これまで、Raspberry Piシリーズのもちもの登録として、B.Rev1/A+/B+を登録してきました。
残るはRaspberry Pi 2 Model B(以下、2B)です。
※B.Rev2については単体ではないパッケージで購入していますので、別途もちもの登録します。
外観としては、B+を踏襲し、ICの追加・配置が異なる程度で、ほぼ同じです。
コネクタや外部I/Fの位置が変わらないため、B+用に準備されたエンクロージャ(ケース)も、ほとんどが2Bでも使用可能です。
しかし、スペックは格段に性能アップしています。
まず、CPUはコア数が1→4になったのに加え、コアがARMv6→Cortex-A7に刷新されています。
クロックについては700MHz→900MHzと向上したいう記述がありますが、正確には2Bでは動作状況に応じて600MHz~900MHzと可変するが正解だと認識しています。
CPU内蔵のGPUは変わらず(?)互換性を維持していますが、VFPのバージョンアップに加え、NEON命令がサポートされ、最適化したコードではさらに高速化が期待できます。
メモリはこれまでCPUに内蔵された256MB or 512MBでしたが、外付けLPDDR2 SDRAMで1GBに倍増しています。
スペック的な話をするより、体感した方がその違いは分かり易いかと思います。
B+までだと、Xを立上げブラウザを立ち上げても、起動やレンダリング(読み込み・表示)に時間がかかっている感が否めませんでした。
2Bになると、その時間が格段に短くなったことが感じられます。
快適にとは言えないまでも、これまで設定を変えるためにPCで検索してRaspberryPiに反映して、と並行で使用していたものが、ちょっとしたことなら2B上のブラウザで検索しまうくらい使えるようにはなりました。
B+の記事でも触れましたが、性能アップと引き換えに消費電力は上昇しています。
B(700mA)→B+(600mA)で低下したものが、B+→2B(900mA)と+50%の増加しました。
現段階で、私は、2Bで外部デバイスを動かそうとは思っていませんが、外部デバイスへの電源供給の余力が減ったことになります。
もう一つ、気を付けなければならないのが、2Bとそれ未満で、互換性維持と言いつつバイナリが異なるということです。
CPUが同じARMアーキテクチャであるものの、構成が変わったので当然と言えば当然です。
Raspbian(Raspberry Pi向けDebian)のSDカードの起動ドライブを見ると「kernel.img」と「kernel7.img」が存在することが分かります。前者が2Bより前、後者が2B用になります。
前に使っていたSDが2Bで起動できないといった場合は、古いSDイメージを使っている可能性があります。
同様に、カーネルをビルドする際、2Bより前の基板で動作しているconfig.gzを流用してビルドすると、2Bでは動作しないことになります。
私がハマった点は、2B動作中のconfig.gzを持ってきてカスタマイズ&ビルドし、SDのカーネルを更新。しかし、カスタマイズが反映されていません。
そもそもカーネルが切り替わっていません。なぜ?
原因は初歩的なものでした。バイナリをkernel.img(2B未満用のカーネル)として保存していたのです。(初期状態で)2Bはkernel7.imgを読み込みますので、それを書き換えないといけなかったわけです。
現在は、SDカードを2Bとそれ以外で共用することがないため、config.txtにkernelオプションを加えて、ファイル名を固定してこの初歩的ミスを回避しています(忘れて後に混乱しそうですが)。
毎回、買ってしまったボードのその用途についてコメントしてきましたが、さて、この基板では何をやりましょう?
すでに2Bは2台持っており、そのスペックに魅せられて、明確な用途も決まらないまま、もう1台買おうとしています。
上記の通り、周辺は変わらずCPU周辺(内部)のグレードアップですので、例えば動画エンコード・各種サーバ・さまざまな計算等、PC的用途側が強化されていることになります。
そういう意味では、動体検知カメラの処理速度が上がることは期待できます。が、動体検知の監視カメラは、B+にその用途を任せるつもりです。
まず1台目、これはサーバとして仮稼動中です。
サーバとしてはHTTP/SAMBA(ローカルwebサーバ・ファイル共有)等に加えて、ネットワークゲーム「マインクラフト(以下、マイクラ)」のサーバ(外部限定公開)を立ち上げています。
とあるコミュニティで「常時稼働できるサーバが欲しい」という話があり、調べてみるとRaspberry Piで運用している人がいたのです。
「2B未満の基板では遅くてストレスが溜まるが、2Bになったら格段に!」という情報を知り、2Bがどれほどのスペックかのテストを兼ねて立ち上げることにしました。
PCより断然低消費電力で、cron(スケジューラ)で定期バックアップも取れる、を謳い文句にしたサーバです(見つけた情報流用の他力本願)。
ただし!私自身はマイクラをやったことがありませんし、立ち上げたものの誰も使用していない無人のサーバになっています(スペックテストになっていません)。
2台目はというと...カッコよく言えば、オールラウンダとして活躍しています。
要は、用途が決まらないまま、色んな使い方をしています。各種OSイメージをとっかえひっかえ、“外部デバイスを使わない”と言いつつUSBデバイスの動作確認・ポート入出力のテスト、等々その時々の実験台になっています。
ただ、やりたいことはあります。実験もその踏み台です。ですので、実験用基板の他に、最終的にはもう一台買いたいと思っているわけです。
ここまで書いて、まだ書いていないことがあります。それは2Bになって新しいOSがサポートされたことです。「Ubuntu」と「Windows10 IoT」です。
Ubuntuについては2B未満でも、派生版を動かしていた人はいたようです。ただ、2Bになって正式サポートされ、実際に動作させるとまさにPCライクに使えます。
そして、誰もが気になったWindows10ですが、これは...PCで動作するWindowsをイメージしてしまうと、全くそれとは異なるものです。
あくまで「マイコンにWindowsプラットホームを載せた」というだけで、デスクトップ(ランチャ)が準備されているわけではなく、自分でアプリを作る必要があるのです。
配布されているイメージをSDに書き込み起動すると、リッチなサンブル画面が立ち上がるだけで、何かできるわけではありません。
さらに、そのサンプル画面を操作した限りでは、マウスカーソルも飛び飛びで、仮にデスクトップアプリを作ってPCライクに使おうとしても、実用には向かないと思います(プレビュー版で確認したので正式版でどうなっているか?)。
例えば「電子掲示板」のようなものを作るなら良いでしょうが、ユーザ操作が絡むようなものには向かないと感じました(タッチパネルならどうだろうか?)。
というわけで、上記2台目は、PCライク+αで使う場合はUbuntu、サーバ・デバイス実験に使う場合はRaspbian、というような使い分けをし、Windowsからは一旦離れています。
Androidについても動作させている人が見受けられますが、チューニング不十分のためか、重すぎて使用に耐えないということで、私は今のところ手を出していません(一度は出した)。
当初、“$30PC”と呼ばれて話題になり発売されたものの、実際にはPCではなく玄人向けのマイコンボードという印象が否めなかったRaspberry Piも大分洗練され、構成次第では本当にPCライクに使うこともできるようになってきました。
Windows・Android等の名の知れたOSが実用的に動くわけではないものの、様々なOSが参戦し、ボードが更に強化され、対応周辺デバイスも増えるでしょうから、今後が更に楽しみです。
Raspberry Pi3が登場すれば...財布がさみしくなることは必至です(汗
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購入金額
4,200円
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購入日
2015年頃
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購入場所
ヤフオク・RS-Online(\4,500くらいだったかな?)
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