レビューメディア「ジグソー」

カップリング曲が素晴らしい

所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。最近のダウンロード販売では、自分の好みの曲を1曲単位で入手できることが魅力ですが、逆にカップリング曲でそのアーティストの他の魅力に気がついたりすることがないのがザンネンです。音楽系TVで流れた曲を購入して、表題曲とは若干毛色が異なるカップリング曲でアーティストの違う魅力を発見した作品をご紹介します。

BASIA(Basia Trzetrzelewska)。主に1990年代に活躍した東欧の歌姫。その伸びる声とエキゾチックな風貌で一世を風靡した。その後もペースは落ちたが現役で活動を続け、古巣Matt Biancoに戻ったり、散発的にオリジナルアルバムを発売したりしているが、最も「濃かった」のは1990年代前半。

特にその当時MTVなどMPV局ではパワープレイされたこともあり、「Drunk On Love」等のヒットを飛ばしている。

そんな彼女の日本限定発売シングル。タイトル曲はヒットアルバム“The Sweetest Illusion”に収められたものだが、残り2曲が以前のシングルカップリング曲の再録で、コイツが出来が良い。足が速いシングルを入手できなかった向きには福音。

まず「More fire than flame」。4小節と喰いたらなさが感じられるブラスのイントロから、タイトなドラムスと良く動くベースからなるリズムを、パワーと伸びが両立するBASIAの声と、オルガン、クラビが彩るノリが良い曲。2ndの頃に比べればアメリカナイズされた曲調だが、どことはなく漂う一抹の昏さが欧州だな。

お気に入りは「Masquerade」。ハネるギターのカッティングとシンベの硬いリズムの対比、ラップ調の男声Aメロ(共同制作者のDanny Whiteか?)とBASIAの伸びる声のBメロ~サビの落差、サンプリングっぽい定型ブラスフレーズとジャジィな弱音器つけたペットのソロ..とにかく結構曲の落差..というか意外性がいい感じ。あとメロディラインがJ-POP...というか歌謡曲的味わいがあってそれが日本人の琴線に触れるのかも。

最後の「Come to heaven」は、ブルージーなコード進行のハチロクの曲。この曲は古い(1990年発表で本作より3年ほど早い)のに、ドゥーワップ風ベースヴォイスが入ったりとかなり後のアメリカ的テイストを持った曲。ここでは吹きまくるサックスソロ(たぶんSteve Gregory)が印象的。BASIAの歌うメロディーも長音が多く、ある意味「ソロ」っぽい。

表題曲と残りの2曲は4年ほど制作時期が違うので、統一感は少しないけれど、彼女の様々な面が見えるmaxi。
なんつーか、かなり地味な装丁。
なんつーか、かなり地味な装丁。
カップリングによって思いもかけない新たな楽曲が楽しめた時代の作品です。

【収録曲】
1. More fire than flame
2. Masquerade
3. Come to heaven

「More fire than flame」

  • 購入金額

    1,200円

  • 購入日

    1994年頃

  • 購入場所

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