一般的なカルテット(四人組)のバンド形態は2+2か1+1+2だ。リズム隊としてベースとドラムスがいて、その上にコード楽器(ギターやキーボード)が2つ乗っかるか、単音楽器(サックスやペット)をコード楽器が支える形を取るか..たまには1+3の形態を取ることもあって、
超絶技巧のメロディ+コード楽器担当プレイヤーがリズム隊3人を従えるという形もある。この場合ベース+ドラムス+パーカッションというリズム隊が定石だ。
でもここに普通はない組み合わせのバンドを創った男がいた。
“妖怪”水野正敏。メチャクチャ音楽の幅と顔が広いこのベーシスト、中心フィールドはジャズだが、「ど」ジャズからフュージョン、プログレもどきのインスト曲、歌ものバックまでなんでもござれ。有名どころだとポンタこと村上秀一のPONTA BOX、手数王菅沼孝三とのfragile、最近ではそのつながりで千里ちゃんとも
からんでる。
さすが凄腕ベーシスト、ドラマーからの信頼も厚く、一番行動を共にする事が多いドラマーはポンタなんだけれど、前述の手数王や村石雅行、山木秀夫など日本でのトップドラマーの数々とただセッションしました、というだけではなくパーマネントバンドを組んでいる。そんな「良く組む」凄腕ドラマーの一人が“怪獣”東原力哉。その力哉が意気投合したベーシストに元爆風スランプの江川ほーじんがいる。んじゃ、一緒にバンド組みましょう(ぉぃ とドラマー1人とベーシスト2人が集まった。うるさいドラマーと饒舌なベーシスト×2なので充分音数的にはあったが、一応上ものを...ということで力哉も水野もバンドを組んだことがある元NANIWA EXPRESSのサキソフォニスト兼ピアニスト、青柳誠を迎えて1stアルバムを出した。
...が、うるさすぎる低音に嫌気が差したのかw青柳が抜けたあとの残党が声を掛けたのが、プログレオルガニスト小川文明。
曲の傾向はガラっと変わっ...た...っけ?w
いやいや妖怪と怪獣とはひふへほーじんのアクはもっと強かったw
「Snapping Finger」。ほーじんのファンキィなスラップにティンパレスを中心とした力哉のドラム、歪んだオルガンの音でCOOLに纏める小川のバックの上?で水野の指弾きのフレットレスベースが踊る。全編を通して弾く水野のメロディっつーか隙間ない装飾音っつーかが目立つが、途中のほーじんのスラップソロはすげーな。これはほーじんの作。
ややジャズ寄りの水野の曲の中でも最もジャズよりなのが、「Come Hither」。こりゃ4ビートですがな。たしかにエレピとソロの時以外のドラムはそれっぽいンだけれど、ベースが異常に刻む水野で、ソロをとってるのがほーじんという...オイ!
つづく「Murch of Unity」は1stにはないカラー。小川作のプログレインスト。これはイントロを除いては、「いわゆるベースライン」を水野とほーじんが同時に分担しつつ弾いており低音過多!もうぶよんぶよんwwその低音に押されて?変拍子風のリズムが普通に?聞こえはじめたラストに超絶ユニゾンがあって、さすが!
スラップだけれどプッシュの時に弦を弾くほーじんの力強いベースと、何ともとらえどころのないなめらかでメロディカルな水野のフレットレスベースの速弾きが役割分担しつつ怪獣の暴走を食い止めているという構図は変わらないが、ジャズ系の青柳からプログレ系の小川になったことでイイ感じの気分転換?ができた感じ。聴くときは大音量で!w
【収録曲】
1. Nitpicker
2. Snapping Finger
3. Aurora Noise
4. So far, So Close
5. Come Hither
6. March of Unity
7. Trembling
8. Affair of the Land
-この記事を書くために調べて判明。キーボーディスト小川文明氏は昨年(2014年)逝去。ご冥福をお祈りいたします-
-
購入金額
3,000円
-
購入日
2005年頃
-
購入場所
ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。