レビューメディア「ジグソー」

熱い友情が、人類愛が語られる、声優たちのアツい演技が光る作品

芋づる式洲崎綾 Part4」。Webラジオのキャラクターの面白さと天使の歌声のギャップ萌えですっかりファンになった洲崎綾(あやちゃん/ぺっちゃん/あやっぺ)関連。12月といえば恒例のイベント月ということで、この半年で増えてきた彼女の直接参加した作品や楽曲、ラジオCDなどから、イベントグッズなどまでと芋づる式に関連アイテムをまとめてご紹介するシリーズレビュー。

あやちゃんの出世作といえば、ちょっと奥手で鈍感で真っ直ぐな餅屋の娘、たまこを演じた「たまこまーけっと」

とその映画版続編「たまこラブストーリー」

なのだが、この世界、一発あたればそれで生き残れるほど甘くはない。ただ幸いなことに時をおかず、名作に巡り合った。あやちゃんにとってその後の芸風を決定づけた?作品がこれ。

キルラキル」。海外でも非常に高い評価を受けているこの作品、CG等の台頭で徐々に衰退し「職人」も少なくなってきている日本の手描きアニメを激熱に再現した作品で、ド派手な演出=鳥瞰図からのズームアップなどはセル画風加工したCGを使いつつも、手書き背景などを随所に使い「古き佳き」タッチが形作られている。演出も極太フォントでの文字を挿入したり、ダイナミックな視点移動を入れたりして、リアルな方向「ではない」、マンガタッチ故の面白さを追求した、オヂサン世代には懐かしい、イマドキの世代にはおそらく見たことがない世界を創り出していた。

お話しとしてはこんな感じ。

父の殺害現場に残されていた巨大な鋏の片側=「片太刀バサミ」を背負って父の仇を探す女子高生、纏流子(まといりゅうこ)は、生徒会長鬼龍院皐月(きりゅういんさつき)が支配する本能字学園にやってきた。「片太刀バサミ」の秘密を識っていそうな皐月に挑むもコテンパンにされる流子。崩壊した実家に帰った流子はその地下で、しゃべる黒いセーラー服に出会う。流子の開いた傷口から流れた血を吸ったその制服は「私に着られろ」と流子を襲い?ムリヤリ着られる。すると力がみなぎる流子。それは亡き父が残した神衣(かむい)「鮮血」だった。

血走った目で「俺に着られろ!!」と流子に迫る「鮮血」
血走った目で「私に着られろ!!」と流子に迫る「鮮血

本能字学園は鬼龍院家が支配する学園。それは人間の能力を飛躍的に高める「生命戦維」を使って造った「極制服」により、無星制服から三つ星制服着用者に階級分けされ、管理される学園。皐月に服従する生徒会四天王を頂点とし、学業や運動の成績優秀者に「極制服」が下賜され、上位者には服従を強い、恐怖と力で支配されていた。その頂点に君臨するのが神衣「純血」を着る皐月

極制服を着た相手を倒したときには生命戦維が極制服から離れる
極制服を着た相手を倒したときには生命戦維が極制服から離れる

...当初は強化制服を用いた単純なスケ番学園闘争のお話のような様相の作品だったが、実はその裏にはもっと深いストーリーがあったことがその後判明する。

その生命戦維は宇宙からの来訪者であり、人の精神エネルギーを吸収し、増殖しようとするエーリアン。宇宙を漂い、生命活動がある星に漂着すると、その星で一番精神エネルギーが発達した生物に刺激を与え、精神活動を向上させ、その後この生物に寄生してそのエネルギーを喰らう。人類がその生命体に寄生され、奉仕するようになることを目的とし、生命戦維で地表を覆わんとすることを企むのが皐月の母であり、学園の理事長の鬼龍院羅暁(きりゅういんらぎょう)。

当初極制服の開発にあたっていた流子の父は、鬼龍院家の支配=生命戦維による人類の家畜化に反発し、三つ星極制服を超える制服=神衣を開発した。そのことを識る反制服ゲリラ「ヌーディスト・ビーチ」に属しつつ学園に教師として潜り込んでいる担任の美木杉愛九郎(みきすぎあいくろう)などの助力を得ながら、流子は父の仇を討ち、生命戦維の支配を断つため羅暁に挑んでいく....

