コーナー
ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。