少し間が空きましたが、ビックカメラアウトレットの安売りインナーイヤフォン特集です。
比較的高い2モデルは上記の通り取り上げてしまいましたので、残るは3桁価格の元々高くは無い製品となります。
今回取り上げるのは「重低音サウンド」を標榜する、CLEF-Xシリーズのゴールドモデル、TH-XEC300GLとなります。
この製品の最大の特徴となるのは、本体そのものではなく装着されているイヤーピースです。ウレタン系イヤーピースの定番であるCOMPLY T-400(Mサイズ)が添付され、出荷状態で装着されているということでしょう。1ペアで800~1000円程度の高価なCOMPLYがこの価格帯の製品に同梱されていれば、大きなセールスポイントとなるのは間違いありません。
もっとも、コスト面での制約だと思うのですが、添付のCOMPLY T-400はMサイズのみであり、これが適合しない人はそもそもCOMPLYの恩恵にあずかることが出来ません。その場合には通常のシリコンイヤーピースを利用することになります。
単に中高域を減らしているだけ
それではいつも通りの試聴です。今回は以下の2台を使いました。
実は当初NW-ZX1だけを使っていたのですが、あまりにも音のバランスが悪いため、高域方向のパワー感に勝るNW-A16を追加したのです。
「重低音」というキーワードで嫌な予感はしていたのですが、予想通り中高域の量が著しく不足しています。しかもそこまでして出そうとしている低音にしても、同社製の上位モデル(ただしヴォーカル用という味付け)であるTH-PVEC600WHと比べると重量感やパワー感ではっきりと劣っていて、フラットバランスが著しく低域に寄っているだけに過ぎません。
ハウジング背面中央に空気穴が空いていて、これを利用することによって低域の量を稼いでいるのですが、逆にここを少しふさいだ方がバランスという意味ではまだマシになります。もっとも、本当に低音が出なくなりますが…。
TH-PVEC600WHも完成度という意味では今ひとつというところでしたが、一音ごとの質感などには見るべきものがあり、荒削りながら魅力がある音でした。しかしこのTH-XEC300GLは単に低音が多いというだけで何も魅力を感じないのです。
COMPLYのイヤーチップは元々高域方向が不足する傾向がありますので、念のため高域方向が増してきこえるSpin FitやPhilips Fidelio S2添付の硬質シリコンイヤーピースも試したみたのですが、意外なほど差が付きません。どうやっても中域以上の音が不足します。
強いていえば、COMPLY S-200に交換してみると高域不足は変わらないものの、中高域辺りの変な付帯音が取れて最も印象が良くなります。それでもこの音に魅力を感じるかといわれれば答えは否ですが…。
比較的低価格の「重低音」を名乗る機器にありがちな、単に「相対的に低音が多い」だけという音がこの製品の本質的な傾向ということでしょう。強いていえば今なら実売価格が極めて安いので、COMPLY T-400 Mサイズのスペアが欲しい方にはお買い得かも知れません。
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購入金額
645円
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購入日
2016年02月28日
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購入場所
ビックカメラ アウトレット
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