昨年6月にKickstarterで出資したPebble社の新型スマートウォッチ「Pebble 2 +Heart Rate(HR)」が届いたので、レビューしてみようと思う。
Pebble 2 +HRは、ディスプレイ部分にEインクを用いることで、7~10日間の電池持ちを実現したスマートウォッチ。初代Pebbleとの大きな違いは、裏面に光学式心拍計を搭載し、活動量計としての機能が追加された点にある。
1. 開封・外観チェック
UPS Mail Innovationsで届いた郵送物を開封するとしゃれたデザインのパッケージが。5色の中から選んだのは「Flame」。
付属品は、本体、バンド、充電コードのほか、取扱説明書にステッカー。バンドはシリコン製でクイックリリースピン付きなので、取り付けには工具要らず。
本体側面とバンド裏側の赤色(朱色に近い)が良いアクセントになる。質感はというと、ボディは樹脂製、バンドはシリコン製ということもあり、一見して安っぽいというのが正直な感想。$130と低価格なので無理もないと割り切るしかない。
本体裏面の中央、出っ張った部分が光学式心拍計。LEDライトを腕の表面に当て、血流の動きの変化をセンサーで計測して心拍を測定する仕組みとのこと。出っ張りがあるので、装着感が気になるところ。
心拍計の上部にあるのが、マグネット式の充電用コネクタ。専用ケーブルでなければ充電できない点にやや不便さを感じる。Micro USBに差すタイプの変換コネクタがあれば便利なのだが。
2. セットアップ
電源を入れるとアプリを入手せよと表示されるので、スマートフォン(今回はAndroid)でGoogle Playストアから公式アプリをダウンロードする。
スマートフォンにアプリをインストールし、起動するとログインが画面が表示される。アカウントを持っていなければ、「CREATE ACCOUNT」をクリックしてアカウントを作成する。
Pebbleの種類を尋ねられるので、「Pebble 2」を選択。
スマートフォンとPebble 2 +HRをBluetoothでペアリングする。 スマートフォンでBluetoothをONにすると自動的にPebble 2 +HRが検出されるので、タップする。Pebble 2 +HR側では接続確認がされるので、右上のボタンを押してOKする。タッチスクリーンには対応していないので、左右のボタンを押して操作する。ペアリング完了後にはファームウェアが自動的に更新される。
言語設定画面。公式では日本語には対応していない。とりあえず英語を選択。この後、ヘルスアプリの設定項目を経て、セットアップ完了。
3. アプリ・日本語化など
公式アプリには、Pebble2 +HRの全般的な設定ほか、「HEALTH」、「WATCHFACES」、「APPS」「NOTIFICATIONS」の4つの機能がある。
「HEALTH」では、Pebble 2 +HRのメイン機能である活動量計(歩数計、心拍数計、睡眠計)の測定結果がグラフ表示される。
「APPS」では、アプリケーションの設定を管理する。Pebble 2 +HRではアプリを追加でインストールすることができる。右下の「+マーク」をタップするとアプリストアにアクセスできるので、そちらからダウンロード可能。
「NOTIFICATIONS」では、スマートフォンから時計に通知する項目を設定する。初期設定では、電話着信が登録されている。アプリごとに登録できるので、メール受信など通知してほしいものを登録しておくといいだろう。
メニュー画面。時計全般または各種アプリの設定を行う。ディスプレイはタッチスクリーンには非対応なので、左右のボタンを押して操作する。
メール受信を通知している画面。Pebble 2は公式には日本語に対応していないので、日本語は「□□□□」というように文字化けしてしまう。ただし、非公式で日本語の言語パックを導入することで、日本語表示が可能になる。
有志の方のサイト「Pebble CJK」へスマートフォンでアクセスし、「最新バージョンのダウンロード」という所から日本語言語パックをダウンロードする。
ファイルマネージャーからダウンロードしたファイルにアクセスして言語パックを展開する。
選択言語に「日本語」と表示されていれば、日本語言語パックが適用されている。
文字化けしていた部分が日本語表示になっている。メールの受信通知については、日本語化しておかなければほぼ使えない機能と思っておいていいだろう。
Pebble 2 +HRの新機能である「活動量計」を数日間に渡り使ってみた。「HEALTH」アプリをONにして時計を着用していれば、自動的に数値をモニタリングしてくれる。
「Activity」では、歩数、移動距離、消費カロリー、活動時間を計測。
「Heart Rate」は、心拍数を計測。
