今では数少なくなった万年筆用没食子インク(古典インクとも)です。中でもこの銘柄は最も古典色が強いとされています。
英語の registrar は「登記官」の意味で、この名前は「公文書に使われる」ということを表しているようです。英国では、出生届や婚姻届、航海日誌といった公文書に対してこのような公文書品質の没食子インクの使用が義務付けられているそうです。
Registrar's ink を名乗るインクには、ほかに Ecclesiastical Stationery Supplies から発売されているものがありますが、これは日本では発売されていないようです(DiamineのOEMではないそうです)。
古典色の強いインク
没食子インクは一般の染料インクに比べ耐水性などに優れ、往時は正式な文書などに使用されていた(イギリスでは今でも使用されている)そうです。
先に古典色が強いと書きましたが、最初の時点で青や紺色、ブルーグレーといった色調だったものが書いたそばから濃くなっていき、最終的には目が痛いくらいの黒になります。他の現行品でここまで黒くなるのは見たことがありません。
それだけの価値はある
ミリリットル単価は53円33銭と、決して安くはありません。それでも、公文書品質の没食子インクであるというのは重要な特徴です。相応の価値はあるでしょう。
一部の専門店ならある
一部の万年筆専門店にはあります。少なくともナガサワでは取り扱いがあります。しかし、一般的な雑貨店にはまず取り扱いがないでしょう。
なお、このインクは英国製です(Made in The U.K. と書いてあります)。欧州連合からの離脱での影響が心配されます。
フォーマルな場面に
万年筆用没食子インクの中でも最も古典色の強い部類に入ります。彩度が低く、どちらかというとフォーマルな場面に向くインクです。手書きで手紙を書く際にも、ブルーブラックはまず考慮される選択肢の一つです。
書き手の性格によっては、常用のインクとして使おうと思うかもしれません。
ガンヂーインキ消しで消した場合、書いてから時間が経っていると黄色く跡が残り、完全には消えません。
CON-70での使用は禁忌
CON-70での使用は禁忌です。コンバーターを破損したという報告があるからです。私が使っていたプラチナのコンバーターでも回転吸入部分が固くなり余計なトルクが必要になりました。
没食子インクですので当然に酸性です。金ペンでは問題になりませんが、金メッキや鉄ペンでの使用には注意が必要です。
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購入金額
1,600円
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購入日
2014年08月頃
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購入場所
ナガサワ神戸煉瓦倉庫店
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