前回SMBマルチチャンネル狙いでとにかく安い中古NICを買ったわけだが…
コイツには問題が無かったものの生憎データを受け取りたいメインPC側がSMBマルチチャンネル動作に失敗。RSS対応非対応がそろっていなかったのだ。
そこでテスト用も兼ねて一気にRealtekのNICとこのBroadcomのNICを一気に用意。ローコストで高速化という本来の目的を完全に忘れている。
同じBroadcomチップなら間違いないだろうという事で今度はNECのサーバー向け。2012年出荷開始のモデルで搭載チップはBCM5718と少し新しいのでちょっとお高い(1500円+送料)。
中古抜き取り品と思われるがばっちりロープロブラケット付き。保守部品扱いだったのだろうか。
やはりPCIexpress x4接続なのでマザー側の帯域・スロットの空きに注意。
382T搭載のBCM5709と比べると明らかにチップが小さくカード自体の公称消費電力も3W→2Wへ低下している。
カード長も120mmと小さい。
Windows10 64bitでも特に問題なく動作する。ASRockのFatal1ty H170 Performance/Hyperで動作を確認。NC382Tにあった再起動時のみ固まる現象もみられない。
ただテスト中Supermicro C7Z97-Mでは起動時に認識を見失う事があった。不安定な場合は高速スタートアップを無効にしたほうがいいかもしれない。
SMBマルチチャンネルを使ってみよう
ここからはこのNIC本体とは直接関係ないがSMB Multichannel動作までの道のりを。条件さえそろっていれば簡単にできる機能なのだが結構ハマったので…
SMBマルチチャンネルはざっくり言えばファイル共有時専用のNIC連携負荷分散&高速化機能。共有フォルダ関連の動作に限られるが単純に2本分の速度が出る(最大4本までOK)のでファイルサーバーで大容量データを扱うのには便利。2本なら200MB/s程度の速度が出るのでHDD単発やミラーRAIDならこれでほぼ全力が出せる。
いくつか条件があるが特に今回ポイントになったのが以下の2つ
・サーバー・クライアント共にWindows8以降など対応OS
・組み合わせるNIC全てががRSS対応/非対応が揃っている事
・(自分の環境依存?)ホームグループ機能を有効にしていること
1つ目は他にサーバーOSや一部の対応NAS等があるらしいがまあホームユースならWindows8以降と思っておけばよさそう。これは今回ファイルサーバーをWin10で組んでいたしメインPC側もWin10化していたのでいける。Win7では使えない。
で、判り難いのが2つ目。RSS…Receive-Side Scalingの対応が揃っている必要がある(自分では未確認だが非対応で揃えてもいいらしい)。これが罠で最近のものやサーバー向けのものなら大抵のネットワークアダプタが対応しているのだがよりによってIntel製NICで対応していないものがある。
自分のメインPCはデュアルLANをオンボードしたモデルでIntel I211とI218-Vをオンボードしているのだが、I218V側が非対応。デュアルLANオンボならそのまま使えるだろうと思ったがそんなことはなかったぜ。
どうやら型番末尾にVがつくタイプのネットワークアダプタは大抵非対応らしくファイルサーバー側のH170オンボードのI219-Vもダメ。デバイスマネージャにRSSキューの設定があるから対応してるようにみえるがとにかくSMBマルチチャンネルではRSSが機能しないからダメ。
対応しているかの確認はPowerShell(管理者)から「Get-SmbClientNetworkInterface」を実行する。これだけだと判り難いので「Get-Netadapter」を実行してifIndexを確認すればOK。この時LANケーブルは繋いでいないとダメ。
ご覧の通りifIndex2番のI218-VがRSS Falseになっている。一方44番RealtekはTrue。
というわけでまさかのIntelDualLANマシンに蟹のフレンズを常設する事に。
【追記】
このRSS対応が揃わない件はいっそRSS有効なNICのRSSを無効化してRSS非対応で揃えてしまえばいいらしい。
コマンドプロンプト→netsh int tcp set global rss=disabled でOK
これならIntelのV系でも大丈夫。速度への影響もRSSの有無で差は見られない。
コメントで気づきましたありがとうございます。
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これで繋げると思ったら繋げないわけで。散々接続やNICを変えたりファイルサーバーのOSを初期化したりしたのだが結局1週間ほど格闘してでてきたのが3つ目。