「Sleep」では、睡眠時間、熟睡時間を計測。熟睡時間については、妙に短時間で計測されることも見受けられるので、精度に疑義あり。
心拍数をリアルタイムに表示する機能もある。ランニングなど運動時に使うと良さそう。
ウォッチフェイスはカスタマイズすることができる。Pebble公式サイトからダウンロードできるので、お気に入りを探してみるものなかなか楽しい。
ダウンロードしたウォッチフェイスは、設定アプリ上で管理する。気分転換で見た目を変えるということだけではなく、表示項目をカスタマイズできるものやフェイスを見る動作に合わせて表示内容が切り替わるという加速センサーをうまく利用したものもある。
4. まとめ ~ 実際に使ってみて感じたこと
Pebble 2 +HRを1週間ほど使った感想を以下にまとめてみた。
・低価格($130)だが、スマートウォッチの基本的な機能は備えている。
・見た目はチープ。かっこよさ云々よりも気軽にガシガシと使う感じの時計。
・モノクロディスプレイは表示内容が単調ではあるが、文字の視認性は高い。
・電池持ちは十分。1日10%程度の減り具合。確かに7日間に1回の充電でOK。
・新機能である「活動量計」は機能している。ただし、熟睡時間の測定結果には疑義あり。
・軽くて装着感は良いので、長時間装着していても苦にならない。活動量計としては最適。
・カスタマイズ性が豊富なので、使っていて楽しい。
しばらく使っているうちに購入当初の印象と変わっていったのが、安っぽいと評価した外観について。樹脂製のボディ、シリコン製のバンドのせいで外観が安っぽくなってしまってはいるが、この時計の用途からすれば、これはこれでアリだなと思えてきた。というのも、樹脂製のボディは軽く、シリコンバンドは腕にフィットするので、「長時間着けていても苦にならない」ということに気付いたからだ。そもそも活動量計として使う際には、長時間身に着けることになるので、装着感は重要な項目。睡眠計として利用する時には、着け心地の悪い時計では寝にくくて仕方がない。ランニング時であれば、重くてゴツゴツした時計など着けていたくはないはずだ。
モノクロディスプレイであるが故に、ウォッチフェイスは単調になってしまうが、白黒であっても表示される情報は確実に読み取ることができる。それよりも電子ペーパーを採用したことによって、多くのスマートウォッチが2日程度の電池持ちといわれている中で、週1回の充電でOKという水準で省電力を実現している点を評価したい。
モノクロ表示でボタン操作というのは最新デバイスとしては決してスマートとはいえないが、スマートウォッチとしての基本的な機能は持ちつつも、低価格で十分な電池持ちを実現している点を考慮すれば、それらのマイナス面を十分に補っているといえるだろう。価格と性能のバランスが絶妙であるから、スマートウォッチがちょっと気になるから使ってみたいという方には、最初の1本としておすすめしたい。
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購入金額
10,560円
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購入日
2016年11月12日
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購入場所
Kickstarter
yachさん
2016/12/04
Bluetooth接続が頻繁に切れる、接続中であってもメールの通知を受信しないという症状。
本体を初期状態にリセット、スマホ側のアプリを再インストールでとりあえず復帰したようだが、原因がよく分からない。
どうやらファームウェア、ウォッチフェイス、日本語パックで相性があるっぽい。
しばらく様子を見ていこうと思う。
atsuo@tokyoさん
2016/12/05
※https://plus.google.com/u/0/communities/11743015017452071...
私はよく机にスマホを置いたまま席を立つので、Bluetoothの接続が切れているのはよくある事なので気になっていなかったのですが、言われてみるとずっと繋がったままのはずなのにブルっとしたので Pebble Watchを見ても普通のwatch faceのままという事が時々ありますね。
直前で Bluetoothが切断されていたかなぁ。
今までの経験則だと、次のアップデートで密かに直されている気がします(^^;
yachさん
2016/12/05
カスタマイズのしやすさが魅力ではありますが、不具合も出やすくなりますよね。
Fitbit社がPebble社を買収という話があるようですね。
大手だけに安定感ある製品を提供してくれるのでしょうが、突き抜けた部分は失われてしまいそうですね。