MISIAは言わずと知れたSOUL DIVAで、アルバムには結構ビートの効いた曲が多いのだが、実はシングル曲としては圧倒的にバラードが多く、激しい曲は多くない。その数少ない激しめの曲の中でも屈指のビートチューンが本作。ちょうど彼女の方向性が最もHip Hopに向いていた時で、刺激的な作風となっている。
作曲者(共作含む)はDJ出身のSAKOSHIN(1~3曲目)。2曲目の成川正憲によるギター以外のトラックメイクも彼が手がけており、かなりダンサブルな曲調に仕上がっている。
シンベのビヨンとした音色とゲートで切りまくった刺激的なドラム音、切り込むストリングス系サンプリング音、挟まれるDJの掛け声がディスコチックな「BACK BLOCKS」。これだけバックが超打ち込みで刺激系なのにMISIAの声が負けていないのがイイナ。作曲、編曲、トラックメイクも全てSAKOSHIN一人でやっているので、そのあたり「わかって」いるのかな。
「めくばせのブルース」は、縦ノリの硬いビートに成川の鋭いカッティングが絡むトラック。後のライヴでも再演されているが、このシングルほどの硬いアレンジではない。縦ノリの曲とファルセット領域を使った伸びやかなメロディという珍しい組み合わせの曲だが、成川のカッティングで使う和音がテンション効いてて面白い着地点に曲を持って行ってる。
「LAILA (So So Def Remix)」は...外人(Jermaine Dupri=JD)リミックスだから仕方ないのかな~、歌詞の内容とマッチしないブツ切りコラージュのリミックスでビート強調しすぎでイマイチ。元曲はこの時期のMISIAの楽曲では最も好きなものの一つで、彼女の切々としたヴォーカルと高域の華と張りのある声音が味わえるのだけれど、このリミックスはスクラッチなどがはめ込まれた完全縦ノリの曲になっていて、ダメダメだな~。JDはアトランタの有名DJなので依頼したんだろうけれど、実は後悔したんじゃなかろうかと思うくらい。今回の満足度の★、マイナ1はこのリミックスのせい。
このCDはCD Extra仕様となっていて、5曲目というかCD Extra部分に「BACK BLOCKS」のMVが収められている。ただ、こういうデータ喰う系コンテンツは15年前のものともなると古い感じがするね。動画部分は320×240のものでとても小さい(実際には640×480のフレームが付いているが、それでも今の基準では小さすぎる)。これはこれが付いている事を喜ぶと言うよりは、本作がCD Extra仕様であるために当時日本で多用されたCCCDなんぞという音が悪い「CDのまがい物」ではないことを喜ぶべきかな(CD Extraはブルーブックにきちんと規定されているCDの一種)。ディスコ界隈で支持を得たMISIAの一面を直接感じることが出来る、攻撃的なシングルです。
【収録曲】
1. BACK BLOCKS
2. めくばせのブルース
3. LAILA (So So Def Remix)
4. 飛び方を忘れた小さな鳥 (STAR OCEAN version)
<CD Extra部分>
5. BACK BLOCKS (DANCER MUSIC CLIP for play PC only)
「BACK BLOCKS」
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購入金額
1,050円
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購入日
2002年頃
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購入場所
れいんさん
2017/07/06
バイク乗ったり刀使ったり
やっぱりかっこええのぉ
cybercatさん
2017/07/06