ヨーロッパでは、モータースポーツを凌駕するかもしれない人気コンテンツ。
それが、ロードレースです。
自転車による競技で、細かなルールはあるものの。
簡潔に言うと、一番にゴールした選手もしくはその選手を擁したチームの勝利というものになります。
ロードレースの3大レースの内、ツール・ド・フランスは、聞いたこともある人が居るかな?
フランスをメインに周辺国を巻き込んで繰り広げられる、約一か月間のレースです。
世界最高峰のレースと呼ばれていて、世界一を目指すなら、これ、と日本ではいわれがち。
実際には、イタリアの選手は、同じく3大レースのジロ・デ・イタリア、スペインの選手はブエルタ・ア・エスパーニャを世界一のレースと考えていて、ツール・ド・フランス出場回避をしたりする場合もありますけれども。
自転車レースと聞いて、甘く見る勿れ。
上記の3大レースのコースは、明らかに、日本人の考える自転車の走るコースを逸脱しております。
これらのレースは日程の3分の1から半分程度に、かなりの標高を持つ山を攻略するコースが含まれております。
年度によって、ツールは、アルプス山脈の尾根を周遊するようなコースが、ジロは、アルプス山脈の最高峰的な峠を越えるコースが、ブエルタは、ピレネー山脈をぐるりと回るコースがありまして。
ゲーム内のコース図を見ると、「馬鹿じゃないの?」と思いますが、実際に選手たちが走っているというのが更に驚きです。
上記画像は、ゲーム内コース図ですね。
スタート地点が標高400m、ゴールが510mなんですが、ご覧の様にアップダウンが凄すぎます。
トータルでは、標高差4059mを獲得する、と書いてありますので、過酷さが分かるのではないでしょうか。
山岳コースの異常さは、3大レースでは顕著で、名物でもありますね。
山の斜度(100m進んで100m登るという45度の角度を100%とした数値)が10%を超えるものも珍しくない有様で、見ているだけで口が開きっぱなしになります。
山の難易度のレベル設定もおかしくて、1から4級(数字少ない程大変な山)の他に超級であるHCというランクがありまして、「ちなみにカテゴリー超級とは、四輪駆動等ではない乗用車では通行が困難な箇所という意味合いを有する。」との事。
なるほど、自重が重い自動車は無理でも、普段歩いている脚を使った軽い自転車なら、大丈夫って事か!
って、なるかよ!!!!
と、普通は思います。
そういうような山道を100年前からコースに組み込んでいる欧州の人の神経が分からない…。
はい、余談はこれ位にして、まずは、購入動機。
古くは「シャカリキ」、新しくは「弱虫ペダル」が自転車レースを扱ったコミックで、結構なブームになりまして、私もハマりました。
また、その影響でレースの中継などもされるようになり、2010年(リンク先はまとめサイトです)のあるレースの劇的なシーンなどをみると、「すげぇ」と感心して、虜になったり。
このシーンはコミック以上ですw
(その劇的なシーンの主役カンチェラーラ選手は、ペダル漕ぎで出力約1400ワット出した事があるそうです、電子レンジ動かせますね。そして、概算で、2馬力出せる人間w まあ、あだ名宇宙人ですが。
更には電動モーター付き自転車に乗っている疑惑が出る程加速したので、ネタにされて、自転車メーカーが実際にその加速力再現出来る巨大なバッテリー付き自転車を展示会に出したり、カンチェラーラがガソリンスタンドでハイオクくれ、と注文して見せたりしてましたw)
それとは別に、このゲームを実況する動画、架空戦記的な動画などもありまして、見ている内に、
「面白そう!」
と、飛びついた訳です。
用語の説明がないですし、しかも英語、壁は分厚く高いです。
一応、2012版は、日本語解説書付のディスク版が発売されていました。
しかしながら、日本語解説書とやらも。
・本家のクイックスタートガイドの範囲を出ていない。
・本家と同じく、用語の説明が殆どない。
・本家と同じく、ゲーム内のアイコンの説明も殆ど無い。
・つまり、解説書読んでも、レースの勝ち方分からないから、wiki探したよ。
という情報がありまして。
「じゃあ、安くセールしている英語版でいいじゃん」
と、購入決定。
ヘルプ的なものはあります、が、A4の紙に一枚ペロンと印刷出来るようなレベルです。
