CHEMISTRYはテレビのオーディション番組で選出された二人、堂珍嘉邦と川畑要によって組まれたコーラスデュオ。デビュー曲「PIECES OF A DREAM」がじわじわと火が付き、このセカンドシングル“Point of No Return”で完全ブレイク、それから数年は出す曲出す曲トップ3以内に入るようなトップランカーだった。
ちょうどそのころ行われた第17回FIFAワールドカップー日韓共催大会ーに合わせて組まれたユニット「Voices of KOREA/JAPAN」の日本側の中心的メンバーとして大会公式テーマソング「Let's Get Together Now」
を歌い、世代的に広い支持を受けた。
そんな彼らのセカンドシングルはそれまでの「コーラスグループ」の範疇を超えた新しい「化学反応」だった。
「Point of No Return」。藤本和則の手になるこの曲は、生ギターっぽい音も含めて硬い打ち込みだが、「ニンゲン要素」である二人の声のハーモニーと渡辺貴浩のローズが柔らかい存在感を出している。ファルセットへの移行ポイントに近い高めの音域で二人の声が絡み合う。バックは打ち込みながらハープや生ギター、琴?のようなアコースティックな減衰音とふわっとやわらかなシンセサイザー然としている持続音、リズムマシン調のリズム音の組み合わせが面白い。ブリッジの♪きっと永遠なんて言葉は/勝手気ままに描きなぐった/未来を語るためにあるんじゃないね/通り過ぎてしまった過去たち/もう戻れない瞬間に/ひそかに感じてたもの♪の掛け合いフレーズが印象的。
「君をさがしてた~The Wedding Song~」は、その名の通り結婚式で歌われるようなド直球求愛ソング。打ち込みリズム中心の曲だがオルガンが加わるといきなり教会風っつーか、ゴスペル調になるのがコーラス/ハーモニーソング。詞も♪ずっとずっと君のそばで/誰よりも近いこの場所で/何よりも強い気持ちで/僕は/君を守り続ける♪と誓いの歌。多用されるsus4が印象的なコード進行。
「Point of No Return (ケツメイシのremix。)」は表題曲のリミックス。リミックスとしては単体でかなり売れた曲なんじゃないだろうか。4人組のラップユニットケツメイシが「Point of No Return」の間奏のあたりにラップをねじ込む形のリミックス。ただ生ギターやハープというあたりの音色が抑えられ、エレキギターのカッティングとハイハットシンバルの刻みが強調されたリミックスでhip hop感が出ている。滑らかなCHEMISTRY二人の歌声は変わらないのだけれど意外に違和感がない。
それまでのコーラスグループとは一線を画す洗練度と力量、どちらかといえば古いイメージがあったこの手のユニットをヒットチャートの王道に持ってきた彼らの功績は大きかった。
そんな彼らも10年ほど活動して2012年でユニットとしての活動を休止した。
ただ、それは解散でなく、休止。それぞれのソロ活動に身を入れてより高みに昇るために...そんな彼らがつい先日(2017年2月末)再始動。今度はどんな世界を魅せてくれるのか...そんなことを想いつつ聴き直した作品です。
【収録曲】
1. Point of No Return
2. 君をさがしてた~The Wedding Song~
3. Point of No Return (ケツメイシのremix。)
4. Point of No Return (LESS VOCAL)
「Point of No Return」(Short PV)
-
購入金額
1,223円
-
購入日
2001年頃
-
購入場所
ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。