TOTO。職人集団であるスタジオミュージシャンにスポットライトを当てたアメリカンロックバンド。日本では1st
から高い人気を博したが、本国ではグラミー賞を総なめした傑作アルバム“TOTO Ⅳ”
でやっと火がつく。
ただこの後からがメンバー的にはむしろ安定しなくなる。まずベーシストのDavid Hungateが離脱、後任にバンド内に兄弟がいたMike Porcaroが加わる。Mikeは他のメンバーとTOTOデビュー前にセッションしていた仲だったのでここまでは穏やかだったが、その後メインヴォーカリストがBobby KimballからFergie Frederiksenに代わり、さらにJoseph Williams、Jean-Michel Byronと1~2作ごとにバンドの「顔」であるヴォーカリストが入れ替わるという状態に。そのさなか、オリジナルメンバーでバンドの音色的特徴だったツインキーボードの片割れSteve Porcaroが離脱、そしてバンドの大黒柱=Jeff Porcaroの急死とバンド存続の危機を迎える。結局彼等はバンドを継続することにして、スーパーテクニシャンSimon Phillipsをドラマーに迎えて再出発。ただその後もオリジナルメンバーであるDavid Paichのツアー不帯同によってキーボーディスト兼ヴォーカリストとしてGreg Phillinganesが加わったりとメンツが一定しなかった。このあと一時的な休養を挟んで、Joseph WilliamsやDavid Hungate、Steve Porcaro等が出戻り現在また活動をしているが、その休養前の最後の作品“Falling in Between”からのシングルカット。
当初表題曲のみで発売されたが、その後“Summer edition(邦題“サマー・06・ツアー・エディション”)”として過去のヒット曲のライヴ音源を加えて再発された。カップリング2曲が収録時期の異なるライヴ音源でもあり、シングルではあるものの1枚で複数のTOTOのヴォーカリストが味わえる盤になっている。
まずタイトル曲「Bottom Of Your Soul」。メインヴォーカリストとしてはBobby Kimballが復帰していた時代の“Falling in Between”からのシングルカット曲なのではあるが、元ヴォーカリストのJoseph Williamsをゲストに迎え、Steve Lukather(Luke)と二人で歌い分けた曲で、Bobby時代のアフリカンビートの名曲「Africa」と対を成すような曲。Josephは様々な音楽性を内包するTOTOというバンドに取って一番「合っていた」といわれるヴォーカリストでこの曲でも表現力豊かなところを見せる。リズムオリエンテッドで緩やかに大きなグルーヴが感じられ明るめだったJeffのリズムと異なり、(詞の内容的にも)昏く熱情的で弾けるようなSimonのドラムスが印象的。このシングルでは明確にクレジットされていないが、Jason Scheffがコーラスで参加しているようだ。
つづく「Gypsy Train」はJeffの最後の作品となった“Kingdom of Desire”からのハードチューン。リリース時期が専任ヴォーカリストがいなかった時期なのでメインヴォーカルはLukeが取っているのだが、サビでは復活していた初代ヴォーカリストBobby Kimballの声が聞こえる。バンドが最もギターバンド寄り、ハード寄りに行ってた時期のナンバーで、ラストのLukeのソロもアツい!
次はいわゆるヒット曲メドレーでヒットアルバム“TOTO Ⅳ”から全米トップを獲った「Africa」とアルバムリードチューンでこれも全米一桁の「Rosanna」そして当時最新シングルの表題曲「Bottom Of Your Soul」となっているが、このライヴにはDavid Paichが参加しなかったため、元々DavidとBobbyで歌われた「Africa」はGreg Phillinganesとのコンビになっているし、「Bottom Of Your Soul」もJoseph不在のため、BobbyとLukeの組み合わせ。でも面白いのが唯一のオリジナルヴォーカリストの組み合わせの「Rosanna」(LukeとBobby)が一番出来がイマイチのような気がするのは気のせい?w
この作品の後彼等は休養に入り、復活時にはまたヴォーカリストが変更(Joseph復帰)となるけれど、2016年現在最新の作品“Toto XIV”をリリースした時点では今度はリズム隊が総取っ替えとなる(Mikeが鬼籍に入り、Simonが離脱)ため、また様相が違ってしまっている。その観点では、TOTOの歴代ヴォーカリストの声が聴けるシングルであるともに、ファンの中で最高傑作の呼び声高い“The Seventh One”
の当時望むべく最大の状態での再現盤とも言え、実は聴き逃せない作品です。
【収録曲】
1. Bottom Of Your Soul (radio edit)
2. Gypsy Train (recorded live at Gampel Festival in Switzerland, 22 August 2004)
3. Africa/Rosanna/Bottom of your Soul
(TV mix medley/recorded live in Bordeaux, France, March 2006)
4. Bottom Of Your Soul (album version)
「Bottom Of Your Soul」
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購入金額
1,500円
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購入日
2006年頃
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購入場所

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