そう..資料。これは「作品」ではない。一人の新人アーティストを売り込むために関係者に配布したプロモーション資料。アーティストデビューを迎えたシンガーソングライターの4曲入りのプレゼンテーションCDと彼女のデビューまでを綴ったプレゼンテーションDVD。
そのアーティストとは新山詩織。高校生の時にデビューした彼女、中学3年生の時に初めて書いた「だからさ」からストリートでのパフォーマンス、オーディションで見いだされ、ヴォーカルレッスンを受け、創作活動に没頭し、ついにデビューを迎えたその時期に作られた資料。
事務所側の「プロモーション」資料でもあるが、それ以上に詩織の「今」が語られていて、「作品」である完成品CDでは得られない、彼女のユレル思春期の心がダイレクトに感じられるものになっている。「だからさ -acoustic version-」は、彼女のデビュー前に「0th」シングルとして彼女のメルマガ読者向けに限定配布されたもの。その後バンドアレンジで1stアルバム
に収められるが、それとは異なるアコースティックギター1本の弾き語り。彼女の原点ともいえる曲で、短い詞に彼女の感情のほとばしりがみえる。♪何が本当かなんて/分からないまま/時間は私を/おいてきぼりにして/my music/your music/お互いに/手をつなげて/進んでいこう/そうしたい♪後の「作品」としての完成度が高い「だからさ」より、より彼女を近く感じる。
「Looking to the sky」。彼女が歌うたびにこみ上げてくる、という曲。詞の内容がデビュー前の不安な彼女の姿と重なる。♪もがくばかりの毎日/そんなのつまらないでしょ?/信じられるもの/ひとつあればいい/決めた道/進んで行くなら/Looking to the sky/この空越えて/見えたものに/嘘なんてひとつもないから/前を向いて馬鹿にされても/それが自分なんだから♪
DVDは、当初単なるプロフィールとスナップ的な「きれいな」ものかと思っていたけれど、オーディション風景、ストリートで歌う彼女、レッスン中の彼女、バンドメンバーと創作中の彼女など、「なにかを表現したい」ともがく彼女の姿が収められてる。特に、ストリートとレッスン中に「Looking to the sky」を歌って泣いてしまう姿が収められているが、この詞に込められた彼女の想いが近くに感じられる。インタビューも収められていて、この曲を歌っているときによく泣いていた印象が..という問いには「言葉にするのは難しい...自分の中で急に泣き出して感情的になったときが...ホントに...自分をむき出しにしている時だと思うから」「自分はこれからうまくやっていけるのかな..とか、他人とうまく話していけるかな..とか、どこまで歌えるかな、とか..いつも自分を追い込んで..すぐ泣いて...そればかり繰り返してるから、だから「負けないように」と思って、書いた..」とこの曲に対する思いを語っている。新山詩織、という「人間」が理解できるもの。デビュー当時高校生であった彼女のもがきと、あせりと、口惜しさと、そしてうれしさと、喜びと、変わりたい、という気持ちがよくわかるもの。
アーティストは自分の中にある疑問を形にし、向き合い、そしてそれを肯定的に育てていくから「違ってくる」..そう感じたドキュメンタリーです。「自分のために..自分の...ために、歌ってる..」
【収録曲】
<CD>
1. だからさ -acoustic version-
2. ゆれるユレル
3. Looking to the sky
4. 「大丈夫」だって
<DVD>
1. -INTRODUCTION-
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購入金額
0円
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購入日
2014年頃
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購入場所
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