所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。アーティストが流れを変えたいときってあるのかもしれません。特に、自分のカラーと制作側のベクトルが微妙にずれているときなどはそう思うのかもしれません。デビュー以来同じプロデューサーのもとでそのプロデューサーの創った作品を歌ってきたシンガーが、袂を分かつときの最後の作品をご紹介します。
稀代のサウンドクリエイター、MONDO GROSSOこと大沢伸一の全面プロデュースを受けてデビューした歌姫bird。当初
そのダンサブルで、強くビートを感じる2ステップ系のソウル~J-POPといった楽曲の2ヶ月おきくらいの怒濤のシングルカット攻勢でCD屋での露出も多かったと思う。その頃の印象が非常に強く、また彼女の最大のヒット作である“空の瞳”
もこの時期に含まれるので、初期のbird=MONDO GROSSOというイメージが強いが、実は活動期間としてはさほどに長くない。デビューシングル“SOULS”からこの“桜”までのわずか2年間がその共同製作の時間だ。
彼女は2015年現在も活動を続けているし、アルバムも2013年には2作も出すほど活発な活動をしているが、シングルとしては2015年1月現在23枚で、この2001年に出された“桜”が11枚目のシングルというのだから、最初の2年がいかに凝縮した2年だったかがわかる(彼女が、あるいは事務所の方向性がシングル=単発ヒット重視の攻め方からアルバムアーティストとして確たる位置を掴む、と言う方向に変わったのかもしれないけれど)。
そんな彼女の「初期の最後」に位置づけられるのが本作、“桜”。それまでと同じように「作詞:bird、作曲:大沢伸一」のコンビなのだが、それまでとは少し違う感じ。
もともと大沢の音楽性は広く、クラブミュージックと言われるくくりのものは広く手掛けるが、それまでbirdとのコンビではソウルやボサ、アシッドといった方向性で攻めていた。それが今回はレゲエ調でさらに胡弓が加わるという意外性。かなりアーシィ。
1曲目の「桜(Single Mix)」の方は淡々と進むレゲエ風のギターのバッキングに胡弓の調べが美しい。鈍いカスタネットのような音で入るバックビートとオリエンタルな胡弓の音色がミスマッチの妙。
「桜(Mad Professor's Lovers Rock Dub)」は「Lovers」とついているがごとくまさにラヴァーズ系レゲエ。ギターのカッティングがディレイで繰り返され、胡弓にフィードバックがかかってプチプチ切れるような加工がされている、ふわふわととらえどころのない幻想的なミックスはダブ、ラヴァーズ・レゲエの巨匠Mad Professorならでは。
このシングルが出た時は単に2ndアルバム“MINDTRAVEL”
からのシングルカット、としか思わなかったけれど、振り返ってみるとbird-大沢コンビの最後の作品。
怒濤のシングルカット攻勢でほとんどタマがなくなっていたとはいうものの、この大沢のカラーの振れ幅の中でも異端なレイドバックしたレゲエをもってきたあたりが、彼女の「違うところに行きたい」という想いを表している...と思うのは考えすぎだろうか。そんなことを思ってしまう作品です。
【収録曲】
1. 桜(Single Mix)
2. 桜(Mad Professor's Lovers Rock Dub)
3. 桜(Single Mix)Instrumental
「桜」
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購入金額
1,020円
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購入日
2001年頃
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購入場所
退会したユーザーさん
2015/01/22
中身もしゃれてまつねぃ(・・
cybercatさん
2015/01/22
Amazonの写真は「bird」という文字を正位置においているので、90°傾いてしまってワケわからんですがw
中身も桜色一色できれいです。
ただピンク地に白抜き文字の歌詞はとてつもなく読みづらい←それは老g(ry
白輝望さん
2015/01/22
cybercatさん
2015/01/22
「サクラ」という音でくくると、J-POPだけでも川本真琴の「桜」、ファンモンの「桜」にコブクロのそれ、ひらがなで「さくら」は森山直太郎の独唱。「SAKURA」とローマ字表記になると、175Rにいきものかがり...(まだあるかも)
「サクラ」が題名に入ったものまで含めると、「十年桜」や「桜坂」、「SAKURAドロップス」等々メチャメチャありますね。
それだけこの花とこの花が代表する季節、行事が日本人に愛されているのでしょうね。