自分は古い共有方法を使っていたのでホームグループは作っていなかった。どうもそのせいでipV6接続がされていなかったのかよくわからんがとにかくホームグループを作ったら今までの苦労が嘘のようにあっさり稼働した。
メインPC ファイルサーバー
Intel i211 ←→ Broadcom BCM5718
Realtek RTL8111D ←→Broadcom BCM5718
アダプタは見事大混在。ipの割り振りもルーターのDHCP任せ。
使っているルーターはBuffaloだし、PC同士を繋いでいるハブはCoregaとどちらもホームユーズ向けモデル。ケーブルもルーターのオマケ品5eケーブルが混じっているレベルなのに200MBの速度が出せるのはなかなか嬉しい。NIC2枚でたった3000円(…ホームグループでハマってNICを買い足していなければの話だが)の追加でこの速度が出るというのはコスパがかなり優れた方法だ。
ただ当然2本づつ繋ぐのでハブのポートが余っていないとキツイ。2台繋ぐだけでルーター行き含めて5ポートを食ってしまうのだ。
ただファイルサーバーと高速通信したいPCが限られるならこういう接続が使える。
直結側はipのサブネットをわけている(ルーター側が192.168.1.XXXを使っているなら192.168.2.XXXの設定で直結)のだが、これでもバッチリSMBマルチチャンネルが動作し200MB/sの転送速度がでる。ハブのポート数が足りない場合やハブまでの配線が難しい場合はこれもアリ。
当然この場合マルチチャンネル動作ができるのは直結しているPCのみになるので、複数台のPCをマルチチャンネル接続したいのなら大人しくポート数が多いハブを使った方がIP設定もいらないしラク。
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購入金額
1,500円
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購入日
2017年03月26日
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購入場所
オークション
sorrowさん
2017/04/04
コマンドプロンプト>netsh int tcp set global rss=disabled
これだと思うんですが、今のコンフィグレーションのままでRSSだけ落として速度がどうなるか見て頂けないでしょうか?リンクスのサポセンの方もRSSなしでそろえてました。恐らくですが、RSS無効にすると複数コアに分散されないらしいので、CPUに負荷をかけてやるとファイル転送に差が出るのではないかと。
下小川さん
2017/04/04
ただ色々混ざってる状態かつ自分のネットワーク系知識がアレなので正しく無効化&動作できるかわかりませんが…
(実はインテルデュアルでどうにかならないかとRSS無効で揃えようとしたけどうまくいかなかった)
試したらコメント欄に結果かきます
アイヴァーンさん
2017/04/04
直接は何の関係もないのですけど,間違えて買った ASUS H110T の有効活用?で Sophos XG Firewall 構築しようとしてるんですけど,まさかのオンボード Intel NIC 非対応。
しょうがないのでと,Windows Server 2016 ベースの Hyper-V Server 2016 を試すも,I219“V”のドライバーがない。
もう一方の Realtek NIC はいずれでも認識されるとかいう,ちょっと涙目の状況に追い込まれています(*_*;
どうも,Intel NIC でもサーバー向け?の I219“LM”とかだとあるっぽいのですが,なんともはや(*´з`)
下小川さん
2017/04/04
どうもIntelのVが付くモデルはサーバー向け機能とかその辺で差別化されてるんですかね…
自分は「とりあえずIntelのネットワークアダプタなら大丈夫だろ」というイメージがあったのでまさかRealtekを追加で買うことになるとは思ってませんでした。むずかしー
下小川さん
2017/04/04
コッチファイルサーバー用にして組めばよかった。
下小川さん
2017/04/04
RSS無効化してみたのですがCPUの負荷関係なく大した速度変化は見られませんね…ストレージ側が足ひっぱってそうですが。特に体感上も変化無い感じです。
…あと副産物でRSS無効コマンドかまして無効で揃えれば聞いていた通りV系でもちゃんとマルチチャンネル動作しました。なんてこった!NIC買いすぎた!
sorrowさん
2017/04/04
あと、NIC増えたついでに遊ぶとすると、i210-t1とか?オンボーどと合わせて。オクで売ってます。ふふ