EP。アナログ自体にあった規格。そもそもアナログレコードは一部の特装盤を除けば、直径17cm(7インチ)と30cm(12インチ)の2種があり、回転数としては分速45回転と33回転(厳密には33 1/3回転)があった。一般的にはシングルには17cmの大きさに45回転が組み合わされ、アルバムには30cm径の33回転が採用された。ただ異なる組み合わせもあり、30cm径なのに45回転のものと17cm径なのに33回転のものもあった。前者は主にクラブ(当時はディスコか?)で使いやすいように曲を延長したMixが入れられて「12インチシングル」などと呼ばれた。その一方、17cmの径を採用しながら33回転を採用し、曲を多く入れるようにした規格(企画)もあった。それをEP盤(Extended Play)という。楽曲が少ないので売価が安く、海外ではかなり普及したらしいが、大きさ的に売り場でのアピール度が低く、前述の「12インチシングル」の中には長い曲を収録する目的ではなくて、曲数を入れる目的のために7インチ⇒12インチ化するものもあらわれ、そちらの方が「見栄えがする」ため、(少なくとも1980年代以降は)EP盤はあまり流行らなかった。
ただ現在は以前の流れを汲んで「シングル以上アルバム(LP)未満」のものを「EP(盤)」というらしい。知らんかった...(ミニアルバムでええやん(ボソ)
そんな言葉を使って、プロモーションされている(”さかいゆう”の音楽の魅力を伝える、初のEP盤リリース!)のが、さかいゆうの“サマーアゲインEP”。ファニーな見かけによらず(失礼!)上手い彼の歌が6曲も収められている(うち1曲は表題曲のカラオケだが)。
夏全開!の「サマーアゲイン」。♪Wow/君がずっと/君が/わわ忘れられ/なななないんだ/Wow/君ともう一度/君と/サ!サ!サ!サマゲン!/ラ!/ラ!/ラ!/ラバゲン!♪というようにサンプリングコラージュのような感じの歌詞と歌い方なのでそっちに気をとられるが、実は美しいコード展開とファンキィなバッキングを持つ佳曲。この作品の最後(6曲目)にインスト版が入っているが、ガイドメロディがないので「フュージョンかっ!」って感じの小粋な曲になっている。ギター(関口シンゴ)のミュートカッティングがきっもちえー!!
「Headphone Girl」は雰囲気としてはPharrell Williamsの「Happy」のようなソリッドなリズムのベースとトラムが目立つ淡々とした曲なのだが、なんか「暗い『Happy』」って感じ?←それは“unhappy”って言うンぢy(ry ファルセット気味のBメロ、そしてそこから低くなってサビ...というのはあんまりないかな。
ゴスペルタッチの「薔薇とローズ」は約1年前に出た5thシングルのMix違い。オルガンのバッキングとさかいのソウルフルな声がいい。どちらかといえば歌は七色の声音の方が注目され、評価はソングライティング能力の方が高いテイの彼だが、実はホントに歌がうまい。ブルース系の音階で割り切れない微妙な音をうまく使った良曲。 Boys Ⅱ Menや久保田利伸、Stevie Wonderらとの共演が有名な鬼ノリドラマーJay Stixxとラップもできるベーシスト日野JINO賢二によるゆったりとしたグルーヴがいいな。
さかいは、のだめの主題歌
や本作のタイトルチューンのようなハッピー系の曲が識られているけれど、実は亡き親友に捧げた歌
や「薔薇とローズ」のように心に刺さる曲も書く。彼の世界を垣間見たいならちょうど良いのがこのEP。ぜひ!(でもなんでミニアルバムって言わないんだr
【収録曲】
1. サマーアゲイン
2. あの夏の僕にグッバイ
3. Headphone Girl
4. 時季(とき)は巡る(Remix at big turtle STUDIOS)
5. 薔薇とローズ(Remix at big turtle STUDIOS)
6. サマーアゲイン(backing track)
「サマーアゲイン (Short Ver.)」
-
購入金額
1,500円
-
購入日
2014年12月27日
-
購入場所
フタバ図書
れいんさん
2015/06/16
cybercatさん
2015/06/16