さかいゆう。かなり特徴的な歌を歌うシンガーソングライター。芯はポップで、でもゴスペルとかソウルと言った黒人系のフレーバーも感じる。でもそれが強く出過ぎることはない。そしてその透る声。あまり似た感じのアーティストがいない独特の立ち位置にいる彼の最新シングル(2017年6月現在)。もともとあまり多作ではないが、ここのところは年イチ程のペースでシングル、2年に一度程度のアルバム製作となっている彼の昨年末の作品。
このシングルは映画「幸福のアリバイ~Picture~」の主題歌だが、コメディタッチの内容と聴くその内容と合っているのかはわからないが、少なくとも題名は言葉を英単語に掛けてちょっとコミカル。
その「再燃SHOW」。やっぱりさかいは感性が日本人離れしているな。まるで洋楽のようなコーラスの付け方が上手すぎる。このシングルではバックは打ち込みを使わず、バンド構成だが、リズム隊がグイグイ前に引っぱる。この前へ前へのグルーヴいいな、と思ったら種子田健(ベース)+望月敬史(ドラムス)のキレキレコンビだった。ベースがヴンヴン唸ってるしスネアの粗い音がステキ。これは4曲目のオフヴォーカルトラックで良く判る。
一転「Drowning」は打ち込みではないのに、サンプリングされたようにアタックがフワッと立ち上がるように加工され左右にパンするコーラスと、オンタイムディレイを上手く使った柴山哲郎のギターが幻想的でかなり乾いた機械っぽいノリ。そこにアフリカンな感じで切り込むコーラスと全編英詞の歌詞が異国情緒を醸し出している。
特典CDはライヴのリハ音源だが、特に良いのはファンキィな「よさこい鳴子踊り」。いわゆる♪ヨッチョレヨ/ヨッチョレヨ♪と歌うアレなのだけれど、バンドが入り、エレピの音色や喰ったリズムのドラムスでグルーヴィにやられるとイイ!とくにリハなのであまり音が「お化粧」してないのが、ラシイ。これは貴重なテイクかも。他にもデビュー曲「ストーリー」はかなりソリッドなアレンジに変わっていて、ライヴで味わいたくなる。このライヴのリハを特典に付けるのは、曲を練り上げていく裏側と言うような普段見えない部分が見られるという特別感と、ライヴならではのカバーやアレンジのチラ見せの効果もあって、ライヴに足を運びたくなる良い企画だな。
もともとスタジオレコーディングの曲もバラエティに富んでいるが、この初回盤CDはライヴのリハが収められているので、彼の製作時期の違う曲や民謡まで今の「さかい流」に仕立てられた曲が何曲も聴けて楽しい。独特の感性を持つアーティストからは刺激がもらえる。そんなことを感じた作品でした。
【収録曲】
<CD>
1. 再燃SHOW
2. Drowning
3. But It’s OK!
4. 再燃SHOW (backing track)
<特典CD:“POP TO THE WORLD"-rehearsal take->
1. よさこい鳴子踊り
2. Headphone Girl
3. ストーリー
4. 再燃SHOW
「再燃SHOW [Full Ver.](最初2分ほど劇)」
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購入金額
2,000円
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購入日
2017年02月28日
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購入場所
TOWER RECORDS
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