所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。世にある歌の大きな割合を占めるのがラヴソングです。自己表現の発露としての楽曲制作(歌詞制作)において、ひとの魂を揺さぶる「愛」について語られることが多いのは不思議ではありません。でもそんな「感情」を訴えるラヴソングにおいても、甘くなく、悲痛でもなく、淡々と歌われるものもあります。そんな「愛してる」とは歌わないラヴソングをご紹介します。
スガシカオ。一時期かなりエレクトロファンク寄りに行ったがもともとはかなりフォーキィな一面も持つアーティスト。特にアコースティック系のアレンジにおいてファンク風味がある、というのは日本ではほとんど見られないため貴重で、現在も新作が発売されれば押さえている。
そんな彼のこれは4thシングル。デビュー当初は自分の持ついろんな面を見せてどこが受け入れられるのか探っていたような感があるが、これは前作“ドキドキしちゃう”とは一転、かなりフォーキィで訥々と、そして淡々とした曲が表題曲。いわゆる「オドカシ」系のシカケが一切なく、彼の詞の世界が味わえる。
そこには「愛」の熱情も激したところもなく、そして葛藤もドロドロもなく、肌触りがドライ。でもいつの間にか心に落ちてきている、という不思議さ。
「愛について」は以前ご紹介した「ど」レアインディーズデビューシングル、“0101”
のカップリング曲。あのヴァージョンよりブラスの彩りが大きいけれど、オルガンやクラビと言ったトラディショナルな?楽器が強調されたインディーズ盤より、テンポ自体が遅いこともあってちょっとダル。物憂げな感じの曲と歌い方が、スガにしては割にストレートにラヴソングな歌詞との対比として面白い。♪ぼくらが/もう少し/愛についてうまく/話せるときがきたら/暮らしていこう/すばらしく/すばらしく/毎日が過ぎて/悲しみに出会うときは/涙を流そう♪
「バクダン・ジュース」は後のファンキィなスガへ行く萌芽が見える。AメロのD7一発のコードで押し切るファンキィさ。サビ後のG⇒G#⇒Aの展開も印象的。ワウの効いたギターのカッティングにガツンとした生ギターのカッテイングが混じるのが初期のスガの味か。モノマネでない日本語ファンクの一つの完成形かな。キレの悪い日本語という言葉を上手くノセてる。
この4thシングル、(発売がかなり前-1997年-という事もあるが)スガのシングルでの売り上げのかなり上位。パッと聴き、さほどにインパクトの大きい曲ではなくて、緩いグルーヴに乗って訥々と語る、という感じの曲なのだけれど、かなり印象的。この曲あたりで通へのアピール度が増していった感じかな。
そんな通好みのアーティストの初期の「愛」の歌です。
【収録曲】
1. 愛について
2. バクダン・ジュース
3. 愛について(Backing track)
「愛について」
いわゆるキャッチーな曲ではないが...
スガの世界をよく表している
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購入金額
290円
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購入日
2012年09月30日
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購入場所
Yahoo!オークション
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