以前から電車に長時間乗車する際には、ノイズキャンセリングヘッドフォンであるSONY MDR-1RNCを使っていました。
カナル型のインナーイヤーフォンなども遮音性という意味では悪くはないのですが、外部の音を極端に遮ってしまうというのはいくら電車の中であってもあまり好ましいとは思えないので、騒音以外の音(車内放送など)はむしろ明瞭に聞こえるノイズキャンセリングヘッドフォンを使うようにしているわけです。
MDR-1RNCはノイズキャンセル効果はとにかく素晴らしいものがあり、ノイズキャンセルの電源を切った途端に周囲の騒音の大きさに驚くということもしばしばあるほどです。しかしその反面音質という意味ではとにかく刺激が強く、小さめの音量で鳴らしておかないと聴き疲れする傾向の音です。折角ノイズを低減しても音楽にはあまり没入できない音質というのが最大の弱点となっています。
BOSEのQuite Comfort 3もノイズ低減効果はかなりあるのですが、音質の方があまり好みに合わず、借りて使っただけで買うことはありませんでした。
そこでノイズキャンセルが出来てリスニングにも耐えるというヘッドフォンを求めて、このharman/kardon NCを買ってみることにしました。まあ、単に安くなっていたものを買うための後付けの理由でしかないのかもしれませんが…。
正規代理店経由の品でしたので、日本語の取扱説明書や保証書が裏面に貼付されています。
ヘッドバンドは少々無骨な金属製であり、標準状態では小さめのものがセットされています。これでは小さすぎるというユーザー向けには、交換用のヘッドバンドが添付されていて、交換するように指示されています。
音質は良好だがノイズキャンセリングが…
入手直後から部屋の中ではリスニングに使っていて、これまで主に使っていたヘッドフォンのどれとも音質傾向が異なっていて、なかなか楽しめると評価していました。
harman/kardon NCは中高域の比較的狭い範囲にピークがあり、大抵の音楽を華やかに聴かせる傾向があります。大抵のソースでは心地良いのですが、シカゴのホーンの音が妙に細身に聞こえるときがあったり、fripSideの一部曲でヴォーカルが異様にハスキーに聞こえるという面もあります。これらに該当する曲でなければ、概ね快適にリスニングが楽しめるといえる音質です。
しかしこのヘッドフォンはノイズキャンセリングヘッドフォンであり、騒音の低減効果の方が問題です。実は今日初めて電車の中で使ったのですが、MDR-1RNCに慣れていた私の感覚では、正直言って「ノイズが消えない」と思ってしまったのです。
ノイズキャンセルを無効にしてみるとより周りがうるさく感じられますので、一応低減効果はある程度はあるのでしょう。しかしMDR-1RNCのように「騒音が消える」という感覚ではありませんでした。
なお、ここまで書いた音質の評価はノイズキャンセリング有効時のものです。これを無効にすると、主に低域方向がずいぶん薄くなり、高域のメリハリも減衰します。MDR-1RNCのノイズキャンセリング無効時よりはマシですが、基本的には常にノイズキャンセルを有効にしておくべきものということでしょう。
ノイズキャンセルよりもリスニングが楽しいという面を重視するのであればお薦めできますが、まずは騒音が消えて欲しいと思う方にはあまりお薦めできないというのが本音です。そのような用途であればMDR-1RNCシリーズやBOSE Quite Comfortシリーズが無難ではないかと思います。
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購入金額
10,778円
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購入日
2015年11月30日
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購入場所
ビックカメラ
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