8月26日から、e-onkyoの「ラブライブ!」楽曲のハイレゾ配信音源に、32bit/96KHz形式が加わりました。この32bitは浮動小数点(floating)ではなく整数ということで、これはアニソンとしては初の試みとのことです。
しかし、そもそもハイレゾ音源の良さを味わおうとするのであれば、通常音源の音質を知らなければ意味がありません。各所のハイレゾ音源キャンペーンをみていても、通常フォーマットとの聴き比べという観点で展開されているものは滅多に見かけないのが不思議なところです。「ハイレゾは音が良い」ということを証明するのであれば、通常フォーマットが明らかに劣っていると感じる必要があるでしょう。
というわけで、CD音源の16bit/44KHzを聴いてみようということで、CDを買ってみることにしました。
一見すると次作に当たる「μ's Best Album Best Live! Collection II」と同様の3枚組なのですが、こちらは初期楽曲のPV集などが収録されたBlu-rayが含まれていますので、CDとしては2枚組です。
楽曲の出来は「II」より良いかも
まずはオーディオ的な観点で話をしますと、「Snow halation」のように比較的オケの音数が限られている楽曲では比較的目立たないのですが、電子楽器を多用する楽曲では明らかにオーバーレベルで、ピーク部分の音が潰れてしまっています。これは録音レベルを適切に設定するだけで解決する話なのですから、制作側が気をつけなければいけない部分でしょう。
また、その弊害でもあるのですが、9人分かなりのこだわりを持って録音されているというヴォーカルトラックについても、それぞれの声がきちんと分離しません。ハイレゾ音源の試聴記を読むと「CDでは固まって聴こえたヴォーカルが分離して…」などという記述もみられるのですが、これは情報量の問題ではなく音源制作部分の問題です。確かに16bit/44.1KHzというフォーマットの情報量が十二分であるというつもりはありませんが、この音質はそれ以前の問題でしょう。ハイレゾ音源の良さと書かれている部分は、単にマスタリングの違いなのではないかと勘ぐりたくなります。
内容の方についても触れておきますが、こちらのベスト盤はTVアニメ開始よりも前に発表された楽曲を集めたものとなっています。このシリーズを代表する名曲といわれる「Snow halation」もこちらに収録されます。
最も古い「僕らのLIVE 君とのLIFE」や前述の「Snow halation」は2010年発表となっていますので、既に5年も前の曲ということになります。この頃の楽曲ではまだキャスト陣があまり極端なアニメ声を作っておらず、単純に音楽として聴いた場合には最近の楽曲よりも聞きやすいというのが本音です。
またDisc2には各メンバーのソロ楽曲が収録されていますが、少しなつかし目のJ-POP的な曲調のものもあり、またアニメ声が抑えめとなっているものも多いため、思ったよりも普通に聴けるという印象を受けました。中にはかなり厳しいものもありますが…。
収録内容のボリュームは「II」の方が上ですが、1枚のアルバムとしては意外とこちらの方がまとまっているという気がします。
ちなみに本作は一度もオリコンの週間アルバムチャートでTOP10に入ったことがないにもかかわらず、ゴールドディスクを獲得するという珍記録を達成したことでも有名だそうです。それだけ長期間コツコツと売れ続けていたということでしょう。
-
購入金額
4,127円
-
購入日
2015年09月08日
-
購入場所
Amazon
ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。