さかいゆう。以前から何度もご紹介している魅力的な声と広い音楽性を持つアーティスト。もともと音楽家志望ではなかったが、亡き友の遺志を受け継ぐ形で音楽家を目指し、単身渡米し感性を磨いた。その時吸収した教会音楽やソウル、ブラック、ジャズといったクロめの感性の上にポップなメロディが乗るというのが最近の定番で、インディーズデビュー盤
に見られた様なカオスなエネルギーは少し影を潜めた感じだった。
そんな彼の約2年ぶりの新作。
1st
は直球ポップスで、2nd
も少しジャズフレーバーやソウル臭さをまとわせたはいうもののポップス王道で勝負したが、この3rdはポップさは失っていないものの、インディーズの頃のエネルギー感が強く感じられる作品となっている。
「Life is」はハーフの女性シンガーソングライター、Emi Meyer(エミ・マイヤー)とのデュエット。中域に華のあるEmiの声と、高域にのびるさかいのミラクルヴォイスがよく溶け合う。ミディアムテンポで軽くハネるリズムを形作るのは、新世代ウッベの川村竜とMISIAのツアードラムで識られるFUYU。リズム隊と川口周平のアコギ、さかいのピアノだけがバックのアコースティックなつくりで、二人の声が堪能できる。Emiのファルセットのフェイクコーラスが気持ちいい。
ちょっと洋楽っぽい?「EMERGENCY」は、ワウのかかった竹内朋康のギターとゴージャスな生ブラスが、突っかかったような前のめりの打ち込みのリズムと絡む、ファンキィチューン。スガシカオばりのちょっとワルくて色を感じる歌詞だな、と思ったらイケてるダンディ、クレイジーケンバンドの横山剣の作。♪絡まれやすいのは/顔のデザインのせい/またかよ?やる気かよ?待てよ/今/ジャケ脱ぐから♪♪疑われやすいのは/声の周波数のせい/ホントさ/キスマークじゃない/見てよ/今/シャツ脱ぐから♪いいなぁ、この世界w
「ピエロチック」は超COOL!!同じオーガスタファミリーの秦基博と全編ファルセット?と言うくらい高域を使って、採るラインもかなりジャズっぽいと言うか、ブラコンのフェイク部分というかのメロディラインで、それに村田陽一率いるブラス隊とスガシカオの初期のバンマス森俊之のパーカッシヴなオルガンが絡んでクロさプンプン。そのまま終わるのかと思ったら、ブラスメインとなるブリッジ部分はかなりファンキィでインパクトあり!ラストのさかいのピアノソロもイイナ。初回盤付属のDVDは今までのPVが全網羅された9曲入りのもの。彼のPVはストーリー性があって絵だけ見ていても面白いが、1stアルバムの頃のPVは特に自身の姿よりも美しい女性が映っているシーンの方が多いというwマーケティング的にはわかってる?w
メジャーデビュー後特にこだわってきた「ポップス」という立ち位置。インディース時代のものを聴くと、メジャー盤1stと2ndは「ポップであること」がちょっと「狭く」してしまっていたような印象がある。しかしこの3枚目は彼の良さを出していて、それでいて「結果としてポップ」というイイ感じのミクスチャー。
まさに自分のやりたいところに還ってきたら、そこが実はど真ん中だった、という感じを受ける作品です。
【収録曲】
<CD>
1. She left
2. 薔薇とローズ
3. Life is feat.Emi Meyer
4. きみなんだ
5. EMERGENCY
6. オトコFACE feat.KREVA
7. 愛するケダモノ
8. キミのいない食卓
9. イバラの棘
10. ピエロチック feat.秦 基博
11. 僕たちの不確かな前途
12. 時季は巡る
<DVD>“Sakai Yu Best of Clips”
1. ストーリー
2. まなざし☆デイドリーム
3. train
4. Room
5. AHEAD
6. 君と僕の挽歌
7. 僕たちの不確かな前途
8. 薔薇とローズ
9. ピエロチック feat.秦 基博 (Shooting the Recording Session on 2013.8.19)
「ピエロチック feat.秦 基博」(公式SPOT)
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購入金額
3,990円
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購入日
2014年03月頃
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購入場所
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