仕事及び私的に1年前からAdobe Premiere Pro CC(以下Pr)を使用しています。業務はRED ONEを使用していますが、たまに個人的に撮影したRAWデータ(30fps)を自宅で編集します。
主にはHDカメラか最近では5DM4での4K30Pの編集ですが、たまに4K60Pの編集をする場合もあります。
さらにPanasonic GH-5を購入する計画でもあり、4K60P動画編集の準備をするための検討で、グラフィックボードをGTX1070にバージョンアップさせました。
PrまではPower Director12,14そして最近は15(以下Pd)と購入していました。
但しCPUは数世代前のi7-4970(H99チップ)で3.8Ghz(4Core)です。
改善を期待した点は以下です。
1)編集プレビューをスムースにしたい。4K60Pでは結構カクカクします。
2)レンダリング時間の短縮
3)最終エンコード時間の短縮*主にh264.mp4 4K30Pにて書き出し。
(写真)
最初に結論ですが以下です。
1)GTX960との比較で、4K60Pのもたつきは解消。*Pdはもたつきありのまま。
2)CUDA支援で約10%程度短縮。特にCUDAが支援するエフェクト処理時には効果あり。
またカラースペースの変更や、プロジェクト画面の拡大・短縮時には効果あり。
3)GTX960と時間変わらず。*以下次項。
したがってトータルの動画編集時間そのものはGTX960よりは少し短縮したと言う結果になりましたが、満足できるレベルではないです。
以下詳細。
ゲームには高機能かもしれないが・・・
私はほとんどパソコンゲームをしないので、CUDAコア数が増えた事に期待をしていた。
*M5000はCUDAコア2048、GTX1070は1920、GTX960は1024です。
CUDAコア数の差で、Prエンコードで時間の短縮につながると思っていました(YOU TUBEにはそのような動画があったが)。しかし 不勉強(認識不足)ですが、PrではエンコードにはCUDA支援を受けないと知りました。
結果は以下です。
元素材 RED RAW 4K30P 3.6GB(1分20秒) タイトルとクロスディゾルブのみ。
- GTX960 3分49秒
- GTX1070 3分51秒 BIOS更新後(参考:更新前 4分48秒)
ともにプレビューレンダリングを実施し、エンコードは付属エンコーダーソフトにて実施。
但しプレビューのスムースさはGXT960<GTX1070で、CUDA支援を受けた処理では満足。
【BIOS不具合の件】
一部のGTX 1070グラフィックボードについてVRAMをオーバークロックした時に表示異常
(checkerboard patternsが発生)が起こるとして、EVGAなどのベンダーからすでに修正BIOSの配布を開始しています。
具体的な原因としてはGTX 1070発売当初から使用されていたSamsung製のGDDR5チップを採用しているグラフィックボードは問題ないのですが、AIBモデルの登場とともに使用されるようになった
Micron製GDDR5チップを採用した一部のグラフィックボードで不具合が発生するようです。
*GPU-Zで確認したところ、Micron製GDDR5チップと判明。
上記がCUDA支援技術にどこまで影響あるのか不明ですが、BIOS更新後1分程度短縮されたのは事実です。
PdとPrの比較
非常に安価で高性能なPdとAdobe Create cloudで使いやすくなったとはいえ高価なPrと比較するのはおかしいですが、HD動画ならばPdの高速レンダリング技術は素晴らしいと思います。
以前CUDA対応させるためには、GPUドライバーの指定があるとの情報を得ていましたが(実際GTX960ではハードウェア支援設定できなかった)、GTX1070では最新ドライバーでもCUDA支援がONになっていました(理由は不明)
4K30Pをh264.mp4 4K30Pでエンコードした動画の抜き取りです。
画像の繊細さはここまで拡大するとPrが勝ちますね。(首輪の描写や耳周辺の毛等の再現性)
さらにPdはRED RAWには対応していない事と、4K60Pでは編集が相当もたつきます。
*同一PC環境下での比較です。さらなるバージョンアップに期待です。
(動画4K60Pプレビューもたつき)
またPdにて動画編集時にはCUDA対応のエフェクト以外を使用すると極端にエンコード時間が遅くなる傾向があります。当然PrもCUDAの支援を受けれないエフェクトはありますが、大きく変わりはないです。ただしPdは秀逸な動画編集ソフトだと思います。
よって元の動画データがHD以下はPdを使用して高速レンダリングしDVD等保存。
他はPr使用する事にしています。
*レンダリングとエンコードを同一に定義しているように思いますが、本当は違う気が???
