最近なにかと話題の「ラブライブ!」。
TVアニメ化後に発表された全シングル曲を網羅したというベストアルバムです。ちなみにシリーズを代表する名曲「Snow halation」はそれ以前の曲なので収録されていません。
一見2枚組に見えるのですが、実はこのケースにCD3枚が収納されています。
片側がこのように2層構造となっているのです。
色々と特典の付いた超豪華限定盤も用意されているらしいのですが、個人的には曲が聴ければ充分ですので通常盤を購入しています。
収録内容は前述の通りアニメ化以降の全シングルとカップリング曲ですが、メンバーを3人ずつに分けた各ユニットの楽曲も含まれるほか、PS Vitaで発売されたゲーム用のリミックス曲も収録されていることから、実に全46曲ものボリュームとなっています。
良い曲は結構良い
まず先に書いておきますが、音質には期待するべきではありません。Amazon等のレビューを見てみると、これでもシングルリリース時よりは随分良くなっている曲もあるということですが、オーディオ的な楽しみを見出せるようなクオリティではありません。
最近の比較的予算をかけたアニメでは、実力のある作家陣を使って音楽的な水準が高い曲を揃えるものもあります。かつての「けいおん!」シリーズなどはその好例でしょう。
それと比べると「ラブライブ!」の楽曲は全体的にアイドル向けを強く意識しているというべきでしょう。個人的になかなか面白いと思ったのは、メンバーを3人ずつに分けて組んでいるユニット内ユニットの楽曲で、それぞれに対して明確なキャラクターを持たせているということでしょう。
特に「lily white」名義のものは完全に昭和風の懐メロを意識して作られていて、かつて「B・B クイーンズ」のコーラス隊だった「Mi-Ke」が、自身名義の曲では平成初期にも関わらず意識的にレトロ風楽曲を歌っていたのを思い出してしまいました。曲調も結構共通するものがありますし。
また「BiBi」名義のシングル「冬がくれた予感」は、本物のアイドルグループに歌わせても結構ヒットするのではないかと思える水準の曲になっていて、あっさりとゴールドディスクを獲得した(10万枚以上売った)というのも納得させられるものがあります。あまり事情を知らない人がこの曲を聴いたときに、この曲の南條愛乃(綾瀬絵里役)とfripSideのヴォーカルが同一人物だとはなかなか気付かないだろうというほどの歌い分けもさすがです。
μ's名義の曲についても程々にまとまった水準であり、露骨なアニメ声が気にならなければ充分に楽しめるものが多くあります。ただ、「Snow halation」以上の出来の曲があるかと言われると、なかなか難しいかも知れません。
それでも総合的にはアニメやスマホゲームで何となく興味を持った層が、実際にCDを手に取ってしまうだけのインパクトは充分にあったということでしょう。オリコンアルバムチャートでは1位を記録し、既に約10万枚を売り上げているそうですからね。
収録内容のボリュームを考えれば価格もまずまず良心的ですし、一度通して聴いてみたいという人が買っても損はないでしょう。
-
購入金額
3,996円
-
購入日
2015年05月27日
-
購入場所
ソフマップ
ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。