私の車は来月車検を迎えるのですが、そろそろタイヤの溝が心許なくなっていました。MICHELIN PRIMACY 3STだったのですが、このタイヤの195/65R15は日本に正規輸入されていないサイズ(注.このレビューの公開時点での情報。後に日本でも正規品の取り扱いが行われるようになりました)であり、並行輸入品を扱っていたショップで購入して装着していたものです。
購入した店で聞いてみたところ、同型のPRIMACY 3STは既に取り扱いはしておらず、同型の入手は不可能とのことでした。そこで次のタイヤは何にするかと情報を集めていました。
履かせる車がかなり古いものであり、下手をすればタイヤの寿命より車の寿命が先に来てしまうことも考えられますので、今回は一定レベルの品質に達していれば何でも良いから安いものという考えもありました。
実際に検討していたのはPIRELLI Cinturato P1か、耐摩耗性が高く寿命に優れ、結果として経済的であるといわれるMICHELIN Energy Saver+でした。特にCinturato P1は4本で工賃・税等全て込みの価格で3万5千円という見積もりをもらっていましたので、これで妥結しようかとも考えていました。
しかし、近所のガソリンスタンドでガラスコートをしてもらった際に、タイヤについても少し話をしたところ、DUNLOPから型落ちを入手できれば特値を出せるという情報があり、念のためにと声をかけてみました。
すると狙っていた型落ち品は確保できなかったものの、Energy Saver+(全て込みの価格で5万3千円)の対抗品として提示されたのが、このLE MANS V LM705でした。まだ発売からあまり間が無く、値引きも渋い製品なのですが、Energy Saver+よりは何とか安くするということ、またLE MANS V自体が偏摩耗防止に力を注いだ製品であったこと、さらにいえば体調が悪かったので近所で済むならそれがベストなどという考えから、当初全く考えていなかったこの製品に妥結しました。
省燃費タイヤの感触
同じ比較的上位のコンフォートタイヤではあるのですが、どちらかといえば走行性能に重点を置いていたPRIMACY 3ST(ミシュランとしてはコンフォート性能重視モデルです)に対して、LE MANS Vはネーミングとは裏腹にコンフォート性を重視したと思われる味付けとなっています。
一応エコタイヤに分類される製品であり、転がり抵抗AA、ウェットグリップbということで、実はそれぞれA、cとなっているPRIMACY 3STよりはスペック上は高性能ということになります。
DUNLOPの一定以上のグレードのタイヤには、SILENTCOREと呼ばれる吸音スポンジが内蔵されていて、ロードノイズの低減に貢献しています。実際に走らせてみると、主に高域方向のノイズが少ないことはわかります。
乗り味については、転がり抵抗は明らかに少なくなったことがわかります。アクセルの踏み方などは以前使っていたBRIDGESTONE ECOPIA EP100Sとほぼ同じですし、アクセルから足を離しても空走する距離も近い感触です。
EP100Sと比較すると、コーナリング性能などは良いように思います。ブレーキ時の制動も優秀な方では無いでしょうか。ただ、PRIMACY 3STのような剛性感や独特の固さは感じられず、やはり日本メーカーのタイヤなんだなと実感させられます。
あとは耐摩耗性能ですが、この辺りはある程度長く使わないとわからない部分でしょう。今のところはまずまず満足というところで、年単位でどのように印象が変わっていくかというところです。
なお、価格は4本セットの工賃や廃タイヤ処分料などの諸費用を全て含んだものとなります。
パンクさせられたため後輪2本のみ入れ替え
先日防犯カメラのレビューで記載しましたが、とある近隣の住民による嫌がらせで右後輪に装着していたこのタイヤに穴を開けられ、修復も不能というレベルでしたので、最低限となる後輪2本のみを入れ替えました。
寿命まで使い切ることが出来なかったのは残念ですが、事件の2週間ほど前にローテーションを行い、ショルダーの摩耗が大きくなっていた方を後輪に回したばかりで、前輪をやられるよりはマシだったということだけは不幸中の幸いです。
10000km経過でウェット性能の弱さを痛感
このレビューは外部ユーザーの方も含め多くご覧いただいているようですので、継続使用してみて気付いたことについて追記しておきたいと思います。使い始めは好印象だったのですが、ある程度使っていくとネガティブな要素も見え始めてきましたので…。
最初の内は問題なかったのですが、約1年使った辺りから気になりだしたのは、ウェット性能の低さです。まあ、2本は途中入れ替えでまだ1年経過していませんが…。
厳密に言えば、きちんとしたアスファルト舗装された道路であれば、実用上問題ない程度のウェット性能は確保されています。しかし、例えば高速道路の料金所など、コンクリート舗装されていたり、橋の継ぎ目のジョイントなど金属がある場合に問題になってきます。
雨天時に高速道路に乗るときなど、料金所を通過して加速しようとアクセルを踏み込むと、コンクリート舗装部であれば車がコントロールを失うほど豪快に滑ります。姿勢制御がない車であればクラッシュしても不思議ないほどひどいものです。
また、ジョイント部などもアクセルを通過する瞬間にオフにしておかないと、間違いなく車の姿勢が乱れるほど滑ります。このタイヤの前に履いていた、MICHELIN PRIMACY3で交換前に溝が殆どなくなった状態でかなりウェット時のグリップが落ちていましたが、LE MANS Vはまだ溝が充分に残った状態でそれ以上に滑ってしまうのです。
一般的に自動車雑誌等でのレビューは新品で行いますから、このような問題点はまず目立ちません。しかし、10000km程度であれば殆どのユーザーは同じタイヤをごく普通に使う使用量でしょう。それでここまであからさまに性能が落ちてしまうのはさすがに問題といわざるを得ません。
ドライの路面であれば依然として十分な性能は保っていますが、ウェット性能を考えると残念ながら評価は辛くせざるを得ないようです。
買い換え。約3万Km使いました。
先日車を12ヶ月点検に出したところ、パンク後に交換した2輪はともかく、最初から使っていたもう2輪は次の6ヶ月点検までにスリップサインが出る程度に減っているという診断を受けました。
その時点では暫定的にローテーションをして帰ってきたのですが、ウェット性能の不安もあったことから、そこから買い換え候補を探し、結果的にMICHELIN PRIMACY 4へと入れ替えました。
取り敢えず、道路の金属製の継ぎ目や、コンクリート舗装で姿勢が大きく乱れることはなくなり、ウェット路面でも安心して走れるようになりました。LE MANS Vでも装着直後は悪くなかったのですが、PRIMACY 4ではどうなるか、今後に注目したいと思います。
なお、入れ替えた車も年式こそ違うものの、同じトヨタ・プログレ JCG10ですので、使用感などは引き続き同じ感覚でご覧いただけるものと思います。
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購入金額
52,000円
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購入日
2017年05月10日
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購入場所
GS(コスモ石油)
harmankardonさん
2017/05/18
市街地での乗り心地は,明らかに国内メーカーの国内向けタイヤです.
jive9821さん
2017/05/18
個人的にはちょっと硬いPRIMACY 3STの乗り味も結構好きだったのですが、Energy Saver+ではそれよりは快適性で結構劣るという話を聞いて、ちょっと躊躇しかけたところでLE MANS Vが出てきたので、これに決めてしまいました。街のガソリンスタンドとしては値段も結構頑張ってくれたと思いますし…。