真空管好きとしては、やはりニキシー管を使った時計はいつか欲しいな…と思いつつも、とっくの昔に製造を中止しているニキシー管は高騰を続け、親指ほどのサイズのニキシー管を使ったキットでも3~4万、完成品では5万円を超えることも。
小さいニキシー管よりは大きい方が良いのですが、IN-14は5の表記が2をひっくり返した形なのでイマイチ微妙。
入手性のよいニキシー管で最大なのはIN-18ですが、国内で買うと1本7,000~8,000円ほど。
6本買うと42,000円を超え、さらに時計のキットが2万円、ケースを作ると…となると、8万円を余裕で超えてきます。
無理ぽ…と思っていたところ、なんとeBayでコントロール基板にケース、IN-18が6本(うち1本故障)付いて25,000円という激安品を発見。
送料を入れても30,000円くらいだったのでポチってみました。
届いたのはケースが傷だらけ、割れもあり結構状態としては酷い感じでしたが、基板は問題無く、ニキシー管も5本の正常動作を確認しました。
残り1本もeBayで6,000円くらいで手配し、数日掛けてケースをリペアして完成しましたので、もちもので登録してみました。
見ているだけで楽しい!
ニキシー管を知らない方も多いと思いますのでざっくりとご紹介。
ガラス管の中にガスが封入されており、0から9までの文字の形に切り抜かれた金属板に電圧をかけることで、文字の周りにグロー放電発光が生じて、文字として認識できます。
金属板自体が光るのではなく、金属板を囲むようにグロー放電が生じるので発光している様子はとても美しいです。
8の数字が光っていますが、金属板を囲むように光が生じているのがわかります。
このため、エッジが柔らかく文字が光るため、見ていてなんとも優しい感じです。
しかも、数字が前後して並んでいるので、数字が切り替わると前後の位置が入れ替わるのも、見ていて楽しいです。
大型ニキシー管、IN-18を使用
※https://www.tindie.com/products/Radiotec/in-18-nixie-tube-for-nixie-clock-and-other/より拝借。
現在出回っているニキシー管はほぼロシア製といっても過言ではありません。
西側諸国、あるいは国産(岡谷電機など)のものはとても入手性が悪く、まとまった数を見かけることはほとんど無くなってきてしまいました。
ロシアのニキシー管には様々なサイズがあり、側面から見るタイプと、上から見るタイプに分かれます。
IN-18はその中でも大型のニキシー管となります。
キットでよく見るのはIN-8やIN-14ですが、前述のようにIN-14の5は微妙な感じなのです。
※http://picclick.ca/IN-14-Nixie-Tube-Clock-Transparent-Enclosure-172260352298.htmlより拝借。
上記はIN-14を使ったキットですが、右から2番目の「5」が「2」をひっくり返した形なのがお分かりでしょうか。
しかも、IN-8とIN-14ってあまり差がない感じなのですよね。
なので、買うならIN-18しかありません。
ニキシー管の動作
GPSを接続することで自動調整も可能な高機能さ
使用したのはTubeHobbyのNCV2.1-18というキットとなります。
このキット、とても高機能なのが特長です。
- CR2032によるバッテリーバックアップ
- ニキシー管点灯時間カウント
- 自動スリープ、ウェイクアップ時間設定
- リフレッシュレート設定
- サマータイム設定
- 日付、年月日表示設定
- GPSによる時間補正
などの機能があります。
便利なのは、自動的にニキシー管を消灯モードに切り替えるスリープ機能。設定した時間に消灯し、設定した時間に自動的に点灯します。
消灯中は背面の設定ボタンを押すと10秒点灯し、3回手動点灯を行うと次のスリープ時間まで点灯しっぱなしとなります。
また、ACアダプタを抜いても設定を保持するためにCR2032によるバッテリーバックアップも備えています。
サマータイム設定もありますが、日本では使わないので特に設定は不要です。
こんな感じで、ニキシー管の点灯時間をカウントしてくれます。
中古で買った5本は何時間使ったか分からないのですが、買ってから37時間が経過しました。
設定画面は、左側に設定項目の数字が、右側に値が表示されるのでとてもわかりやすいです。
マニュアルはTubeHobbyのサイトからPDFをダウンロード出来ますので、特に設定で困ることはないと思います。
ボタン2つだけのカンタン操作ですが、よく考えられていると思います。
推奨電圧 12V 1A…
いやー、時計なのに推奨しているACアダプタが12V 1Aですから、消費電力の凄さがわかります。
時計ですよ、時計。
まあ、グロー放電しているデバイスですから、しょうがないですけどね…。
家に転がっていた、アイオーデータ機器の12V 1.5AのACアダプタを使っています。
せっかくなのでケースも格好良く!