他のソフトは快適になったのか?
- 画像処理は快適になったか?
- Photoshop Lightroom CC
- Canon Digital photo profession(DDP)
作業性は随分と快適になりました。これは普段使用している上の2つの「RAW現像」ソフトに共通しますが、以下の点が快適になった事項です。
1)プレビュースピードが速くなった。
2)拡大・縮小スピードが速くなった。
3)DDPにおいては読み込み時の最終描写が速くなった。
以上が作業性が向上したポイントです。
Photoshop Lightroomでは「環境設定」でCAMERA RAWに「GPUを使用」にチェックを入れるのですが、GTX960より「現像モジュール」が速く処理できます。
DDPにはGPUに関する環境設定要素はないのですが、何らかの恩恵を受けていると思います。
但し描写や修正時に作業・描写遅延がなくなり快適にストレスなく行えるのは、助かります♪
但し最終的な現像はCPU依存になりますね。この辺は動画の書き出し(エンコード)と同じですね。
2. After Effects CCはどうかな?
最近After Effects(以下Ae)を操作できるように、トライを始めています。
動画編集より負荷の高い処理を行う必要があるので、GTX1070でどこまで作業が快適なるのか試しています。CPUとGPUの違いによってどこまで作業性が変わるのかは、次期PCを自作してから検証してみます。
CPU能力を上げるのがベストと理解。
色々設定したり、ググったり、はては職業として映像を扱っておられるクリエーターや技術に詳しい方とお会いして、CPUを更新するのがベストであり、マルチコアに編集ソフト(PrはOK)が対応しているのならば、コア数の多いCPUがいいみたいですね。
さらにしばらくは現在の動画編集機はGTX960に戻し、次期PCにGTX1070を使い、会社のM5000を使っているスタッフと相談して、4K60P編集を本格的に行う時期になればQuadroM4000くらいにするつもりです。*編集作業の効率化とエフェクトの多用のため。
参考にHD 60PのコンテナーMOV(1分27秒)をMP4(h.264.mp4 HD 30P)にスケールダウンしたエンコードを実施しました。エンコードに要した時間は以下です。
但しQuadro2000はCS6を使用しています。
i7-2600K+Quadro2000(CUDA Core 192) 2分27秒(CPU使用率MAX99%)
i7-4790+GTX1070 1分59秒(CPU使用率MAX97%)
*参考 ソフトウェアー処理のみ:2分18秒(CPU使用率MAX99%)
CPUの世代は違いますが、4コア8スレッドで定格クロック、2600K:3.4GHz(3.8GHz:ターボ・ブースト)、i7-4790:3.6GHz(4.0GHz)ですのでどこまで差がでるのかと思いテストしました。
しかし驚くほどの時間差がない結果になりGPUのCUDA支援はエンコードには関係ないとしながらも、レンダリング同時のエンコードではAdobeが推奨しているQuadroは結構速いのではないか?と思っています。(M4000は15万円前後ですので、費用対効果の観点も必要ですが)
但し4K30Pや4K60Pではどうなるか、やってみないと分からない結果です。
4K動画撮影が身近になってきた昨今、その編集も今後する必要性が高まると思います。
SHOPでは動画編集対応PCと言ったものが販売されていますが、GPUは編集過程において(特にエフェクト作業には効果あり)やはりハイエンドクラスが必要と思った次第です。
さらに重要なのは数世代前のCPUではなく、最新CPUでしかもコア数が多くクロック数も4GHz以上は必要と感じます。さらに安定的なOCにもチャレンジしなくてはと感じました。
今回は現在あるPCで試験を3週間以上行い、次のPC構成を検討することを目的としました。
動画編集は奥深く、情報も多岐にわたると言うことが分かりましたが、最終的には自身が判断し操作も習得するしかないと思った次第です。また今回の試験が全てに共通するものでもないと思います。
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購入金額
70,000円
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購入日
2017年01月25日
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購入場所
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