前回のONKYO IE-HF300に続いて、ビックカメラアウトレットで仕入れてきたインナーイヤーフォンです。
TDKブランドでオーディオアクセサリーを展開していたImationのこの事業からの撤退により、各所で処分価格が見られるようになっていました。ただ、この製品はその中でも比較的高額な製品であり、元は5千円以上クラスのものとなります。
CLEF-Premium Pre-tunedという製品は2種類出ていて、同クラスかつ同じデザインでありながら、音質傾向が異なる2機種を揃えていました。こちらのTH-PVEC600WHは「Vocal Tuning」と銘打って「繊細で芳醇な中低域を奏でる」ことを特徴としています。ちなみにもう一方となるブラック外装のTH-PMEC600BKは「Megabass Tuning」と称して「重厚感のある低域をプラス」しているそうです。
外見からするとさほど高価なモデルには見えないのですが、実はボディー部はセラミックであり見た目以上にコストはかかっているようです。セラミック製のインナーイヤーフォンと言えばSENNHEISER IE800などが有名ですね。
さすがと思う部分と残念な部分と
それでは前回同様、SONY WALKMAN NW-ZX1で試聴してみましょう。
ヴォーカル重視と言うことで、まずは「Chicago XXXVI "Now" / Chicago」から「Love Lives On」を再生してみました。
すると、確かにいつも以上に声がふくよかに聞こえ、ヴォーカルがはっきりと存在感を持つようになります。ただ、良く聴くとこれは丁度人間の声の中心となる帯域を大げさに持ち上げているというのが実態です。当然ヴォーカル中心のシンプルな曲であれば映えるのですが、バックトラックの比重が高い曲では不自然さの方が目立ってしまいます。
もっとも、ベースやバスドラムも結構しっかりと出ていますし、ハイハットなどの高域に至るまで楽器の質感は決して悪くありません。セラミックボディーが効いているのか、無駄な付帯音が無く意外なほどスッキリとした音となりますし、持ち上げているヴォーカル部分以外のバランスはなかなか良好な部類でしょう。
さらにヘッドフォンアンプの代わりにemagic emi6|2mに接続してみると、低域も高域もよりメリハリが付き、ヴォーカル帯域の持ち上げ方がNW-ZX1よりは気にならなくなります。
一音一音の質はかなり良好な方ですので、奇を衒わずごく普通の音作りをしていれば、この価格帯最強の名作になっていた可能性すら感じられます。「○○向けのチューニング」というのは、逆に言えばその分野以外にマッチしにくくなってしまうというリスクもあるわけです。
あと一歩で名作になりそうだったという意味で、非常に惜しい出来の製品といえます。今ならかなり安く手に入る可能性もありますので、ヘッドフォン・イヤフォンを何本も使い分けている方には是非一度使って欲しいと思う製品です。
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購入金額
1,812円
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購入日
2016年02月28日
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購入場所
ビックカメラ アウトレット
退会したユーザーさん
2016/03/01
白が本命だったのですが気が付いたら黒がメインになってました(笑)
ただ、両方とも今はどこに行ったことやら・・・・・・(´▽`)
jive9821さん
2016/03/01
できれば両方買ってみたかったのですが、安売りがこちらでした。
この製品を見ている限りでは、きちんとコストをかけて真っ当な音作りのモデルを出せば、かなり上質のものも作れたのではないかと思ってしまいます。TDKブランドは、どうも変に特徴的に作りすぎて損をしていたという印象です。