簡素である、とか、手抜き、というよりは。
「このゲームを買う君、分かっているよね? じゃあ、ま、そういう事で」
というような趣です。
おっそろしいことに、ゲーム中の選手の能力も殆ど解説されていませんw
これ単独で入手して、何も調べずに楽しめる日本人は、居ないと思います。
その位、「ロードレースを知っている前提」で作られております。
推奨スペックが低めですが、選手の3Dモデルや3Dのコースマップは結構重いので、i5-4690で32GBのメモリでも、「応答なし」でのバックグラウンド進行が、レース開始前に存在します。
まあ、これは、L2さんが身の程知らずにグラフィックや特殊効果を全部載せしているからかもしれませんが。
その為、マニュアル読んだら、普通にゲーム開始できると考えている人にとって、残念度は、MAXの5ですねー。
壁を突破して自転車レースを理解すると、面白さが溢れ出ます!
さてさて、前項では、酷い所ばかり上げました。
じゃあ、クソゲーなのか。
というと。
そうじゃあ、ないんです。
自転車レースをある程度知っている、という前提が付きますが。
レースのそれらしさを再現している感覚は、とても素晴らしいです。
能力値も、マスクデータを含めて15個程度。
選手への指示も、アタック(加速して振り切れ)、トレイン(スリップストリームを作って楽に走る陣形)を組め、トレインしつつ先頭交代(先頭走り続けると体力減り過ぎてキツイので)、他の選手の後ろにつけ(風よけにしたり、アタックされた時に追走できるようにマーク)、一定のペースで走れ(他の選手の動向気にせず走る)といった感じであんまり細かくありません。
それなのに、実際に選手が駆け引きをしたり、道中頑張り過ぎて、最後にヘタレたり、といった、実際のレースを見ているような風景が見られるのです。
これは、シミュレーション系のゲームとしては、重要な要素ですよね。
確かに、ゲームとしての快適さ、操作性というものも必要です。
けれども。
その結果として、実際のレースと乖離してしまったら、それはロードレースのゲームではないのですから。
そして、レースの雰囲気を出す、もう一つの要素として、選手やコースの描写があります。
以下の画像は、順番に、特殊効果全部盛り、影リアル化(多分)オフ、被写界深度設定オフ追加、の状態となっています。
他にも細かく調整が出来ますので、特殊効果マシマシだと見辛いのは、単純に比較用に全部オンにしただけで調整不足なL2さんに原因があります。
とはいえ、弐段目くらいの感じの効果だと、選手目線カメラにするとスピード感が凄かったり、また、参段目の状態で、並走カメラだったり、空撮カメラモードだったりにするとコースの雄大さがみれたりして感嘆するものがあります。
また、有志によるファンサイト、データベースが充実しており、無印状態では仮名な選手名がすべて実名になるデータベースに挿し替える事が出来たりします。
上記の有志データベースでは、制作の都合上、厳選されていた選手が、現役選手全員級まで増やされており、容量が9GBを越えるという状態になっていますw
選手の顔や、ジャージ、自転車のパーツ類や、コースマップまでも、根気とセンスと知識があれば、編集、あるいは創作出来てしまうので。
現実のレースの再現性に拘ったり、コミックなどのレース、キャラ再現に走ったりすることも可能です。
幾つかの要素や、処理で、こうであったなら、という部分はありますが。
自転車レースという物を再現している、という実感は確実にある、良いゲームだと思います。
2シーズン以上前のものなら、セールの適用があれば、300円位で買えるので、お試しあれ。
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購入金額
498円
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購入日
2013年頃
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購入場所
steam
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