コブクロ。もうすぐ結成20周年に届こうかという黒田俊介と小渕健太郎からなる男性デュオ。体調管理のための半年ほどの休養期間はあるが、2001年のメジャーデビュー以降も配信を含めれば毎年1つ以上のシングルをコンスタントにリリースしている。そんな彼らは(曲によって異なるが基本は)、小渕が書いた歌を黒田が主旋律をとり、小渕がギターを弾きつつコーラスを付けるというパターンが多い。
そんな小渕の書く曲(詞)は深いものも多く、いくつかの意味にもとれるものもある。このメジャーでの18枚目のシングル“STAY”の表題曲もまた然り。
その「STAY」。どバラード。ストリングスとピアノ中心の静かな導入~間奏にはダイナミックなドラムス~2コーラス目サビ前まではもう一度ストリングス+ピアノ中心になってサビからはリズムイン~爆盛り上げでラスト1フレーズはほぼピアノのみ~最後のフレーズはすっと抜いて終わるという王道アレンジ。♪もう二度と会えないはずのあなたが/僕の名前を呼んでる/振り返る/場所も無い/聴こえたのは/きっと/僕の心の中だけ/いつも心の中だけ♪という部分の二人のハーモニーと最後のフレーズの長調解決が素晴らしくスッと心に沁み込んでくる。遠く離れてしまったかつての恋人を思う歌とも、亡くなってしまった家族(親や兄姉など年長の)を偲ぶ歌ともとれるダブルミーニングな曲。
「FREEDOM TRAIN」はカントリー調のホッとする曲。スチールギター風フレーズや間奏で挟まれるハーモニクスの装飾、サザンロック調音色のディストーションギターソロと懐かしい気持ちになれる曲。
「君といたいのに」はライヴ収録。録音方法はダミーヘッド・バイノーラル・マイク(人間の頭部を模したマネキン状の構造物の耳道の奥にマイクを仕込み、人間が聴く状態を再現しながら録音する器具)を使って収録しているため、わりに小さそうなハコの雰囲気も含めて味わえる。原理的にマルチマイクで録音できないとか、後から定位をいじれないとかバイノーラル録音にはいくつか問題はあるけれど、ライヴの雰囲気(や最近はやりのVRのサウンド)を再現するには適しているかな。
本品は初回盤なのでDVDが付属するが、内容的には先月(2017年3月)7年ぶりに開催されたファンとの特別なライブ「ファンフェスタ」の2009年開催分のダイジェストと「STAY」録音時のドキュメンタリー。前者は普段はファンクラブ会員しか観られないものなので興味深かったが、ホントにカット割りが細かい「ダイジェスト」で1曲まるまるはもちろん、1コーラスでさえまともに聴ける曲がなかったのは出し惜しみが過ぎるかも。初回盤のDVD付の装丁は、ジャケットは独りで立つ女性の足元から影が伸び、影には手をつないだ男性が見え、CDには男性単独、DVDには女性単独が描かれていて、2枚組であることを上手く使った良い装丁なのだけれど、DVDの方は肝心の内容がイマイチ。ちょっとその部分でケチついちゃったかな。歌詞を深読みすると幾通りにもとれる歌。噛みしめれば噛みしめるほど味が出てくる歌です。
【収録曲】
<CD>
1. STAY
2. FREEDOM TRAIN
3. 君といたいのに
4. STAY (Instrumental)
5. FREEDOM TRAIN (Instrumental)
<DVD>
1. KOBUKURO FAN FESTA 2009 Documentary
2. “STAY” Recording Documentary
「STAY」
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購入金額
1,500円
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購入日
2010年頃
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購入場所
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