レビューメディア「ジグソー」

ガバッ、ベロベロン、バシャッ! の「一撮入魂!」カメラ

20世紀後半に活躍した6×7cm判の一眼レフ銀塩フィルムカメラです。

※少々マニアックですが、私自身プロのカメラマンだったことは一度もありません^_^;


全く洒落っ気のない無骨な男のカメラといった感じです。
左下の板は「引きフタ」です。これを抜かないとシャッターが切れません。


 1970年前半に作られた製品で、最初期のものだと思います。
こちらは新品購入ではなく、知人から受け継いだもので、主にブツ撮りに使っていました。


この時代のプロダクトってエンブレムひとつ取っても立体的でコストも掛かってますよね。


 1990年代には仕事で普通に使っていましたが、途中から645シリーズに乗り換えたのでカメラケースの中で長い間眠っていました。

 

■これがデカいの何のって...
 RB67は電池不要のモデルなので、電池切れの心配なくいつでも安心して使えるのが魅力でした。外観はかなりボロくなってしまいましたが、現在でもフィルムを入れれば普通に撮影できる筈です。

それにしても、かなりデカいです。

コンパクトである必要もないのですけど、ここまでデカいと途方に暮れますね^_^;


デザインされた美しさ、、、ではなく、


そう、機能美というヤツですね^_^;


大きさ感が伝わりましたでしょうか?
ちなみに一番手前がポケットに入らないシグマのDP2sです^_^;

■全手動という潔さ...
 今のカメラと違って、全て自分でやらなければならないので、ある程度は写真の知識がないと扱えないという代物でした。


・フィルムの巻き上げはホルダー側にあるレバーを使用します。
・ミラーダウン(シャッターのチャージ)は側面のレバーで操作します。
・絞り、シャッター速度はレンズのダイヤルで決定します。
・ビント合わせは両側面のダイヤルを回して行います。
・フィルムホルダーの引きフタを抜かないとシャッターが切れません。
・カメラ前面下部のボタンでシャッターを切ります。

・縦横のレイアウトはカメラはそのままでパックだけを回転させます。
・別途露出計を用意して被写体周りの露出を測る必要があります。


露出計、細かい使い方を忘れましたw


 まぁ、覚えてしまえば、どうということは無いのですが、久しぶりに取り出してみたら、すっかり使い方を忘れていました^_^;

 上から覗き込むウエストレベルファインダーは今見ても変わった感じがしますが、それよりもプリズムの無い一眼レフなので、像が反転(鏡像)しているというところに戸惑うかも知れません。慣れないと左右を間違えたりして構図合わせに時間がかかったりします(今まさにその状態)^_^;


見え方に慣れが必要なウエストレベルファインダー、仕舞うのにも若干コツがあります^_^;


 フィルムの巻き上げとミラーダウン(シャッターチャージ)は、慣れるとスピーディに行えますし、写真を撮っているという実感が湧いてくると同時に心地よくも感じられるようになります。


フィルムの巻き上げはお馴染みのレバー式です。えー?初めて見た??


立っているレバーでミラーダウンします。こうしないとファインダーに何も映りません。
丸いダイヤルがピント合わせ用で、その右下にシャッターボタンが見えます。


シャッターボタンだけは妙に小さいですねw
ほとんど指で押したことはなく、レリーズを使用していました。

■一撮入魂の真意とは...
 6×7cmのフィルムは主に10枚撮りの「120」というリバーサルフィルム(ポジフィルム)を使用していたので、フィルムホルダーは3〜4個用意して、それを順に交換しながら撮影していました。撮った写真は、堀内カラーといったプロラボに持ち込んで現像していました。


フィルムホルダーは簡単に取り外せるようになっています。
これだけで今時のコンデジよりも大きいです^_^;


 プロの方や今のデジカメのようにたくさん撮って、その中から良いものを使うという撮り方ではなく、「一撮入魂」つまり一枚の写真に全てを掛けるというような気持ちで撮っていました。というと聞こえが良いですが、本当のところはフィルムも現像も都度費用が掛かりましたから、経済的にそうせざるを得なかったというところです^_^;

 

 ただ、そんな時代でもインスタントフィルム(ポラロイド、撮ってすぐに結果が分かる印画紙付きフィルム)があり、それを使って「試し撮り」をすることで、ある程度は結果を予想して無駄撮りは最小限に抑えられていたと思います。

 

■それにしても重いです...
 本製品は重さが約2.6kgもあるので、三脚は必須アイテムでした。もちろんストラップを利用すれば手持ちの撮影もできるのですが、私は一度も実行したことはありませんでした^_^;


約2.6kg。。。何でこんな重いのだろうか??


