“Razer Surround”は、手持ちのヘッドフォンでバーチャル7.1chサラウンド再生を可能にするソフトウェアである。バーチャルサラウンド再生を謳うソフトウェアやヘッドフォンはいくつもあるが、それらは一定の視聴条件を想定したバーチャルサラウンド再生であり、個人ごとに音の聞こえ方は違うということまでは考慮していない。そのため、音の厚みや広がりは感じられても、肝心な“音の定位”については十分に効果が得られないことがあった。
“Razer Surround”では、設定時に簡単な聞き取り設定を行い、ユーザー自身の耳の大きさや形状に応じた調整を施すことにより、従来のバーチャルサラウンドでは実現できなかった“音の定位”を再現してくれるのだ。すなわち個人に最適化されたバーチャルサラウンドを実現してくれるソフトウェアなのである。
なお、“Razer Surround”には無料版と有料版があり、無料版はバーチャルサラウンドの調整機能のみ、有料版の“Razer Surround Pro”は19.99ドルで、バーチャルサラウンドの調整機能に加え、バスブーストやイコライザ機能等が追加される。
サラウンド環境の設定は、開始のボタンを押すことで起動する調整ウィザードに沿って進めていく。
まずは音源を選択する。PCから音声出力するサウンドデバイスを選ぶ。複数表示されていて分かりにくい場合は、テストボタンを押して音が聞こえるかどうか確認すると良い。
次にヘッドセットまたはヘッドフォンを選択する。Razer製品を使っていなければ、プルダウンメニューから“Stereo Headphones”を選択すれば良い。私の場合はRazer Carichariasを選択した。
ここからはサラウンド環境の設定を行う。このソフトウェアの肝となる部分である。
下の写真では、リスナーを中心に2重の円が描かれている。外側の円周上に描かれている緑色の三角形マークがデフォルト設定のバーチャルスピーカーを表している。一方で内側の円周上にあるオレンジ色の線がユーザーが設定するバーチャルスピーカーを表している。
各スピーカーごとに視聴テストを行い、オレンジ色の線をずらすことでスピーカーの位置を調整していくのだ。人によってサラウンド感の聞こえ方が違うのだから、その人に合うようにスピーカーの位置を調整する機能があれば、正確な音の定位があるバーチャルサラウンド環境を作り出せるということなのである。
“今すぐ補正を行う”のボタンを押すとテストが開始される。まずはフロント右スピーカーの設定。 ヘッドフォンから聞こえてくる音を聞きながら、スピーカーの位置を移動させて調整する。
次にサラウンド右スピーカーの設定というように、順番にバーチャルスピーカーの位置調整を行っていく。
調整後には全体のサラウンド環境がどのように聞こえるかを確認できる。自分の周りを途中で途切れることなく線状で音が移動していくように聞こえればOK。
オーディオ調整機能とイコライザは、有料版の“Razer Surround Pro”で使用可能。
Sound Blasterなどのサウンドカードを導入していると重複する機能があるので、一方の機能をを無効にしておくと良いだろう。
このソフトウェアの優れている点は、背面(4時~8時)の音の定位が明確になることにある。無料版であっても、このソフトウェアのコアとなる“バーチャルサラウンドの調整機能”は使用できるので、FPSプレイヤーは一度試してみてはいかがだろうか。マザーボードのオンボードサウンドでゲームをプレイしている人には特におすすめしたい。また、Sound Blasterなどのサウンドカードを使用中であって、重複する機能を整理さえすれば併用できることから、より良いゲーミング環境を築くツールになるはずである。
Razer Surround Personalized 7.1 ゲーミング オーディオ ソフトウェア
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購入金額
0円
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購入日
2014年頃
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購入場所
Razerzone
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