レビューメディア「ジグソー」

シンプルかつナチュラル

所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。インディーズ時代の音源というものはそのアーティストの根源を表します。既に自分たちのポジションを確立したデュオの初めの一歩をご紹介します。

コブクロ。小渕健太郎と黒田俊介の二人のユニット。ストリートで出逢い、ユニットを組んだ二人、黒田の存在感のある声に声域が広い小渕のコーラスが加わり、小渕の書いた曲を表現するのが彼等の現在まで続くスタイル。それがこのインディーズデビューアルバムから既に完成されている。

小渕のギター以外は名手中村岳のカホンだけのシンプルなバックの「ボクノイバショ」。ただ黒田と小渕のコーラスの妙はダイレクトに響く。シンプルだけにごまかしがきかない曲だが爽やかな疾走感。

G/GonB/GonE/GonFとベースが動くコードが印象的な出だしの「夢唄」。♪昨日と同じ様な空の下で/明日も同じ様な日が来るのかと/見える物全てが僕の中で/新しい何かに変わってた♪と歌われるこの曲は小渕が会社を辞めた翌日に作った歌らしい。Gの曲の中でのサビの1コード、Cmが効果的。

「ストリートのテーマ」。ストリートのノイズから始まるこの曲は彼等の原点か(ライヴ/コンサートでも永く演奏されたらしい)。まだテクニック的には結構アマチュアっぽさプンプン。でも「伝える」ということに注力しているのがいいな。♪敷かれたレールの上だけ歩いてきた奴らには/何にもわかっちゃいない/さあ立ち上がれ英雄よ/君という味方つれて/明日は笑っていけるように/君の中に眠ってる/怪物呼び起こして/あわてる腰抜けどもを/ぶっとばそうぜ!!♪

アレンジは凝っておらずストレート、テクニック的にもぬきんでているわけではない。しかし、それだけに彼等のハーモニーが直接心の奥に届く。
「KOB.CLOCK」、「SAIKO」がシャレが効いているな
「KOB.CLOCK」、「SAIKO」がシャレが効いているな
シンプルなことは「簡単」なことではなく、ナチュラルなのに印象深いということは素材が良いからなり立つ、ということを気づかせてくれる作品です。

【収録曲】
1. ボクノイバショ
2. 夢唄
3. ストリートのテーマ
4. 虹の真下
5. 遠くで・・

「ストリートのテーマ」(ライヴなのでバンドアレンジ)

  • 購入金額

    1,500円

  • 購入日

    2009年頃

  • 購入場所

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