少し前からソフマップの各店舗(通販含む)で大量に未使用の処分品が出ていて、未だに売り切れる気配の無いHDDです。
ここ数年の間にPC趣味を持った人では、この製品の素性はもはや理解出来ないでしょう。私も買うときに「今時のPCでは使えないのですが、よろしいですか?」と確認されたほどですからね。「今でも使える環境がある」と答えたら納得されましたが…。
主なスペックは次の通りです。
インターフェース:Ultra 320 SCSI
コネクター形状:SCA-2 80Pin
記憶容量:73GB
回転数:15,000rpm
バッファ容量:8MB
プラッター枚数:1枚
まず、現在はパラレルSCSI自体が絶滅していますね。SCSIユーザーの方ですら、今使っているのは大抵SASでしょう。
そして端子形状も一般的なLVD SCSI(Ultra 2 Wide / Ultra 160 / Ultra 320)で利用される68Pinコネクターではなく、SCA-2 80Pinとなっています。
SCAは主にホットスワップ対応環境で用いられる端子で、通常のSCSIに必要な信号の他に駆動用電源もまとめて伝送することで、ワンタッチでの着脱を可能とするものです。サーバー筐体に内蔵しているときなどは、よくこの端子が利用されています。
通常のSCSI HDDとして接続するためには、このような変換コネクターを利用します。
いままでもいくつかSCAコネクターを装備したSCSI HDDを紹介していますが、今回のMBA3073NCはパラレルSCSI HDDとしてもかなりの後発モデル(2007年発売)となっていて、私の中では未だに新しいというイメージが残っていたりします。
実は東芝移管後の製造分だった
この製品は「FUJITSU MBA3073NC」なのですが、富士通のHDD製造部門は2009年2月に東芝(メディア製造など一部は昭和電工)に譲渡が発表され、同年10月に新会社へと移管されています。
よってこの製品もそれ以降の製造分はFUJITSUのロゴを残したまま、製造事業者として東芝の名前が記載されるようになっています。
製品のラベルをよく見てみると、2011年4月製造となっていますので、移管よりも随分後の製造であり、やはり「TOSHIBA CORPORATION」の文字が見られます。発売が2007年6月頃ですから、少なくとも4年製造され続けていたということになります。パラレルSCSIとしては同社最後の製品でしたので、保守用途などで需要があったということでしょう。
実際に動作させる環境を作っていませんのでベンチマークは掲載出来ませんが、この製品は最内周では120MB/sを超える速度を叩き出していて、当時としてはかなりの高速モデルでした。この時期HDDの速度性能は、Seagateと富士通の各15,000rpmモデルが最速を争っていて、HGST製の15,000rpmがそれからやや劣るところという図式でした。
SATA HDDも随分性能が向上していましたが、この時期のモデルは最速でも100MB/sに届くかどうかというところでしたからね。
先日洒落で買ったTYAN Thunder K8WEやLSI Logic MegaRAID 320-2Xと組み合わせれば、当時としては夢のハイエンド環境ができそうなのですが、置き場も無いので多分組み合わせることは無いと思います…。
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購入金額
518円
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購入日
2016年02月28日
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購入場所
ソフマップ
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