レビューメディア「ジグソー」

時が経ち、包み込める女性に..

所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。歌というモノは歌い手や作り手の表現でもあります。アイドルとしてデビューして異性を包み込むような歌が歌えるようにまで成長したシンガーの曲をご紹介します。

安倍なつみ。初代モーニング娘。の「顔」。...というか彼女がいなければオーディションで光る何かを魅せながらグランプリまでは行かなかった彼女たちがデビューすることはなかったと言われる逸材。もともと歌は上手い方だったが、活動の最後の方は表現力が伴い、シンガーとして単独で評価できる程に。

このシングルは彼女の10枚目のシングル。今でも映画やアルバムアーティストとして活動する彼女も、シングルは絶えて久しく、このあと2枚しかリリースしていない。ただ内容的には今までのチームとは違うチームでの製作で、オトナの余裕?がにじむ歌になっている。

「息を重ねましょう」は裏を取るクリーンめの音のギターのカッティングやパーカッションの使い方に少しレゲエのテイストを感じる曲。曲提供は日本だけでなく複数の国でのヒットメーカーher0ism(ヒロイズム)。なっちの優しい声が♪男の人って/辛いことも多いのでしょ/悔しいこともあるのでしょ♪と語りかけ、♪私があなたを/守れたらいいな/そっと毛布/掛けてあげるように♪と続ける。

「小説の中の二人」の二人は作詞久保田洋司+作曲her0ismとタイトル曲と同じチームなのだけれど、こちらはどストレートなバラード。編曲が中西圭三と良く組んでいる正統派の小西貴雄だからだろうか(「息を重ねましょう」は編曲もher0ism)。小説の中の人物の行動でかつての恋人を想い出すというせつない曲だが、あまり溺れることなくやや抜き気味に歌うのが、むしろ「くる」モノがある。

どちらの曲も表現するにはある程度の「歳」が必要で、なっちはその深みをきちんと表現できている。「息を重ねましょう」は後に娘。の11期メンバー、歌が上手いと定評がある小田さくらがコンサートで披露したようだが、テクニック的な上手さはともかく表現の深さではなっちの勝利と見る向きが多かったようだ。
それはそうとこのマフラー、長過ぎね?w
それはそうとこのマフラー、長過ぎね?w
歳を経ないと表現できない曲を、力みすぎることなく歌いきった作品です。

【収録曲】
1. 息を重ねましょう
2. 小説の中の二人
3. 息を重ねましょう (Instrumental)

「息を重ねましょう」

  • 購入金額

    100円

  • 購入日

    2010年頃

  • 購入場所

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