さかいゆう。何度かご紹介しているが、ブラック系のアメリカンポップテイストを強く持ったアーティスト。ゴスペルやファンクと言ったクロ系音楽をベースにして上手く日本語をノセているJ-POPを書く。デビュー前渡米していた時にBoyz II Menの元メンバー(Marc Nelson)と活動していたらしいが、そのせいかセンスが日本人離れしていて、あまり「似た」人がいないアーティスト。
本作はそんな彼の5thシングル。やっぱりセンスがクロい。
タイトルチューンの「薔薇とローズ」は、フィンガースナップがリズムを刻むゴスペル調のコーラスで始まり、Aメロの粘るリズムと意外に素直なJ-POP調のBメロの対比が面白い。自身の弾く重いピアノのと軽やかにグリスするオルガンの落差が印象的。LAでの活動歴が長いギタリスト、マサ古浜のイイ感じに歪んだギターソロが熱い!
「ピエロチック feat.秦 基博」はこれの入っている3rdアルバムのレビュー
でも触れたが、feat.の名に恥じぬ?ように、さかいよりも歌うパートの多い秦の透き通る声が美しい。アウトロのさかいの粘るピアノソロがジャズフレーバー溢れてる。
「The Closer I Get To You」はRoberta Flack & Donny Hathawayのカバー「私の気持ち」。この曲はエレピの弾き語り。テンポも自由で、プレイも歌っているよう。明らかにRhodesと判るアタックの音色でのバッキングもソロもエモーショナルだ。
DVDは1、2曲目のMVと4曲のライヴテイク。ライヴの方は同一の公演のではなく約2年にわたって様々なライヴから抜き出したもの。バンド構成のものから、機械を使ってワンマン公演、ピアノ弾き語りまで様々な形態の曲の寄せ集め。有名なのは「ストーリー」だろうが、面白かったのは「AHEAD」。これはサンプラーを用いたループ曲で、1パターンその場でプレイを打ち込んで、それをバックに歌ったり、ソロを乗せたりする。1コード曲や、ループパターンが多いファンク系楽曲には合うので、最近結構聴く。そういえばスガシカオもワンマンライヴで使っていたな。そんなこの曲ではさかいの「ドラムソロ」が聴ける。これはキーボードにドラム音源をアサインして、鍵盤を叩くことによって「ドラムソロ」を模したもの。けっこうラシくて、最後に自分で「on drums さかいゆう~っ」ってw最近さかいはライヴの活動が主で、特にシングルはかなりリリース間隔が開きつつある。まだ枯れるには早い。この日本人離れしたセンスの曲をもっと聴かせて欲しいなぁ~っと。
【収録曲】
<CD>
1. 薔薇とローズ
2. ピエロチック feat.秦 基博
3. The Closer I Get To You
4. 薔薇とローズ<backing track>
5. ピエロチック<backing track>
<DVD>
1. 薔薇とローズ(MV)
2. ピエロチック feat. 秦 基博(MV:Shooting the Recording Session on 2013.8.19)
3. ストーリー(Live from 「TOUR 2010“YES!!”」 2010.9.22)
4. AHEAD(Live from 「TOUR “ONLY YU”#1」 2011.4.26)
5. 夏のラフマニノフ(Live from 「“さかいの湯” Vol.1」 2011.8.6)
6. ペテン師と臆病者(Live from 「TOUR 2012 “How‘s it going?”」 2012.6.3)
「薔薇とローズ」
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購入金額
1,944円
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購入日
2014年頃
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購入場所
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