KATSUMI。1990年代にCFやドラマのタイアップが多く、後にアルバムチャート1位も記録した男性シンガー。自身も曲を作るが、特に初期は作詞本人(渡辺克巳名義)で他から作曲家をまねくことが多かった(本作では石川洋の曲が多い)。
本作“ROSE is a ROSE”は彼の3rdアルバムで、デビューアルバム“SHINING”
から続く3部作のラスト。
デビュー当初はもう少しフュージョンテイストやブラックテイストが濃かったが、いいかんじにPOPにアカ抜けている。
...といっても1曲目の表題曲は組曲構成でちょっと凝っている。大竹徹夫のコロンとしたハープシコードとエレピの中間のような音のキーボードをバックに、KATSUMIがダフリングヴォーカルをとる「Rose is a Rose」が最後はパイプオルガン風の音で終わったかと思うと、「Hey!」という掛け声が勇ましい「Nothing But The Truth」に移る。メロディは変わらないのに硬い打ち込みのキメキメのリズムと鳥山雄司
のギンギンに歪んだギターで、ど派手でアツい曲になっている。ラストの「Fly Over Me 〜Proposition〜」教会合唱風の小品で、これはKATSUMIとしてはクレジットされず、当時彼が楠瀬誠志郎と崎谷健次郎の二人と組んでいたコーラスユニットadam名義。聖歌のような尊さがある。
「It's my JAL」はその名の通りJALのコマーシャルソング。彼のシングルとしては一番売れた曲でもある。爽やかなメロディと朗々としたKATSUMIのヴォーカルが心地よい。曲はこれは石川ではなく、中森明菜の「DESIRE-情熱-」や西城秀樹の「ジプシー」を手がけた鈴木キサプロー。アウトロの鳥山の泣きのギターソロがかっけぇ!
このアルバムで一番ファンキィなのが、「ダブル・フェイス」。AMAZONSのコーラスが入っているからか、久保田っぽいニュアンスもある。でもそれよりデジタルでシカケが多い。Jake H.Concepcionのサックスソロは転調して始まるし、その終わり際にはSEが左右を駆け回る。都会派ファンキィダンスビート...という感じか。
いずれの曲も「録り方」や「伴奏の音色」は古さは否めないが、声そのものは古くない。そういう意味ではホンモノだったかなって(←ソバージュ風の髪型でスタイリッシュに出てきたので若干偏見があったけれどもw)。ケースは既に色あせてしまったけれども、中身は色あせない、そんな作品です。
【収録曲】
1. Rose is a Rose
scene Ⅰ Rose is a Rose
scene Ⅱ Nothing But The Truth
scene Ⅲ Fly Over Me 〜Proposition〜
2. Future Man
3. FREEDOM
4. In Your Eyes
5. It's my JAL
6. 明日なき愛 〜Still looking for that day〜
7. COME ON (Continental Mix)
8. ダブル・フェイス
9. Come Over Here
10. Just time girl
11. Fly Over Me 〜Conclusion〜
「It's my JAL」
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購入金額
3,000円
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購入日
1991年頃
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購入場所
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