まず、このチューナーの話をする前に、「V-Low」「i-dio」とは何かという話を先にしておく必要があるでしょう。
V-Lowとは2011年7月を以て停波した、VHF帯のアナログTV放送で利用していた周波数帯域を、新たな方式の放送向けに再定義したものの内、旧来のVHF 1~3chに相当する周波数帯を利用して、主に移動用機器向けにマルチメディア放送することを目的とした「移動受信用地上基幹放送」と定義されるものです。
かつてのVHFでは映像と音声の伝送がほぼ全てとなっていましたが、V-Lowの放送ではIPパケットを放送と同時に載せることも可能となるため、スマートフォンやカーナビなどに、最適なコンテンツと情報を送り続けることが出来るという長所があります。
ちなみに旧VHF帯の10~12chは「V-High」と定義され、NTTドコモグループが展開している「NOTTV」が放送を行っていますが、既に採算の悪化などにより本年6月にサービスを停止することが発表されています。
一方で「i-dio」はV-Lowを利用した新たな放送サービスとして、現在プレ放送を開始したという段階であり、今回取り上げているこのチューナーも無料モニター向けに配布されているものです。実は今回のモニターは第2弾募集であり、私自身第1弾への応募は見送っていました。というのも、第1弾の時点では自宅付近がエリアとなっていなかったためです。
第2弾募集時に改めて確認したところ、千葉県内のエリアとして自宅付近もカバーされていることが判りましたので、応募しておいたところチューナーが届いたという訳です。
チューナーは日本アンテナ製です。本体の端子は充電用のmicroUSB端子と、外部アンテナ入力端子のみとなっています。視聴用の機器とはWi-Fiを介して接続を行うことになります。
現時点での対応OSはiOSとAndroidのみとなっていて、Windows系などで利用することは出来ません。またAndroidとiOSとでは想定する接続方法が異なっているため、接続先に合わせて起動方法を変える必要があります。
事実上受信不能なので評価できず
まず、正常に受信が出来る場合の動作につきましては、おものだちのPicardさんがレビューされていますので、そちらをご覧いただいた方が良いでしょう。
元々他のレビューを読んだ際にも、室内では入りにくいことがあると書かれていましたので、アナログ放送時のTVでも受信しにくかった自宅付近の状況から考えて、スムーズに受信できる可能性は低いと思っていました。
まずはAndroid端末として、XPERIA Z1 SO-01Fを利用しました。
しかし、初期設定を終えて選局を開始するところまでは行くのですが、そこからいくらやっても選局エラーが発生して放送どころか番組表すら受信できません。
そこで今度はiOSにしてみようと思い、iPhone 6と組み合わせてみました。
しかし、結論から言えばXPERIA Z1と挙動は変わりませんでした。
そこで今度はiPhoneとこのチューナーを持って庭に出たり、家の前の道路に出てみたりしたのですが、それでも状況は変わりません。
こちらも意地になって家の近所を歩き回ってみたところ、東から南にかけて障害物が殆ど無い、階段の上に出たときにようやく受信を開始しました。こんな感じの場所です。
ここであれば多少音声は途切れるものの、何とか番組を普通に聴ける程度にはなりました。とはいえ、i-dioの放送を聴くために、夜な夜なこんなところでチューナーとiPhoneを振り回していたら単なる不審人物です。とても常用に耐えるものではありません。
実は受信に成功したらAstell&Kern AK10と組み合わせて音質についても言及してみようと思っていたのですが、とてもそんな状況ではありません。少なくとも自宅の敷地内や周辺では受信できないという結論が得られただけでした。
もっとも、エリアは今後拡大していくとのことですので、今後状況は改善されていく可能性が高いでしょう。その時まで、チューナーはしばらくしまっておくことにしようと思います。
なお、放送内容自体は5月以降にIPサイマル放送が開始される予定となっていて、難視聴地域などでも楽しめるようになるそうです。ただ、今後開始される予定のハイレゾオーディオ放送などはやはりチューナーが無ければクオリティーを楽しむことは出来ませんので、エリアの改善が待たれるところです。
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購入金額
0円
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購入日
2016年03月19日
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購入場所
CLWさん
2016/03/19
同じく、自宅では受信しないので、出勤の際にテストしたら、駅前で受信できました。
なんとか、レビューしたいと思います。(^^ゞ
Picardさん
2016/03/19
私の自宅は、最初からCATVだったので、VHF LOW CHの受信状態は分かりませんが、近所の家に設置してあったVHFアンテナは、結構背の高いものだったので、決して良好な受信状態ではなかったのではないかと推測します。
しかし、内蔵アンテナのロッドを最大に伸ばして窓の付近に置いたら受信できました。
最悪勤務先(都内)で試そうと思いモニターに応募しました。
jive9821さん
2016/03/19
元々TVの受信に難がある地域ですので、こちらは自宅付近では当分厳しいかと思っています。タブレットにソフトを入れて、車で移動中にという方が現実的なのかも知れません…。
jive9821さん
2016/03/19
私はまず窓を開けて試して、庭に出て試して、道路に出て試してと試みた結果、自宅から少し歩いた場所に入る地点が(狭いながら)あったという感じでした。
今後は移動先に持っていて試すという方向で考えてみようと思いますが、出来れば家で聴きたいところでした…。