■これはなに?
いまやすっかり格安SIM屋に成り下がったY!mobile(失礼!)が販売する法人用携帯端末(PHS)です。
医療現場やスマホ移行ができないビジネスシーンで今もなお現役バリバリで活躍中。水に落としたり踏みつけられたりしながらも健気にがんばってる働く男のPHS。
どこまでも地味だけど、だがそれがいい。
開発は日本無線で発売開始は2014年、昨今のY!mobileはすっかりPHSを売る気はないらしく、2016年6月現在法人向けPHSとして依然最新機種。そしておそらく最後の法人PHSなのでしょう。救いは他の端末と違って法人需要があるので、まだ定期的にソフトウェア・アップデートが入るところ。さすがに全国の法人ユーザーの巻取り完了まではお客は逃さないでしょうからねえ。
法人端末としての取り扱いが基本の本機ですが、個人で入手するにはごく少数個人向けに販売された端末を運良くゲットするか、法人使用の中古端末を手に入れて持ち込み機種変をするかという狭き門をくぐる事が必須となります。ちなみに僕はヤフオクで入手しました。今でもたまに出物があるっぽいので欲しい人はこまめにチェックしましょう。
端末の特徴としては以下の4点
1.「オフィスモード」「W-VPN」に対応
2.カメラなしでセキュリティに配慮
3.安心して使用できる「防水・防塵」設計
4.「過去最高のクリアな通話品質」を実現
1に関しては個人ユーザはまるで関係なし。一応昔なつかしトランシーバーモードもついてはいるけれど、日本無線の端末同士を揃えんといかんので実際は使えませぬ。まあこれは仕方ないよね。
2と3に関しては法人モデル向けらしい設計。機能を削いで価格を抑え、数々の現場で耐えられるようタフボディに仕上げてきました。単純な音声端末として使いたい僕にとってはありがたい仕様です。
4に関しても評価できるところ。今更アンテナが伸びる電話って、ふたまわりくらいしてむしろ超かっこいいです。いかにも通信してます感があっていいですね。
レビューは購入後10日くらいの使用感をまとめてみたものになります。それでははりきってどうぞ。
※画像のいくつかは公式サイトのものです。
無駄な機能は一切なし。タフネスボディの頼れる電話。
・動作はキビキビ!
無駄な機能がないので動作は速いです。今のところフリーズは無縁の機械として安心感があります。ただ重た目のメールを受信した際は少しもっさり気味になる時も、まあこれはPHS規格の通信速度の問題なのでしょうがないでしょうけど。
・電波の掴みが良い(PHSにしては)
基地局の間引きが始まっているといううわさのPHS。その中でも電波のつかみはがんばってる感があります。伊達にアンテナ二本積んでません。
音声品質もノイズキャンセラとか付いてて悪くない感じ。PHS同士だと相手の環境音でだいたいどこにいるかわかるレベルです。このあたりはもっと評価されてもいいと思うんだけどねえ。
・防水・防塵は安心感あり
ツルッとした白い筐体は味も素っ気もないですがいかにも丈夫そう。充電もクレードルを使えばUSBの蓋の開け閉めをする必要もありません。僕はよくバイクに乗ってて雨で電話を濡らしてしまうのでありがたい仕様です。
・押しやすいボタン
物理キー最高。おじさんはフリック入力は苦手ですがガラケーをポチポチするのは得意です。文字がキーに直接印刷されていないのもポイント高し。擦れて印刷が薄れるということがありません。とにかくタフにという設計思想がここでもわかります。素敵。
・いざという時のICレコーダー
こっそり機能として内蔵メモリに最大8時間分の音声データを保存可能となっています。環境音はもちろん通話録音もボタン一つで可能。
交通事故とか急な会議とかなにかの折に使えるかもしれないですね。
・SMSが使える
ソフトウェアアップデートでPHSなのにSMSが可能になりました。これだけならどうってことないんですが、実はPHS間のSMSはアラフォー世代御用達「Pメール」の拡張形式を取っているため、未だ世にも珍しい直送形式を取っているのが特徴であり長所となっています。
センターで一度預かるSMSに対し、直送メールは端末に直接送りつけるので送った時点で未達かどうか判断が可能なんですな。これ、実は災害時にはとっても便利。もっともいまでこそこんな機能はLINEでいいじゃんとなるのだけど、災害時に強いPHSでこういった機能があるのは心強い。いざというときの連絡手段はいくつあってもいいですよ。
※ちなみにファームウェアアップデートでSMSが可能になってからは以前のように即座に未達かどうかはわからず「SMS配信レポート」なる機能で到達確認ができるようになったようです。うーんちょっと微妙。
PHS規格の中でがんばってはいるけれど。
・電池持ちは普通
1日通話10数分。メール30通程度の送受信をしているとだいたい3〜4日でバッテリが空になるみたい。思ったよりも良くないのはバイブが強力だからでしょうか。まあそれでもスマホの比べれば十分電池持ちがいいほうなんですけどね。
・データ通信は非常用
一応フルブラウザ(NetFront)を積んでるし、SSLサーバー証明書もなんとかSHA-2対応なのでいくらかサイトは見れるようです。
でももっさり。はてしなくもっさり。仕方ないんですけどね。ないよりましかと。
それからUSBケーブルでPCとつなぐとデータ通信も可能でした。速度はISDNなみでこれも非常用ですな。
・メールの送受信はゆったり目
PHSの規格の中でも比較的高速なW-OAM(最大408kbps)対応ですが、今時の4G通信の速度に慣れていると送受信はかなりゆったり目。ていうか遅い。
せめてtypeG(最大800kbps)対応ならもう少しましだったのかもしれませんが、まあこれも期待するだけ野暮なのでしょう。
・着信音が選べない
mp3なんて夢のまた夢、対応フォーマットは基本的にMIDIとdxm(フィールサウンド!)というスパルタンな仕様、それと一応ICレコーダーで録音した3gpファイルも登録できるようですが、これはマイク録音なので音量レベルが全然足らず使いものなりませんでした。
この歳になってMIDIファイルを探したりするとは思わなかったよ。
・Bluetooth非対応
これがすごく惜しいところ。車に乗っている時のヘッドセットは有線。スマホ連携なにそれ。データ通信も有線オンリーです。需要が少なかったんですかねえ。
電話に必要な機能はすべて詰まった傑作機
僕が未だにPHS回線を持ち続けているのはズバリ「防災対策」
基地局が細かく回線も空いている(誰ももってないからな)PHSは災害時には頼りになる通信インフラなんですな。
普段使いのスマホは別途格安データSIMが刺さったiPhoneとiPadを持っているので、音声端末はこういったシンプルで丈夫な電話が一番です。
新機種が1年以上出てない現状を考えるとPHS停波のカウントダウンが既に始まっていると思いますが、特徴と用途を考えれば十分まだまだ便利に使える端末。停波まで大事に使いたいと思います。
※おまけ
関係ないけど折角だから壁紙作りました。
サイズは960*1280。時計表示(大)で収まりよく作っています。
需要なんて皆無だろうけど、だれか欲しい人はどうぞ。
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購入金額
20,500円
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購入日
2016年06月15日
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購入場所
ヤフオク!
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