 それにしても、さすが純日本製だけあって作りが緻密で、プロフェッショナルと謳うだけあって凄く頑丈に出来てます。あ、だからこんなに重たいのか!w


「PRO」じゃなくて「PROFESSIONAL」ですよ!w


■何だかんだで緻密な光学機器です...

  デカくて重たいというと、何となく大雑把で大味なイメージを持つかも知れませんが、分解して細部を見てみると、これは歴とした光学機器だということを再認識します。部品一つひとつが精密に仕上げられていて、古くなっても動きがスムーズなのには驚かされます。

 

 そして、今見ても唸ってしまうような仕組みがたくさん盛り込まれていて、触っているだけでワクワクして楽しくなってきます。いや、あの厳しかった撮影から開放された今だからこそ楽しいのかも知れませんね^_^;


分解するのもなかなか楽しいものですね〜

■写りなど...
 
カメラ的な性能と写りは申し分ないです。バシッと決まると、すばらしい描写力で35mmフィルムの一眼レフで撮った写真は足下にも及びません。大きく引き延ばした時などに、おぉぉ!と感動します。が、腕が未熟なだけに失敗すると酷いです^_^;

 

■製品仕様

□形式:6×7cm判レンズシャッター式一眼レフレックスカメラ
□画面サイズ:6×7cm判
□使用フィルム:120フィルム(10枚)、インスタントフィルム
□カメラバック:90度リボルビング式 + 各種フィルムホルダー
□レンズ:セコール127mmF3.8 - 3群5枚
□シャッター:メカニカル・レンズシャッター(1〜1/400秒)
□ピント調整:ラック&ピニオンによる蛇腹繰り出し式
□ファインダー:ウエストレベルファインダー(視野率96%)
□総重量:2,676g

 

 

■ついでに音もデカい!
撮影時の音を文字で表現すると「ガバッ、ベロベロン、バシャッ!」です。


ガバッ = ミラーを下げてシャッターがチャージされる音
ベロベロン = フィルムを巻き上げる時の音
バシャッ = レンズシャッターが切れる音


付け加えるとするならば、「シュパッ」という引きフタを抜く音でしょうか。

とにかく、激しく音がでるので、盗撮には絶対向きませんw

 

 

■使わないけど手放せない...
 間違ってももう現役に復帰することは無いと思いますが、置き物にするような場所もないので、また倉庫に戻して長い眠りに就かせようと思っています...

 


 

 他にもブリズムファインダーや交換レンズ、フィルターなど色々とありますが、全て登録するのは大変なので本体周りのみとしました。気が向いたらモチモノ登録してみたいと思います。

  • 購入金額

    0円

  • 購入日

    不明

  • 購入場所

29人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (10)

  • がじおさん

    2014/10/04

    645含め正に日本の名機ですよね。
    これが電池なしの機械で動くんですからすばらしいですよね。(^^
    67のマガジンって縦横ぐるっと回転して切り替えられるんでしたっけ?

    中判のフィルムは、まだまだデジタルには追いつかれる事のない
    解像度を持っていますから、たまにはルーペでポジ眺めるのも楽しいですよ。(^^
    私も持っていますが、セコニックのスタジオデラックスも懐かしいですね。
  • izappyさん

    2014/10/04

    がじおさん、

    90度ですが、ぐるっと回転します。
    プリズムファインダーならカメラごと傾けられますが、
    標準のままだと、これが無いと困りますw

    昔撮ったポジはほとんど残っていませんorz
    ライトテーブルも捨てちゃいました。。。
    残っているのはルーペくらいです^_^;



    今度、当時のポジを探してみます。
  • hachiさん

    2014/10/04

    永遠の名機ですね。ペンタックス6×7もあったけど、本物は良いです。露出計も同じの持ってました。「被写体に向ける」のではなく、「被写体の立場に立って明るさを測る」…。自分も忘れました。
    あの「バッシャ!!」は忘れませんね。
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