ZOO。JRのスキーシーズンのプロモーションに乗って
出てきたダンスユニット。雪景色をバックにキレキレのダンスを魅せる彼等は大きな社会現象となり、それまで歌においては「バックダンサー」であり歌の添え物という風にしか見られていなかったダンスの価値を上げ、ダンスユニットが歌う、と言うスタイルを確立した。
そんな彼等のデビュー4年目の6枚目のアルバムにして最後のオリジナルアルバム。彼等の初期を支えた作詞佐藤ありす+作曲中西圭三のコンビは参加していないのだが(佐藤ありすは他作曲家と組んで数曲に参加)、やはり同傾向の曲が多い。しかし若干都会的なセンスが加わっているのが新しいところか。
「Angelic Dream」は「Choo Choo TRAIN」路線の彼等の王道曲。作詞は佐藤ありすだが、作曲は中山美穂や今井美樹への楽曲提供で識られる上田知華。ガッチガチの打ち込みの堅いリズムに伸びのあるSATSUKIのヴォーカルが乗る。
つづく「今日までそして明日から[included:人間なんて]」は一転してスクラッチ風のラップ曲。一部使われている断片はなんと吉田拓郎の「人間なんて」のサビの部分。電話風というかポータブルラジオをお風呂で聴いてるといるのかという感じの籠もった残響が多い音に加工されたヴォーカルが斬新。これは新機軸か?
さらに次の「エメラルド」は淡々とした打ち込みの跳ね気味のリズムに、エレピ+オルガン+クリアーめのギターのオブリで彩られるシャレオツな曲。特に名手数原進のミュートトランペットソロは夜の雰囲気を醸し出す。
全体としては「Choo Choo TRAIN」系の伸びやかなメロディに刻むリズムで踊れる曲が多いのだが、ラップありフュージョンタッチの大人の曲ありといろいろな方向性を模索している感じがうかがえる作品。「Choo Choo TRAIN」同様スキーツアーのCF曲に選ばれそこそこ街に流れた曲(「Carnival」)もあるのだが、結局彼等はこのアルバムの後シングルを1枚出しただけでほぼ1年後に活動を停止する。
その後メンバーのHIROはEXILEを立ち上げるし、初期メンバーのYU-KIはtrfのヴォーカリストとして活躍したなどこのグループの日本のダンスグループの露出度向上?に果たした役割は大きかったのだが、爆発的に売れた曲の延長線上を望む世間(制作側含む?)の呪縛から抜けられなかったのか、彼等自身は「Choo Choo TRAIN」以上のモノを生み出すことなく終わった。ただこのアルバムでは「なにか」を積み上げようとする意志が感じられる。でもやっぱり王道は外せない...「続けていくこと」の難しさを感じる作品です。
【収録曲】
1. Dance Scene
2. Carnival
3. Angelic Dream[Full Length Version]
4. 今日までそして明日から[included:人間なんて]
5. エメラルド[Full Length Version]
6. MELLOW KISS
7. Adam
8. RED ZONE
9. HERE WE GOO
10. Angelic Dream[Acoustic Mix]
11. 眠らない夜[Worldwide Mix]
「Angelic Dream」
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購入金額
3,000円
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購入日
1994年頃
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購入場所
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