歌姫bird。MONDO GROSSOこと大沢伸一に見いだされ、初期には彼のサウンドプロデュースで約2ヶ月ピッチの怒濤のシングル攻勢をしていた彼女。現在はシングルはしばらく出しておらず、アルバムアーティストになっているが、今でも活動を活動を続けている表現力豊かなシンガー。今は大沢の元を離れている彼女だが、やはりそのシングルの多さ(=露出の多さ)と楽曲のインパクトでbirdといえばMONDO GROSSOプロデュースのこの時期が一番印象に深い。
本作は8作目のシングルでそれまでの2ヶ月おきのシングルリリースから少し間が開いて前作“GAME”から半年ぶりに出た曲。でもbirdの表現力も、MONDO GROSSOの創造力も尽きる事はなく、むしろ前作と少し空いたことでさらに進化した気配すらあって、birdの曲の中で高く評価する人が多い曲となっている。
このMAXIシングルには表題曲が3曲とカップリング1曲が入っているが、表題曲がそれぞれ表情が違って面白い。
「素」の「オアシス」は、ストリングスとヴォーカルだけで導入される部分の静かさと、リズムインしてからの動のグルーヴの対比が良い。このアレンジは細かく刻まず大きくノリを出すベースと逆に細かく16ビートで刻むパーカッションの対比がよく、包み込むストリングスと生ギターのカッティングでうねるようなアーシィな感じのバックが力強いbirdの歌声を支える良曲。
「オアシス (北大中 Version)」。これは「リミックス」ではなく別ヴァージョン。力強いカッティング中心の表題曲と異なりアルペジオを多用した生ギターにウッベ、パーカッションという構成でボサノヴァ風のテイストで進む。若干落とされたスピードに合わせて?birdも少しけだるげに歌い、ジャジィ。最後のスキャットのリズム感がイイナ。
「オアシス (Organic)」はリミックス。「素」の「オアシス」からリズム系をオフり、ミックスを大きくした生ギターのカッティングを中心にリズムを形成する。緩やかなグルーヴ自体は変わっていないので、うねるようなノリはあるのだけれど、より「前」に出たストリングスとそれに乗るbirdののびやかな声の印象が強い。
シングルに3つも同じ曲が入っていると「水増し感」「手抜き感」が強く、結局飽きて聴かなくなるのだけれど、これはいずれもそれぞれ味がある。特に「北大中 Version」は素晴らしく、この曲の魅力を高めているが、いわゆる「シングルA面」になれる曲調ではないので、そういう意味ではカップリングで出してくれたことに感謝したい。birdの表現力とMONDO GROSSOの尽きぬアイデアが結晶した良盤です。
【収録曲】
1. オアシス
2. あれから
3. オアシス (北大中 Version)
4. オアシス (Organic)
「オアシス(画像はPVではなく投稿者が後付けしたものです)」
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購入金額
1,223円
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購入日
2001年頃
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購入場所
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