以前から愛用していたSENNHEISER HD650用のケーブルが、またも断線してしまいました。
このケーブル、価格からは想像できないほど音は良いのですが、強度にはどうしても難があるようです。それでもコストパフォーマンスは充分優れていますので、再度購入しようとしたのですが、運送事故があったらしく予定日を大きく過ぎても手元に届きません。
購入元に連絡してみると、直ぐに返金には応じていただけたのですが、どのみち再度購入手続きをしても手元に到着するまでには結構時間がかかりますので、秋葉原のeイヤホンに行きその場で在庫のあるケーブルを買うことに。
1万円前後又はそれ以下という価格帯で在庫を探したところ、見つかったのは新品のオヤイデ HPC-63HDX V2か、中古のFURUTECH iHP-35Sかという二択となりました。
HPC-63HDX V2については、先代のHPC-62HDX(導体がPCOCC-A。現行品は102SSC)を以前使っていましたし、iHP-35SはXLR 3Pin×2のバランス接続版であるiHP-35S/XLRを持っていますので、大まかな傾向は掴めています。
正直言って、HPC-62HDXは断線してしまったPCCITY製のケーブルと比べても音質的には不利でしたので、それほど大きく次元が変わらないHPC-63HDX V2を選ぶつもりはありませんでした。そうなると自動的にiHP-35Sに絞られてくるため、これを素直に購入してきました。
FURUTECHは基本的にロジウムメッキプラグを使う傾向があり、この製品もやはりロジウムメッキのプラグです。
ヘッドフォン側のコネクターは外観上ごく普通のものですが、こちらもロジウムメッキが施されているとのことです。
ケーブルはADL(Alpha Design Labs)のブランド名が付いた自社製のAHD-35というものが使われています。FURUTECH α処理というクライオ処理+強磁界処理を施しているらしいですが、この辺りはどの程度効果があるのか判りません。導体はOCC、シールドはOFC材をそれぞれ使っているとのことです。
突出したものはないが手堅いHi-Fiサウンド
それでは早速HD650と組み合わせてみましょう。
はっきり言って見た目は安っぽいです。HD650向けのケーブルとしてはそれほど高価な製品ではありませんが、それでも1万円は優に超えるケーブルですので、もう少し高級感があってもとは思います。
音質については、常用環境であるFOSTEX HP-A8との組み合わせで試聴しています。
第一印象としては手堅いHi-Fiサウンドというものです。割合バランス的にはフラットですが、高域方向がやや神経質なほど細かくなる面があります。
細身の外観に反して低域は意外と厚みも力感もありますが、PCCITYのケーブルと比べるとやや中低域辺りがあっさりとしていて少し淡泊に感じることがあります。音場はごく普通に拡がり、特に広くも狭くもありません。
例えば「The Nightfly / Donald Fagen」のようにオーディオ的に質の高い音を素直に楽しめる良さはあるのですが、「Virtuoso / David Garrett」ではヴァイオリンの音色に少し神経質さが覗くことがあります。まあ、概ね質の高いHi-Fiサウンドと評して良いでしょう。
ただ、情感や生々しさがやや控えめに感じられますので、HD650本来の持ち味が若干損なわれる部分はあるかも知れません。HD650で標準よりはもう少し緻密な音にしたいというのであれば適したケーブルですが、HD650ならではのリスニング向きの音が気に入っているという方はこのケーブルは合わないかも知れません。
今回は実売価格の問題で、これしか選択肢がない状況でしたので、納得して買っているのですが、選択の余地があればもう少し違ったケーブルも使って見たいと思います。
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購入金額
8,490円
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購入日
2019年05月25日
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購入場所
eイヤホン
harmankardonさん
2019/06/07
ケーブルを変えると解像度は上がってもバランスが悪くなるケーブルが多いです.
jive9821さん
2019/06/07
純正品は中域の質感などは下手な他社製より良いのですが、可聴範囲の両端が弱いかなと感じます。解像感が無く音が埋もれてしまう感じで…。
以前使ったオヤイデのケーブルは、高域方向は良いのですが、中低域が痩せてしまってHD650の良さがかなり損なわれる傾向があり、ほぼ自動的にFURUTECHとなりました。取り敢えずは納得して使っていますが、多分そのうちまた交換したくなるだろうと思っています…。