今までUSB DACは何種類か使ってきましたが、PCに接続するケーブルは添付品やごく普通のPC周辺機器用のUSBケーブルを使ってきました。というのも、PC自体が大きなノイズ発生源であるため、ケーブルを良くしたところでそれほど意味はないだろうと考えていたためです。
そしてUSBからの出力自体の改善目的には、audioquestからJITTERBUGというドングル型のアダプターが発売されていて、その様な装置を使った方が意味がありそうに思えたのです。
ところが、先日オーディオ店で雑談をしていたときに、店員の方に「JITTERBUGとそこそこのUSBケーブルと、どちらが音質的に意味があるのか」と質問してみると、「どちらもそれなりに大きな改善効果がある」という回答だったのです。聴けばすぐに判るレベルということであり、コストパフォーマンス的にお薦めなのはUSBケーブルをこのFORESTにして、JITTERBUGと組み合わせることという意見でしたので、差し当たってその販売店でUSBケーブルだけ買ってみました。実はJITTERBUGは某所のタイムセールでその販売店よりも大幅に安く売られていることを知っていましたので…。
構造的には、一般的なPC周辺機器用のUSBケーブルよりは複雑そうに見えますが、率直に言って外見はそれほど高そうには見えません。
この金額を払う価値は充分にある
それでは、今回はメインPCとFOSTEX HP-A8を接続しているUSBケーブルと入れ替えてみます。HP-A8に接続したSENNHEISER HD650で音質を確認しています。
いつもの試聴ソースを鳴らしてみようとしたのですが、その必要すらありませんでした。
繋ぎ替えた時点で再生していたのは、moraでダウンロード購入した「コワレヤスキ / Guilty Kiss」(AAC 320Kbps)だったのですが、高音質録音でも何でもないこの楽曲でいきなりはっきりとした差が体感出来たのです。
楽曲としては結構メタル系のアレンジを施されているのですが、今まではその割にドラムやハイハットがややソフトタッチに感じられる辺りが不満でした。ところが、ケーブルを交換しただけで、ドラムのアタックやハイハットのキレの鋭さが気のせいではないレベルで向上していたのです。
いつも通りの「Wallflower / Diana Krall」や「Dangerous / David Garrett」、「Shape Of My Heart / Sting」など聴くと、アコースティック系の楽器の質感もはっきりと向上していましたし、特にStingのヴォーカルのリアリティーがはっきりと向上していました。
HP-A8自体が元々充分に緻密な音でしたので、そこから更にはっきりと判るほどの向上があるとは予想していませんでした。少し誇張気味の表現となってしまいますが、HP-A8をHP-A8MKIIに交換するよりも、安いUSBケーブルをこのFORESTに交換する方が、純粋に良くなるのではないかと感じられたほどです。
勿論、USB DACなど機材の質に左右される部分があるとは思うのですが、それでもこのHP-A8で使う限りにおいては、約3千円という価格は充分にお買い得と考えられるだけの変化はあったと思います。一長一短というわけでは無く、明確に向上しているという辺りも好感が持てます。
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購入金額
3,180円
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購入日
2017年08月31日
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購入場所
ノジマ オーディオスクエア
いぐなっちさん
2017/10/01
jive9821さん
2017/10/01
実は以前レビューを拝見して、本当にそんなに変わるのかという興味は持っていました。文中で触れているJITTERBUGの方が手っ取り早く効きそうなイメージがありましたので…。
ただ、販売店で自信満々に聴けばわかるくらいにしっかりと変わるといわれ、買う決心が付いて入手したところ、確かに意味はあったと納得させられました。