レビューメディア「ジグソー」

「サントラ男」ケニー・ロギンスの頂点

かつてヒット曲を連発し、「お化けサントラ」と称された「Footloose」のサウンドトラックで同名の主題歌を提供し、自身最大のヒットを記録したケニー・ロギンスが、再度主題歌を担当してシングル・アルバム共に大ヒットを記録することとなった作品です。

収録曲は次の通りです。

Side A
1.デンジャー・ゾーン / ケニー・ロギンス
2.マイティ・ウィングス / チープ・トリック
3.真昼のゲーム / ケニー・ロギンス
4.リード・ミー・オン / ティーナ・マリー
5.愛は吐息のように / ベルリン

Side B
1.ホット・サマー・ナイト / マイアミ・サウンド・マシーン
2.ヘブン・イン・ユア・アイズ / ラヴァーボーイ
3.炎をぬけて / ラリー・グリーン
4.行き先のない旅 / マリータ
5.トップガン~賛美の世界~ / ハロルド・フォルターメイヤー&スティーヴ・スティーヴンス

結果として「愛は吐息のように / ベルリン」が全米1位、「デンジャー・ゾーン / ケニー・ロギンス」が全米2位という大ヒット曲となり、このアルバム自体も全米1位を記録することとなります。ケニー・ロギンスはもう1曲「真昼のゲーム」も提供していて、こちらもヒットを記録します。(チャート成績はいずれも米ビルボード誌のものとなります)

主題歌となったデンジャー・ゾーンは、実は当初TOTOが演奏する予定となっていたらしいのですが、権利関係で問題が発生して頓挫。その後ブライアン・アダムスやREOスピードワゴンなども候補となりますが、最終的にはケニー・ロギンスが担当して前述の通りのヒットを記録し、結果としてケニー・ロギンス自身も「サントラ男」としての地位を確立することとなります。

本作は1986年発表で、既にCDが随分普及し始めていてLP盤の方はあまり馴染みがないままでしたが、先日たまたま比較的安く売られていたため、試しに買ってみました。

当時のCD盤ももちろん持っていますが、この時期のCDは音質的にあまり褒められたものではないものも多く、このサントラもLP盤と比べると解像度や生々しさなど随分落ちるように思います。LPの方も決してオーディオ的に優れたものではないのですが、CDの方が全ての音が曖昧なように感じられてしまいます。

本作はCDでは1999年にスペシャル・エディションが、2006年にはデラックス・エディションがそれぞれ発売され、追加トラックが収録されますが、これは「真昼のゲーム」の12インチ・リミックス版以外は劇中で使われた(らしい)有名曲が追加されているだけであり、敢えて買い直すほどではないかと思っています。

いずれにしても、映画は特に楽しめなかったのですが、このサントラは力の注がれように見合った充実した作品だと思います。
  • 購入金額

    216円

  • 購入日

    2014年11月14日

  • 購入場所

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