美術ボード集より:本能寺学園を頂点とする街
美術ボード集より:本能字学園を頂点とする街

というようなストーリー。「仇討ち」を軸に、学院側が繰り出すクラブの攻撃(クラブの部長はだいたい二つ星極制服着用者で、超常的な攻撃力を持つ)を倒しながら本丸(皐月)にたどり着き、最終的な敵は羅暁と判ってそれを伐つのが目的となる...とスケ番学園抗争モノとスポ根アニメと人情仇討ち時代劇を合わせたような物語...と見せかけて、その後半は宇宙から来た寄生生物(の依代)と戦う話に。そこではさらに複雑な人間関係が絡み合ってて...

とにかく熱い!滾る話。このアニメの企画・制作は知る人ぞ知る名作アニメと名高い「天元突破グレンラガン」のスタッフ。

皐月と流子の戦いは劇画チックだったり...
皐月流子の戦いは劇画チックだったり...
もの凄い書き込みのスピード感がある絵だったりと、これぞ「アニメ」!!と言う感じ
もの凄い書き込みのスピード感がある絵だったりと、これぞ「アニメ」!!と言う感じ

また声優陣も豪華で、主人公の流子を2003年に弱冠17歳で声優デビューした芸歴が長い小清水亜美、その流子が着るしゃべるセーラー服「鮮血」をYAWARA!での熱血記者松田耕作を演じた関俊彦、ライバル皐月をアニメのみならず吹き替えなどでも広く活躍する柚姉こと柚木涼香。皐月を護る生徒会四天王には巨漢蟇郡苛(がまごおりいら)にリアル巨漢稲田徹、運動部統括委員長の猿投山渦(さなげやまうず)を1990年代から活躍する檜山修之、電脳系の攻撃や情報分析が得意な犬牟田宝火(いぬむたほうか)を「結界師」の主人公墨村良守を演じた吉野裕行、紅一点で皐月の幼馴蛇崩乃音(じゃくずれののん)を舞台での活躍も多い新谷真弓、本能字学園に反抗する「ヌーディスト・ビーチ」の構成員にして教師として本能字学園に潜り込んでいる美木杉愛九郎(みきすぎあいくろう)を「頭文字D」の主人公藤原拓海を演じ、自身もカーマニアである三木眞一郎、その仲間で生命戦維を憎む黄長瀬紬(きながせつむぐ)を「魔法戦士リウイ」の主人公リウイや「DEAR BOYS」の土橋健二を演じた小西克幸、最大の敵である羅暁を「鋼の錬金術師」の主役エドワード・エルリックの朴璐美...という感じで芸歴最低で10年以上、長い人は四半世紀(当時)という主人公クラスを演じた経験も複数あるようなベテラン勢声優だらけ。

そんなアニメであやちゃんは、本能字学園に通う無星の生徒ながら流子の「親友」になる...というかわけのわかんない押しかけ親友?となる満艦飾マコ(まんかんしょくまこ)を演じた。この時彼女は「たまこまーけっと」で主役のたまこを演じていたが、大きな仕事はその程度でまだ「新人枠」。でも先輩声優に囲まれての現場で持ち前のコミュニケーションスキルを活かして溶け込み、ガブガブと演技の呼吸や技を飲み込み、吸収した。

この子を起点として話が展開することが多い、得な役。
この子を起点として話が展開することが多い、得な役。

演じたマコが、ヘンデルの「Messiah」をBGMにしつつ変なポーズとともに登場し、学校でつまはじきにされがちの流子を擁護する女学生。しかもその論点がいつも見当はずれという天然さん。流子をおびき出すため囮としてつかまったときは、磔で逆さ吊りになっているときに命より見せパンじゃないパンツ見えることを気に病むし、熱い油で揚げられそうになって「こんなのに浸けられたら服がスケスケになる」ことを気にするなど、その思考は完全にズレている。でも強い友情を感じている流子のことを常に案じ、信じ、弁護し、鼓舞し、慰め、流子の力の源となるという位置づけのキャラ。

絵コンテより:今日は見せパンじゃないのにぃ~←ソコ?
絵コンテより:今日は見せパンじゃないのにぃ~←ソコ?

