もともとはWindows 95の互換OSとして企画されていた、UNIXベースではないWindows NT 5.x互換OS
React OSはReact OS Projectが開発しているオープンソースのWindows互換32bitオペレーティングシステム。バージョンとしてはWindows 2000、XP、Server 2003&2003 R2と同じ世代のNT 5.x系の互換OSになります。
もともとはWindows 95の互換OSとして開発されていたものが途中でNT互換OSに切り替わったという経緯を持ち、一時期Windows 2000のコードが混入していたことがあったために開発が一時的にストップしたこともあったものの、長い開発期間を得てようやくベータ版の前段階の0.4.x系がリリースされています。現在の最新版は0.4.1。PC UNIX系OSでWindowsのアプリを動かす「Wine」の技術がつかわれていますがReact OS自体はUNIXベースではなくあくまでWindows互換OSとして一から開発されたOSになります。
ルック・アンド・フィールはWindows XPそのもの
OSのルック・アンド・フィール自体はそのまんまWindows XPほぼそのものとなっています。特にいうことがないくらいWindowsそのものであるためWindowsユーザーであればすんなりと使うことができるのではないのでしょうか。以前のバージョンでは癖のあるUIだったファイラーもWindows ExplorerほぼそのもののUIになっており、最近のバージョンではWindows XPで実装されたテーマサービスが動くようになったこともあってデフォルトでオリジナルのテーマがインストールされています。
Windows互換OSであるため当然既存用のWindowsアプリケーションも動きます。現在のバージョンでは後述する日本語IME関連を除いてほとんどのソフトが動くようになってきており、英語環境であれば十分実用できる段階にまで近づいてきました。ちなみにソフトはインストールされているソフトウェアセンターからも入手可能。もちろん手持ちのWin32アプリケーションもインストールすることが可能です。(ただし動くアプリが増えてきたとは言ってもまだインストール不可能なものもあるので注意が必要です。あくまでまだ最終アルファ版の段階ですから。)
一部ローカライズされていないもののOS自体は日本語にローカライズされており、初回インストール時に日本語を指定すればほぼ日本語版Windowsと同じ感覚で使うことができるのではないでしょうか。
日本語IMEを動かすためのAPIが未実装なため、日本語入力に関しては絶望的
ここまで実用的であればGoogle日本語入力なりATOK For Windowsなりをインストールして日本語環境として使ってみたいと思う方もいるかもしれませんが、残念ながら現状のReact OSでは日本語入力に必要なAPIであるTSFが実装されていないため、これらのIMEをインストールすることはできません。
開発チームに日本人がいないとのことで現状TSFが実装される可能性は少なく、残念ながら現状ではブラウザで動くソーシャルIMEを頼らない限り日本語入力に関しては絶望的という現状になっています。
次はいよいよベータの段階へ。
React OSは次の0.5.0の段階で実用可能なベータ版という位置づけに代わり、その段階を経てついに正式版としてリリースされる予定になっています。
開発時間が長いため次のベータの時間までもう少し時間がかかるかもしれませんが、現状でもアプリの互換性が上がって動作するソフトも増えてきてます。
日本ではTSFが実装されない限りちょっと厳しいかもしれませんが、Windows XPがインストールされていた古いPCのリプレース元として強力な候補になるかもしれません。
今後のReact OSの進化を見守っていきたい限りです。
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購入金額
0円
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購入日
2016年07月10日
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購入場所
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