レビューメディア「ジグソー」

ゲームのバックに流れたら、音楽に気を取られてミスるかもしれん。それほど完成度が高い。

所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。ゲームにとってBGMは結構重要な要素です。RPGではその設定場面の雰囲気も表しますし、シューティングゲームでは音楽の変化で敵の出現を予見できたりもします。ターン制ストラテジーゲームとも恋愛シミュレーションゲームともいわれる新ジャンルのゲームを飾る音楽をご紹介します。

艦これ、こと「艦隊これくしょん」。オンラインの戦闘ゲームながら、登場艦船を擬人化し集める楽しみも付加したゲーム。いままで敵方にキャラクターを使い、ダメージを与えていくと装甲=衣服がダメージを受け○○となる...というゲームは結構あったが、味方が破損した時もそうなる、というのが面白い?...とはいえアダルトゲームではないのでその壊れ方は大げさなものではない(一応規約で艦これ提供元のDMMのオンラインゲームは18歳以下は利用者資格がないらしいが)。ただ撃破時にその擬人化された艦船(艦むす)がしゃべるセリフに萌えるというプレイヤー(提督と呼ぶらしい)も多いようだが。

これをやるために低価格な小型Winタブレットが売れたとか、小さい画面のスマホから大画面スマホへの転換が進んだとか(スマホでは標準プラウザだとできないが、いくつかの対応ブラウザならできるらしい)、国民現象にもなっているヒットゲームだが、cybercatはやっていない。その収集性の高いゲーム内容や艦むすの同型艦の多さを考えると、コレクター兼コンプリーターであるcybercatがやり始めるとのめり込みそうで、取り舵いっぱいで全力回避しているというかw

で、ゲームの方は一定の距離を置けているのだが、その音楽への出会いは別の方面からやってきた。先日ご紹介した動画サイトを中心に活動するピアニスト、「紅い流星」。

彼は東京アクティブNEETsというサークルに所属している。同じく紅い流星がリーダーを務めるインストバンド[mint]とかなりかぶっているが、「東方爆音ジャズ」シリーズをコミケなどで定期的に発表するサークルであり、他にも多くのメンバーが在籍する。とはいっても以前は紅い流星と同じくニコ動に「演奏してみた」を多く投稿していた「2段階右折の人」との双頭体制といった風情だったが、後者は2015年2月現在1年ほど投稿が途絶えており、東京アクティブNEETsは紅い流星のサークルと言ってもよいような形になってきている。

その東京アクティブNEETsに所属するアレンジャー「いんどなめこ」がアレンジを手掛けた作品がオーケストラアレンジの艦これ関連CD。音楽ジャンルの中ではクラシック系の楽曲をもっとも聴かないcybercatは当初あまり関心がなかったのだが、先日おものだちの日記にコメントした際にしっかり聴いてみると結構よかった。そこで委託販売をしている店の近くまで行く用事があったので、ついでに購入してみた。

元がゲーム音楽なので、クラシック風とはいうものの親しみやすい旋律が流れ、敷居はとても低い。

「冬の抜錨!」。高揚感あるテーマが奏でられる。打楽器多めの編成で演奏されるが、その中でもマーチング風のスネアドラムの勇壮さと4台のティンパニの雄大さが盛り上げる。でも意外にスレイベル(いわゆる鈴)が効いている。「いっくぞー!」てな感じ?

ゲームに詳しくないので正確ではないかもしれないが、いかにも戦闘音楽!という感じの「次発装填、再突入!」。イントロのスリリングなストリングスの盛り上がり方に比べて、テーマに入ると意外に久石譲にも通じる日本的メロディー。そのイメージからフルートの調べが日本の横笛にも聴こえる。出番は少ないけどオーボエがいい仕事しているなー。

ラストはラスボス感あふれる「弐幕..運命の5分間」。放たれた大砲のように「カンッ!カンッ!」と切り込むスネアのリムショット、途中2回ピアノだけになる部分のハッとさせられる落差...そしてなによりストリングス隊がいい仕事してる。音階を上下する抑揚のあるフレーズで緊張感を、高音の寄せては返すようなうねりで寂寥感を、低音の響きで恐怖感をうまく表しており、変幻自在!

ゲームの情景が目に見えるような作品で、実際のゲームはニコ生で中継されているものを数度流し見しただけのcybercatでも、敵との戦闘シーンが思い浮かぶようなダイナミックで高揚感あふれるもの。個別のプレイヤーのクレジットはないが、演奏技術も非常に高く普段は有名楽団に所属していても何の不思議もないメンツ。

これは実は「第二次艦隊フィルハーモニー交響楽団」の名の通り、交響アクティブNEETsが手掛ける艦これの交響楽団バージョンとしては2作目(他にJAZZバージョンもある)。ほぼ間違いなく1作目に手を出しそうな勢いで違う方向にコンプリートしそうw

ジャケット以外の画はかーいい2頭身タイプ
ジャケット以外の画はかーいい2頭身タイプ

...いやゲームの方はやりませんってば(^^ゞ

【収録曲】
1. 冬の抜錨!
2. 海上護衛戦
3. 飛龍の反撃
4. 二水戦の航跡
5. 次発装填、再突入!
6. 壱幕..MI作戦発動
7. 弐幕..運命の5分間

「アルバムダイジェスト」

※YouTubeの方が音が良いので、そちらを貼ったけれど、各提督の思い出(艦むすのセリフや使った艦船の述懐)が画面を埋め尽くすニコ動のものも捨てがたいw

  • 購入金額

    1,542円

  • 購入日

    2015年02月01日

  • 購入場所

    メロンブックス

18人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (10)

  • 退会したユーザーさん

    2015/02/05

    きっぱり否定すればするほど
    どっぷりとはまっていくという罠・・

    艦コレにはおおきなフィギュアも待ってまつ(--V
  • cybercatさん

    2015/02/05

    いまんところ両舷全速で回避中ですww
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