この相手の懐に飛び込むスキルが異常に高く、少し天然が入っているが基本「」というキャラクターがあやちゃんにピッタリで、当時おかっぱにしていたこともあり「リアルマコ」と呼ばれていたほどのハマり役だったただマコと違って中の人には胸だけはない、というのはお約束のいじりw

原画集より:一番表情が豊かなのがマコかも
原画集より:一番表情が豊かなのがマコかも

最初の頃は単なるお騒がせボケキャラのようだったマコだが、ラストは流子皐月に並ぶ三人目のヒロインの立ち位置に。荒唐無稽な超人ぞろいのこの物語で、ある意味一番地に足を付けているキャラとして、(内容ズレているとはいうものの)毎回ある「Messiahシーン」で視聴者に論点を提示する役としての立ち位置を確立したのは、リアルタイムに書かれたという脚本で、彼女のキャラと演技に触発されてのことだろう。

ストーリー的には最後にはマコ蟇郡先輩はちょっといい感じになっていたが、中の人はズボンで鼻の脂を拭いたくらいでそれ以上の進展はないようだが...w←有名エピソード

最後は二人イイカンジだったんだけどなー(このお話はフィクションです)
最後はマコの二人イイカンジだったんだけどなー(このお話はフィクションです)

でもこの熱すぎる作品にかかわれたことは、あやちゃんの「役に自分を出す」というスキルを飛躍的に高めたと思う。

ハチャメチャでフルスロットルで、でも義に厚く、情にアツいこのアニメ、あらゆる意味で「人の力」を感じた作品でした。

原画集や絵コンテ、美術ボードなど付録満載の全巻セット
原画集や絵コンテ、美術ボードなど付録満載の全巻セット


【各巻収録内容】Blu-ray&DVD 全巻 購入特典 描き下ろし全巻収納BOX込み
●キルラキル 第1巻
第一話「あざみのごとく棘あれば」
第二話「気絶するほど悩ましい」
・オーディオコメンタリー:小清水亜美・柚木涼香・中島かずき(第一話、第二話)
・日本語字幕
・ノンクレジットオープニング映像(第二話、第三話)
・ノンクレジットエンディング映像
・web版予告映像
完全生産限定版特典
・キャラクターデザイン・すしお描きおろし三方背ケース
・キャラクターデザイン・すしお描きおろしデジパック仕様
・澤野弘之による新録リアレンジ&リミックス・サントラCD
・絵コンテ・原画掲載特製ブックレット(計184ページ)
●キルラキル 第2巻
第三話「純潔」
第四話「とても不幸な朝が来た」
第五話「銃爪(ヒキガネ)」
・オーディオコメンタリー:小清水亜美・柚木涼香・洲崎綾(第三話)、
 小清水亜美・洲崎綾・稲田徹(第四話)、小清水亜美・洲崎綾・小西克幸(第五話)
・日本語字幕
・ノンクレジットオープニング映像
・web版予告映像
完全生産限定版特典
・キャラクターデザイン・すしお描きおろし三方背ケース
・キャラクターデザイン・すしお描きおろしデジパック仕様
・中島かずき書き下ろしドラマCD「ほんとにほんとにご苦労さん」
・特製原画集
●キルラキル 第3巻
第六話「気分次第で責めないで」
第七話「憎みきれないろくでなし」
第八話「俺の涙は俺がふく」
・オーディオコメンタリー:小清水亜美・檜山修之・中島かずき・岩浪美和(第六話)、
 小清水亜美・洲崎綾・中島かずき・岩浪美和(第七話)、
 洲崎綾・稲田徹・中島かずき・岩浪美和(第八話)
・日本語字幕
・ノンクレジットエンディング映像(第七話)
・web版予告映像
完全生産限定版特典
・キャラクターデザイン・すしお描きおろし三方背ケース
・キャラクターデザイン・すしお描きおろしデジパック仕様
・メイキングドキュメンタリーDVD「キルラキルが でキルまで 制作密着500日」
・特製原画集
●キルラキル 第4巻
第九話「チャンスは一度」
第十話「あなたを・もっと・知りたくて」
第十一話「可愛い女と呼ばないで」
・オーディオコメンタリー:小清水亜美・稲田 徹・中島かずき(第九話)、
 吉野裕行・新谷真弓・中島かずき(第十話)、檜山修之・新谷真弓・中島かずき(第十一話)
・日本語字幕
・web版予告映像
完全生産限定版特典
・キャラクターデザイン・すしお描きおろし三方背ケース
・キャラクターデザイン・すしお描きおろしデジパック仕様
・中島かずき書き下ろしドラマCD 「夜と朝の間に」
・特製美術ボード集
●キルラキル 第5巻
第十ニ話「悲しみにつばをかけろ」
第十三話「君に薔薇薔薇…という感じ」
第十四話「急げ風のように」
・オーディオコメンタリー:小清水亜美・洲崎 綾・田村ゆかり(第十二話、第十三話)、
