bird。ここのところアルバム中心の作品発表となっているが、初期は怒濤のようにシングルを繰り出していた女性シンガー。最初期の2年ほどはほぼ2~3ヶ月ごとというアイドル並みの急ピッチでシングルリリースがされていた。それを支えたのは彼女の初期一貫してプロデュースした、MONDO GROSSOこと大沢伸一。多くの曲を彼が書き、birdが詞をつける形で、カラーが一定の楽曲が送り出された。
その彼女の最大のヒットがこの曲、「空の瞳」(オリコン14位)。このヒットは疾走感溢れる曲調と特徴的なbirdの声、大沢のCOOLでダンサブルな音造りもあったが、CF曲として印象的な映像とともに何度も放映されたことも大きい。
その「空の瞳」。今は亡きトヨタセリカのCF曲。ミュージシャンとしても活躍するVincent Galloが出演するCF、"LIVE,LOVE,DRIVE"のキャッチフレーズのバックに流れていた。クラベスのツースリーと初期birdをプロデュースした大沢伸一の印象的なベースラインが前へ、前へと引っぱる曲。大沢はクラブ系のDJ、リミキサーでもあるので打ち込みを多用するのだが、この曲ではブラスを生にしているところはツボをおさえている。birdは難しいリズムの上を違う符割りのメロディで泳いでいるが、イイノリ!
「空の瞳(Sakura Hills Disco 3000 Jazz Disco Mix) 」は、表題曲で一番印象的だったクラベスのツースリーをはじめ、大沢のベースライン、ブラスのオブリを全部取ってしまったという大胆なリミックス。代わりに古川初穂のジャジィなピアノ、納浩一のウッベ、田中義人のジャズファンクなギターカッティングにゴージャスにストリングスが絡む。元曲の疾走感は失われていないのだが、何かから逃げているようなせき立てられるような印象の元曲に比べて、海辺を流して走っているような爽快感がある。
「君の音が聴こえる場所へ(Murphy’s 45 minutes Mix)」は本作の直前にリリースされた3rdシングルの表題曲のリミックス。クラベスとスネア中心のリズムからシェイカーとリムショット中心になって静かな感じに。通しで入っていたコードをバーンと入れていたピアノがなくなり、エレピとギターが目立つアレンジに。中間部のピアノソロは大沢自身によるギターソロに差し替えられているが、ジャジィでイイ感じだ。ホントこの人、器用だなー。
Vincent Galloの女性とキスしながら疾走する映像が、この音楽のリズムと強く結びついている。音楽に注目するときは映像のアシストがある場合もあるな、と感じた作品。こういった相乗効果があるようなCFって素晴らしい、と感じた作品です。
【収録曲】
1. 空の瞳
2. リコリス
3. 空の瞳(Sakura Hills Disco 3000 Jazz Disco Mix)
4. 君の音が聴こえる場所へ(Murphy’s 45 minutes Mix)
「空の瞳」
「空の瞳(Sakura Hills Disco 3000 Jazz Disco Mix)」
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購入金額
1,200円
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購入日
1999年頃
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購入場所
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