所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。カバー曲と曲のコピー。この二つはどう違うのでしょうか。一般にプロミュージシャン、アーティストが他人の曲を演じた際にはカバー、アマチュアがオリジナルではなく他の(プロ)アーティストの曲を演奏した際にはコピーと言われているのではないでしょうか。でも真の意味としては、元の作品の単なる複写(コピー)か何かを積み上げるか(カバー)という差であって演者のプロ/ノンプロの差ではないような気がします。そんなことを考えさせられた作品をご紹介します。
TAK MATSUMOTOこと松本孝弘は、ロックバンドB'zのギタリスト。B'zはヴォーカリスト稲葉浩志とのユニットで、彼の歌のオーラがスゴイので稲葉中心のグループのような感じを受けるが、サウンドプロデュースは松本。松本はギタリストとしてもLarry Carlton
との共演をこなすなど実力派で、様々な音楽活動をしている。
そんな彼のソロプロジェクト「TAK MATSUMOTO featuring ××」第二弾。第一弾は以前ご紹介したZARDの故坂井泉水とRAMJET PULLEYの松田明子をフィーチャリングした新しい分野へ挑戦したもの
だったが、今回はよりハードな曲調のものを選択して来た。
まずは山口百恵の名曲、「イミテイション・ゴールド」。う~~ん、これは新味と言うことでは...もともとこの曲は元ダウン・タウン・ブギウギ・バンド(その後竜童組等)を率いたロッカー宇崎竜童の筆による。竜童と作詞阿木燿子とのコンビは百恵の後期、当時のアイドルの双璧の一人松田聖子がカワイコちゃん路線で攻める中、一足先にオトナの雰囲気を漂わせて路線を分けて大成功させた立役者コンビ。そんな名曲を歌うは倉木麻衣。TAKと麻衣はこの名曲をどう料理したか...というが意外にふつーというか。TAKのギタープレイは熱いし、麻衣も上手くて百恵の蓮っ葉な歌い方も含めて上手く再現しているのだが...完コピの域を出ていない。これはベーシスト兼プログラマーとして参加する徳永暁人の責任?アレンジが曲のスピードが元曲よりやや速めと言うくらいしか変わっておらず、カバー曲というよりコピーという感じ。
もう一曲は伝説のバンド、カルメン・マキ&OZの「私は風」。さすがに古い曲なのでcybercatも元歌のスタジオヴァージョンを聴いたことはないのだが、こっちは同じ徳永のアレンジながら重いドラムサウンドの山木秀夫が叩き出すヘヴィシャッフルとDIMENSION
のキーボーディスト小野塚晃が彩るハモンドとピアノがへヴィなグルーヴを出しており、いいハードロックになっている。特にTAKのギターソロのバックがロック!歌うのはGARNET CROWの中村由利だが、バンドではやらないようなハードな曲に合わせて由利がドスの効いた声で押しており結構イイ感じ。全体を貫く少し古めのハード感がTAKらしくていいな。
ちょっと正直言って第一弾と比べるとややTAKらしさやフィーチャリングシンガーらしさは落ちたかな(特に表題曲)。ただ選んだ曲が良くって、元曲アレンジのままで元歌歌った歌姫をなぞった...と言うところからあまり出ていなくても、作品としての質が高いのはこっちだったりするので面白い。
ただ辛く採点すると「プロミュージシャンの本気コピー」というところからはみ出ていないンだよなー。もう少し自分たちならではのカラーを出して欲しかったなー..なんて思ったり。
質が高い作品だけにそこが残念なところです。
【収録曲】
1. イミテイション・ゴールド / TAK MATSUMOTO featuring 倉木麻衣
2. 私は風 / TAK MATSUMOTO featuring 中村由利
3. イミテイション・ゴールド (VOCAL LESS)
4. 私は風 (VOCAL LESS)
レコーディング風景と曲スポット
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購入金額
1,050円
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購入日
2003年頃
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購入場所
れいんさん
2015/09/03
cybercatさん
2015/09/03
だからメディアへの露出は少ないですけど、ライヴなんかはソコソコやっているみたいですよ。次は大きいのが来週末みたい。
北のラブリエさん
2015/09/03
マキさんはカバーするときの礼儀が云々でちょっと話題になってましたが。
cybercatさん
2015/09/03
あれは結構よかったですね。
礼儀云々の話は知りませんけれど。
北のラブリエさん
2015/09/03
マキさんが歌った(作詞も作曲もしていない)作品を誰かが歌って、その時に「挨拶もなかった!」とか言ってたような。
もうちょっと細かい情報があると思うんですけど、著作権がらみの時の話です。
なんとなくお互いのちょっとしたすれ違いなんじゃないかなと思ってました。
cybercatさん
2015/09/03
ただ著作権的にはコピーやカバーの場合は作詞者・作曲者・編曲者に権利があるんですよね(そのまま曲を流す場合は歌手も権利者です)。
ただ、自分の代表曲や作家陣が自分のために創ってくれた曲を勝手に歌われるとコノヤロとなるのはわかる気もしますがw
北のラブリエさん
2015/09/03
cybercatさん
2015/09/03
~tell me all my love's in vain