先日、かつて彼自身が中核を支えていたバンド、TOTOの最新アルバム「TOTO XIV」の発表と前後して訃報が伝えられたベーシスト、マイク・ポーカロの唯一となるリーダー作です。
もっとも、実際の収録内容はマイクの兄、故ジェフ・ポーカロに捧げられた「Tribute to Jeff」のライブ音源をベースに、演奏やコーラスを一部足したものとなっています。
元となっているライブ音源ではマイク自身がバンドリーダーとしてベースを演奏しているのですが、後にアルバムにまとめる作業を実質的に取り仕切ったのは、プロデューサーとしてクレジットされていて、一連の「Tribute to Jeff」関連企画の発起人となっているデヴィッド・ガーフィールドであったようです。特に本格的に作業を進めていた頃には、既にマイクはALS（筋萎縮性側索硬化症）に冒されていて、演奏が出来る状況ではなかったようです。
それでもデヴィッド・ガーフィールドは1曲の編集が出来上がるごとにマイクの元に通い、全トラックが完成すると曲順に至るまで常に意見を聞いてそれを取り入れるように作業していたため、この作品はあくまでマイクのリーダー作であると述べています。
私自身以前から興味は持っていたのですが、マイクの死去の報を聞いた後で本作を入手しています。実際に聴いてみると、最も前に手に入れておくべきだったと思うだけの仕上がりでした。
敏腕ドラマーの競演
広く音楽界で尊敬を集めたジェフ・ポーカロの追悼企画ということで、このライブには大物ミュージシャンが顔を揃えました。特にこのライブはドイツで開催されたドラム・フェスティバルにタイミングを合わせて開催したため、ドラマーに関しては特に有名ミュージシャンが多く集まっています。
まず真っ先に参加を表明したのが、かつてジェフ・ポーカロが尊敬したとされる名ドラマー、スティーブ・ガッドであったようで、収録曲の大半で彼がドラムを叩いています。一部楽曲ではグレッグ・ビスオエンットとのツインドラムという形となっていますが。
その他にもポーカロ兄弟の妹の息子であるチェイス・ダディも1曲（「English Eyes」）でドラムを披露して、当時17歳ながらその腕前にTOTOのデヴィッド・ペイチが驚いたというエピソードもあったそうです。
ポーカロ兄弟の父であるジョー・ポーカロもジャズの名曲「Straight No Chaser」で叩いているほか、かつてジェフがその演奏を手本としたといわれるバーナード・パーディも、彼がかつてスティーリー・ダンのアルバムで演奏していた「Babylon Sisters」で参加しています。
ライブには不参加だったTOTOの同僚である、デヴィッド・ペイチやジョセフ・ウイリアムスもオーバーダビング時にはコーラス等で参加していて、TOTOの曲ではよりTOTOらしさを醸し出すことに成功しています。
収録曲は以下の通りとなっていて、Disc.2の方はボーナス・トラック扱いとなっているそうですが、いずれも充実した演奏と幅広い選曲で楽しませてくれます。
Disc.1
1. Rosanna
2. Manic Depression
3. Georgy Porgy
4. Lowdown
5. E Minor Shuffle
6. English Eyes
7. Human Nature
8. Straight No Chaser
9. Africa
10. Let's Stay Together
Disc.2
1. Stuffy
2. Jeff's Strut
3. Babylon Sisters
4. Big Bone
5. Corbitt Van Brauer
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購入金額
2,798円
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購入日
2015年03月28日
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購入場所
HMV ONLINE
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