新山詩織。ちょうど引っ越しでドタバタしていたあたりによく聴いていた。
♪もう戻る事の無い/昨日に未練を残して/頼りない姿の/明日の空に/叫び続けてる♪と静かに主張していた高校生の彼女にも時は流れ、もうすぐ成人を迎える。そんな彼女の十代最後のアルバム。
全曲の詞と数曲の曲を手がけ、そして特徴のある声で歌う。声楽的にすごく「上手い」わけではない、むしろ声質は「通らない」タイプで少しかすれていて基音中心の声音。でも「届く」。自分のことを自分の声で歌っているからだろうか、彼女の歌はスッと心に沁みてくる。
「sunny day」。ミュート気味のギターの刻みと線の細いチープな感じなオルガン系の音、スカスカなシンコペーション系リズムのドラムスに自由に動くベースというちょっと変わった音造り。元CHEMISTRYの堂珍嘉邦やゴスペラーズのサポート、変わったところでは“LUPIN the Third 峰不二子という女”
のプログラミングを手がけた「刺さる」キーボードセッティングで有名な?堀向彦輝の曲。やや一本調子ぎみにブレス多めで歌うAメロ、バックがメロディアスになって詩織の声も潤いを増すサビの対比が面白い。
バンドサウンドが明確な「Dear friend」。このアルバムのメンバーはギターが多少曲によって代わったり増えたりしているが、ほぼ固定のメンツで、アコギが詩織本人、キーボードがサウンドプロデューサー兼務の笹路正徳、ギターが盟友土方隆行、リズム隊がドラムス河村“カースケ”智康+ベース美久月千晴の超盤石コンビというのが基本。ハイハットのルーズな閉め方とゴリッとした音のベースが粗いグルーヴを創り出し、そこにちよっとハスキーで直線的に訴えかける詩織の声が乗って、歌詞がぶつかってくる。♪いつまでも変わらない/いまのままの二人がいい/お互いぶつかり合いながら/それでもいい~大人になる/日が来ても/You're best friend♪
中盤は詩織の作詞作曲の曲が3曲続くがそのトップが「気まぐれ」。7曲目は映画タイアップ、8曲目はシングル化されたので、この曲が一番陽の目を見ていない印象だが、一番いいような..でも今までの詩織のイメージとは違う。ちょっと異端の曲。ザクっとしたフォークファンク系の曲で、つれない想い人に対する詩織の詞がスゴイいい。この詞の世界、好きだなぁ..♪気まぐれな君に/私は追いつけない/ずっとずっと/ここにいるでしょ/携帯いじる君/つれない背中を/目の端で感じ/待っているの/ねぇ/こっちを向いてよ♪
付属のDVDには含まれる2曲のシングルのMVとそのメイキング、2014年末に行われた“guitar girls recommend”と名付けられたギター女子のライヴイベントの様子(単独ライヴではなく、他に植田真梨恵、Suzu、山崎あおい、沖ちづるが出演したらしい)。「Looking to the sky」でテレキャスを弾いてるのが新鮮。この2月に二十歳になる詩織。
そんな彼女のいろいろな「ハローグッバイ」が詰め込まれた作品です。【収録曲】
<DVD>
1. Winding Road
2. sunny day
3. 絶対
4. Dear friend
5. 好きなのに
6. 気まぐれ
7. きらきら
8. 分かってるよ Band ver.
9. しおりのR&R
10. ありがとう
11. フィルム
12. Hello
<DVD>
1. 絶対 (5th Single MV)
2. ありがとう (6th Single MV)
3. 「絶対」「ありがとう」メイキング映像
4. Looking to the sky (2014/11/15 Zepp DiverCity TOKYO Live)
5. 深夜高速 (2014/11/15 Zepp DiverCity TOKYO Live)
6. 絶対 (2014/11/15 Zepp DiverCity TOKYO Live)
「絶対」
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購入金額
3,996円
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購入日
2015年12月06日
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購入場所
山野楽器
kumagumiさん
2016/02/10
れいんさん
2016/02/10
ういー
cybercatさん
2016/02/10
cybercatさん
2016/02/10