DACのI/V変換向けのオペアンプです。メーカーでは「16ビット精度アナログオペアンプ」と紹介されています。
解像度が上がる
位相補償無しの場合、OPA2134と比べて音が鮮明になった印象を受けます。解像度も上がったように感じられますが、過渡波形でリンギングを起こしています。位相補償をした時に比べてハイ寄りになるようです。
過渡応答(A=11 Vin=200mVp-p f=100kHz Rfb=10kΩ 位相補償なし 10:1プローブのみ接続 ガラエポユニバーサル基板)
位相補償10pFの場合も、やはり解像度が上がったように感じられます。位相補償無しの場合と比べ高域が若干おとなしくなり相対的に低域の通りが良くなったように聞こえます。一般的にオーディオ回路の位相補償は負帰還部分にディップマイカコンデンサを並列に接続するのが一般的ですが、今回は温度補償(CH特性)の積層セラミックコンデンサを使用しています。
過渡応答(A=11 Vin=200mVp-p f=100kHz Rfb=10kΩ Cfb=10pF 10:1プローブのみ接続 ガラエポユニバーサル基板)
(12/30追記)15Ω負荷(セメント抵抗)時の過渡波形を以下に掲載します。
過渡応答(A=1 Vin=200mVp-p f=100kHz Rfb=0 位相補償なし Rl=15Ω ガラエポユニバーサル基板)
DACのI/V変換用
DIPの2回路品です。但し、ここまでリンギングを起こすと位相補償が必要になってくるのでとっかえひっかえするのは難があるかもしれません。今回の試聴では、ICソケットに積セラを半田付けしたものを用意して行っています。
位相補償ソケット。村田の積セラでCH特性のものは頭が黒く塗られているのが特徴
電源電圧は±5Vと±15Vで仕様が規定されています。ポータブルアンプに使うには電圧が足りないかもしれません。なお、ユニティゲイン安定です。
スペック上は22mA出るようですが、出力電流の面でもヘッドホンのドライブには不安が残ります。ヘッドホンアンプに使うには、±12Vなどに昇圧した上で、トランジスタや専用ICでバッファを組んだほうが良いでしょう。
アプリケーション例として「16ビットDACのI/V変換」が挙げられています。
電源電圧と位相補償ができるなら
電源電圧と位相補償がしっかりできる用途で使う分には良い石であるといえます。
位相補償する必要がある
オペアンプは発振すると非常に熱くなります。
24V駆動のcMoy回路では、位相補償無しの場合、外気温28.6℃に対し43.9度まで上がり、触ると熱さを感じます。
位相補償10pFの場合、外気温28.4℃に対し38.0℃まで上昇しました。
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購入金額
1,008円
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購入日
2016年06月09日
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購入場所
デジット
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