 稲田 徹・檜山修之・吉野裕行・新谷真弓(第十四話)
・日本語字幕
・web版予告映像
完全生産限定版特典
・キャラクターデザイン・すしお描きおろし三方背ケース
・キャラクターデザイン・すしお描きおろしデジパック仕様
・オリジナルサウンドトラックCD Vol.2
・特製原画集
●キルラキル 第6巻
第十五話「どうにもとまらない」
第十六話「女はそれを我慢できない」
第十七話「何故にお前は」
・オーディオコメンタリー:小清水亜美・柚木涼香・中島かずき(第十五話)、
 三木眞一郎・小西克幸・堀内賢雄・中島かずき(第十六話)、
 柚木涼香・三木眞一郎・小西克幸・中島かずき(第十七話)
・日本語字幕
・web版予告映像
・ノンクレジットオープニング映像(第十六話~第十九話ver.)
・ノンクレジットエンディング映像(第十六話以降ver.)
完全生産限定版特典
・キャラクターデザイン・すしお描きおろし三方背ケース
・キャラクターデザイン・すしお描きおろしデジパック仕様
・中島かずき書き下ろしドラマCD 「大和撫子七変化」
・特製美術ボード集
●キルラキル 第7巻
第十八話「夜へ急ぐ人」
第十九話「たどりついたらいつも雨ふり」
第二十話「とおく群衆を離れて」
・オーディオコメンタリー:小清水亜美・関俊彦・柚木涼香・中島かずき(第十八話)、
 洲崎綾・藤村歩・中島かずき・鳥羽洋典(第十九話)、
 洲崎綾・藤村歩・福井裕佳梨・中島かずき(第二十話)
・日本語字幕
・web版予告映像
完全生産限定版特典
・キャラクターデザイン・すしお描きおろし三方背ケース
・キャラクターデザイン・すしお描きおろしデジパック仕様
・メイキングドキュメンタリーDVD 「キルラキルが でキルまで 制作密着500日 後編」
・特製原画集
●キルラキル 第8巻
第二十一話「未完成」
第二十二話「唇よ、熱く君を語れ」
第二十三話「イミテイション・ゴールド」
・オーディオコメンタリー(CAST ver.):朴璐美・三木眞一郎・中島かずき(第二十一話)、
 朴璐美・田村ゆかり・中島かずき(第二十二話)、
 檜山修之・稲田徹・吉野裕行・新谷真弓・中島かずき(第二十三話)
・オーディオコメンタリー(STAFF ver.):今石洋之・雨宮哲・堀剛史(第二十一話)、
 今石洋之・清水久敏・坂本勝・岩崎将大(第二十二話)、
 今石洋之・若林広海・小松田大全・米山舞(第二十三話)
・ノンクレジットオープニング(第二十二話~第二十三話ver.)
・ノンクレジットエンディング(第二十三話ver.)
・日本語字幕
・web版予告映像
完全生産限定版特典
・キャラクターデザイン・すしお描きおろし三方背ケース
・キャラクターデザイン・すしお描きおろしデジパック仕様
・中島かずき書き下ろしドラマCD 「飾りじゃないのよ涙は」
・特製美術ボード集
●キルラキル 第9巻
第二十四話「果てしなき闇の彼方に」
第二十五話(TV未放映話)「さよならをもう一度」
・オーディオコメンタリー:小清水亜美・柚木涼香・関 俊彦・中島かずき(第二十四話)、
 柚木涼香・藤村 歩・中島かずき(第二十五話)
・日本語字幕(本編のみ)
・web版予告映像(第二十五話)
・ノンクレジットオープニング映像(第二十五話ver.)
・ノンクレジットエンディング映像(第二十四話ver. / 第二十五話ver.)
・装繍編 裸の青春-美木杉愛九郎の回想-
完全生産限定版特典
・キャラクターデザイン・すしお描きおろし三方背ケース
・キャラクターデザイン・すしお描きおろしデジパック仕様
・インタビュードキュメンタリーDVD
・原画集

こんな感じ(↓)の画風「シリウス(キルラキル OP)」

  • 購入金額

    31,800円

  • 購入日

    2016年10月08日

  • 購入場所

    駿河屋

23人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • れいんさん

    2016/12/20

    おいちゃん見せパンでなくてもよかです!
    ビシ
  • cybercatさん

    2016/12/20

    つか、これ神衣を着るとき、お約束の一旦全ラになってから装着されるというキューティーハニー以来伝統のお決まりのシーンがありましてですね...(OP動画参照)

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