今回買ったものは、ケースがボロボロだったので、早速見た目美しく改造してみました。
今回は木目仕様にするために、ウォールナットの突き板を購入。
思ったよりも色が明るかったので、ダークオークの水性ニスを塗ってから、ケースに貼り付けました。
その後、2液ウレタンをたっぷりと塗り、3日ほど乾燥させてから600番→2000番のサンドペーパーで平面を出し、最期はタミヤのコンパウンドで磨いた後、ポリッシャーをかけました。
とりあえず、これくらいキレイに映る鏡面仕上げにできました。
初の突き板加工なのですが、それなりに仕上がったので大満足。
ドットはIN-3 ネオン管が1つだったのですが、せっかくなのでコロンになるようにしてみました。
最初は並列に繋いでしまって、電圧が低下して片方しか点灯しなかったのですが、直列に変更して問題無く点灯するようになりました。
ガラス管に入れているので、見た目も揃って良い感じです。
ニキシー管ならではの美しさ
今時の省電力デバイスでは絶対に表現できない、グロー放電の美しさ。
照明を落としてニキシー管時計を見ているだけで、時が過ぎてしまいます。
今後はどんどん高騰すると思いますので、買うなら今のうちですよ!
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購入金額
0円
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購入日
2016年11月02日
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購入場所
hidechanさん
2016/11/02
IN-18菅しか見たことなかったので良く分かりませんでしたが、
確かに、IN-14の『5』はIN-18と比べちゃうと、何か違う感がありますね!
消費電力の凄さは、見た目の癒し効果を考えれば我慢出来ちゃいますね^^
ちょもさん
2016/11/03
ニキシー管って、買ってみるまでこういう光り方するのとは知らなかったのです。
真空管のフィラメントみたいにダイレクトに光るのかと思ってました(^^;
細かい点ですが、やはり5はしっかりとカドがないと2の逆ではなにか違いますからね~
プレート1枚だけなんだからちゃんと作れば良かったのに、とか思います。
消費電力はニキシー管が点灯している間だけなので、問題無いかなと!
KAOさん
2016/11/05
みてるだけで癒される感じ伝わってきます。
そのあとのケース加工も美しいです。
ちょもさん
2016/11/05
表示はデジタルなのに、アナログさがあるデバイスってなんとも言えないですよね~
消費電力とかメンテナンスの面で液晶などには到底太刀打ち出来ないニキシー管ですが、ニキシー管の持つ独特の暖かみはやはり格別です。
ケースは思ったよりキレイに仕上がって喜んでます(笑
こじこじさん
2017/09/06
はじめまして!
私もNCV2.1-18の購入を検討しているのですが、気になることがあるので質問させて下さいm(_ _)m
実験のために、自分でIN-18の基板を作成したことがあるのですが、実装した際に管が少しだけ左を向いてしまいました。
NCV2.1-18のマニュアルや他の作例を参考にして4番品のアノードを真正面に配置したのですが・・・
お手持ちのNCV2.1-18キットでは、管(文字)が少し左を向いているようなことはありませんでしたでしょうか?
お手数ですがよろしくお願いします。
ちょもさん
2017/09/06
管ですが、キチンと正面を向いています。
6本とも綺麗に揃ってますから、基盤に問題はないと思います。
こじこじさん
2017/09/06
承知しました!
ご返事ありがとうございます・・