以前eイヤホンの試聴機処分で購入した上位モデル harman/kardon AE は既にあるのですが、同じように安売りされているとついつい手を出してしまいます。
外装デザインは基本的にほぼ同じで、配色や素材の違いで差別化が図られています。
ケーブルにはリモコンが付いていますが、これはiOSデバイス用のものとなります。個人的には動作の確認すらしていないというほど使わない機能ですが…。
なお、前回harman/kardon AEを購入したときには新品のイヤーピースセットが付属してきたのですが、今回はLサイズと思われるものが本体に装着されているだけでした。
質感のAEとバランスのNI
上位モデルのAEは、とにかく低域方向が分厚いという特徴があります。これは添付のイヤーピースの性質もあるのですが、比較的高域方向がよく出るSpin Fitを付けていてもやはり低域の分厚さは目立ちます。
こちらのNIは、まず添付のイヤーピースで聴いてみると、AEと基本的には近いバランスで、中高域の質感が落ちるという音になります。この状態で聴いている限りは、純粋にAEのグレードダウンモデルという感じを受けます。
しかし、これがイヤーピースを替えてみると、必ずしもAEに対して劣るだけの存在ではないということが判ってきます。
まず、Philips Fidelio S2添付のシリコンイヤーピース(M)を付けてみます。これはAEにSpin Fitをあてがうまで組み合わせていたものです。すると低域過多という傾向は変わらないのですが、中高域の量もある程度増すので標準状態よりもバランスは良くなります。ただ、金管楽器の音は痩せていますし、弦楽器の音も細身で鋭く感じられてしまいます。
次にSONYのノイズアイソレーションイヤーピースですが、これを付けるとかなりバランスが崩れます。高域方向の明瞭さが無くなり、そのくせ金管楽器の痩せ方などはFidelio S2添付と変わりません。
そこでAEと同じSpin Fitを試してみました。
すると少しドンシャリ気味ながら、これまでで最も聴きやすい音となります。特にハイハットの明瞭さが大きく増し、ヴォーカルや弦楽器もクリアになり、幅広いソースをカバーできるようになりました。AEと比べてもフラットな方向へと変化しています。AEはSpin Fitでも低域がまだ厚ぼったく感じられますので。
ただ、弦楽器の質感など、個々の音はやはりAEの方に分があります。AEの音はいかにもヨーロッパ的な独特の空間を感じさせるのですが、NIは全体的なバランスで上回るものの個々の楽器が安っぽく感じられてしまうのです。
例えば「Now / Chicago」などはホーンの音が少し薄くてやかましいと感じる程度なのですが、「エデン / 水樹奈々」を聴くとバックのギターの音が不快なほどやかましく聞こえます。これをAEで聴くとギターの音は空間に馴染むものの、今度はバスドラムやベースが妙に主張するという具合です。
まず標準状態ではAEのグレードダウン版と思っておいて間違いないという音ですが、Spin Fitを併用した場合には好みによってどちらが好ましいかが変わってくるといえます。電車の中で聴くのであれば低域の主張がさほど気にならなくなるAEの方が上でしょうし、周囲が静かであればバランスが整うNIの方が良く聞こえる場合もあるでしょう。
今回も購入価格がクラス不相応なものでしたので、価格の割には充分楽しめたという感想となります。ただ、通常の売価であればそれほど強くは惹かれない製品であるともいえます。
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購入金額
1,500円
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購入日
2016年02月13日
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購入場所
eイヤホン
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