独自形状の端子を採用していて、サードパーティー製の交換ケーブルがあまり期待できないオーディオテクニカ製インナーイヤーフォン、ATH-IMシリーズ。しかし、このNOBUNAGA LABS TR-IM3はそのような状況で発売されていながら、実売価格3千円程度という、極めてリーズナブルな価格で発売されているという、ATH-IMシリーズのユーザーにとっての救世主的存在となっています。
少し前にATH-IM02を購入して、結構満足して使ってはいたのですが、もう少し細かい部分で改善できればもっと満足度も高くなるのに、と感じていた部分があります。
高域方向のキレなどはかなり素晴らしいものがあるのですが、少し刺激が強すぎること、また存在が際立っている高域ですが、その透明感ももう一歩と感じてしまうという点です。低域方向は少し控えめですが、このモデルで無理に低域を稼いでも独特の魅力は損なわれてしまうでしょうから、ここはさほど気にしていませんでした。
そこで以前から試してみたかったのが、このケーブルを使ったリケーブルでした。ただ、標準添付のケーブルはいわゆるシュア掛けすることを前提にしているのですが、TR-IM3はケーブルにテンションがなく、シュア掛けが困難になっていました。
以前NanaMinoさんがその点についてレビュー内で言及されていて、イヤーフックを利用してその点をクリアしていらっしゃいましたので、私もTR-IM3購入時に併せてイヤーフックを購入することを考えていました。
ところが先日気まぐれで買ったこの製品がその問題も解消してくれました。
この製品の添付品として、イヤーフックが同梱されていたのです。200円で買ってこんなおまけが付いてくるのですから素晴らしいですね。
別件で秋葉原に行ったついでにeイヤホンに寄り、TR-IM3を買おうとしたのですが、その前に中古コーナーを覗いてみると、そのTR-IM3が中古で出ていたのです。見た目も充分美品でしたので、予定を変更して中古で購入してきました。
リケーブルの意義をしっかりと見出せる音質
早速、TR-IM3へのリケーブルとイヤーフックの取り付けを行います。
サードパーティー製ながら着脱もスムーズで、安価な割には精度も高いという印象でした。
ちなみにATH-IM02のイヤーピースも、BYZ K6添付のものに変更しました。このイヤーピースは少し指向性が弱まる傾向があり、標準状態では鋭さを感じるATH-IM02の音が少しマイルドな方向に変化するのです。
標準ケーブルと比較すると、少し力感や野性味が大人しくなるのですが、高域方向の透明度は向上しますし、角が少しだけ丸くなるという印象を受けます。ATH-IM02のじゃじゃ馬感が少しだけ弱まり、品が良くなるという変化です。
イヤーピースの交換までも含めた総合的な効果で、ATH-IM02らしさは残しつつも聞き易さが確実に向上しました。この音にもう少し低域方向の馬力が加われば、私の好みの音にかなり迫るというところまで来ています。もっとも、これ以上を望むのであればATH-IM02以外のモデルを使うことになるのでしょうが…。
交換用のケーブルとしてはかなり安価な部類の製品でありながら、音質的にはっきりとしたメリットを見出せるというのは、TR-IM3の素晴らしい点ではないでしょうか。より高価な品でもなかなかこうはいかないという程度には、リケーブルの意味を理解させてくれる製品です。
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購入金額
1,990円
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購入日
2015年12月20日
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購入場所
eイヤホン
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